The 決断 決断で人生を変えていくたったひとつの方法

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887599994

感想・レビュー・書評

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  • 【読書メモ】

    ●王道を選ぶ

    ●決断には「体」「心」「魂」の3つのレベルがある。人が王道の決断をするためには「魂」の基準に従う。

    ●「体」や「心」ではなく、「魂」の声に耳を傾けて判断すること。これが、決断に迷ったときの大原則

    ●「もし余命が3カ月しかないとしたら?」と一旦考えてみることが、王道の「魂」の決断へと導いてくれる。

    ●人生とは、詩を前にしたときに初めて本質的なことが浮かび上がる。逆に言えば、大部分の人は死を前にしない限り、固定観念や日常のささいな出来事にとらわれ過ぎて、本質的なこととは向かい合わないまま、ときを過ごしてしまう。

    ●「余命3カ月」を真剣に仮定してみれば、自ずと「魂」の基準に沿った決断が導き出されてきます。余命3カ月、と考えることで、死を思ってみることで、人間の中に最も本質的なことが立ち現われて来るのです。

    ●「余命3カ月仮定課題」は、何か問題に直面したときに、そのことの軽重を見抜く力を僕らに与えてくれる。「魂」が望むこととは、自分の人生にとって最も重要で、最も本質的なこと。これは逆にいえば、それ以外のことは本当には重要ではないということを意味しています。

    ●新しい価値を創り出すこと。その価値が、世の中の新しいスタンダードになること。つまり、新しい「当たり前」になること。このような事業こそが、「魂」の基準に合った事業である。

    ●決断をするときは、
     1.余命3ヵ月と仮定する
     2.「魂」の声を聞く
     3.大勢に影響のないことは気にしない
     4.そうすれば人は自然と王道の道を歩いていくことができる


    ●「魂」の5秒間テスト
    「この社会の中で、自分の存在価値はどこにあるのか?」
    「今、自分が歩いている人生に満足できているか?」

    ●まず、自分の人生としっかり向き合うこと。日々の暮らしの中で何か引っかかることがあるなら、それが何なのか、はっきりと自覚できるまで考え続けること。…決断に臨んだら、「余命3カ月」と真剣に仮定してみること。初心が鈍らないよう、折にふれて「魂」の5秒間テストをすること。決断のタイミングをつかめない人も、繰り返し5秒間テストを行うことによって、人生の問題点にしっかり向き合う状況へと自分を追い込むこと。

    ●根本的な「魂」の事に関しては死守を誓っても、それ以外のこと、大勢に影響のないことについては力を抜く。むしろ妥協しまくっても良い。この緩急のバランスを大切にしていただきたいと思います。

    ●友人にお金を貸してはいけない。・・・今は、こんな風に借金を断るようにしています。相手が借金を申し込んできたら、まず、相手の話を聞くようにします。そして、「うん、考えておくよ」と答えるのです。しかし、お金は送りません。・・・たいていの人間は、三度同じ事をされると、「あ、これは貸す気がないのだな」と気付きます。その場合でも他に借り先は必ずあるのですから、友情が壊れることはありません。

    ●同じものを売っているのなら、面白いことに、最後にはやはり本気で取り組んでいるところが勝つものです。これも29年間の経営経験の中で得た一つの発見でした。たとえ規模では10倍の企業でも、10分の1の企業に負けてしまうことが往々にして起こる。会社がある程度大きくなったら、ニッチ領域には手を出すな。付随して、そんな教訓を得ることもできるでしょう。

    ●「そこそこ儲かりそうだぞ」「面白そうな事業だぞ」、そんな目先の利益で行った決断、「心」による決断は、結局何も実を結ばない。これは事業での話だけでなく、実は人生で起こるすべての決断に当てはまることではないかと思います。

    ●たとえ「魂」の基準にのっとった正しい選択であっても、時の利を得なければ、結局理念を持ちこたえることはできなくなってしまうのです。

    ●新規事業に向いている人材と、安定期に入ったときに向いている人材。このことも、よくよく見極めていなければならないことの一つで、間違えると手痛い失敗をくらうことになります。

    ・・・新しい事業を興すとき、必要なのは言ってみれば"野人"型な人材です。破天荒で、型にはまらない。むしろ自ら型を壊そうとする人。常識をあまりわかっていないような人間の方が、新規事業には向くのです。

    ・・・しかし、事業が安定期に入った後には、必要とされる人材は全く異なってきます。この場合に適材なのは、大企業的とでも言えばよいでしょうか。"調整・協調"型の人材です。業務の一つ一つの過程ごとに漏れなく目を配り、ミスが起こらないようチーム全体にきちんと分担させる。それを俯瞰の視点でもう一度見渡すことができる、そんな人材です。

    ●新規事業で登用した人材は、事業が安定期に入ったら調整・協調型の人間に交代させること。そして、その人間には新たな新規事業を作ってやること。難しいかもしれませんが、そこまでやることが、社長たるものの責務だと僕は思っています。

    ●新規事業を始めるときには、先に"撤退基準"を明確に作るようにしています。
    ・・・まず必ず決めることは、いつまでに成果をあげるべきか、という期日の基準。
    ・・・もう一つ必ず決めることは、いくらまで資金を注ぎ込むか、という予算の基準です。
    ・・・このように撤退基準を先に決めておくことは非常に重要です。人は誰しも、自分が関わっている事業には特別な感情を持つものです。


    ●もしも皆さんが、「本当は『魂』の基準をごまかして生きている」と思うところがあったら、今、目の前の時間をとりあえず埋めてくれている仕事なり子育てなりといった義務にも、いつか必ず引退のときが来るということに思いを馳せて下さい。

    そのとき、どう生きるのか?何をするべきなのか?今度こそ自分の「魂」に言い訳をせず、本当にしたいと思うことを納得のいくまで探し当てる。そのとき、朽ち果てた老後や目標喪失などという事態は起こりようがなくなるのです。


    ●後悔のない歩みをしてきた人・・・僕がお伝えしたいメッセージは、「後進を育てよ」ということです。自分の「魂」に真剣に向き合い、その結果、全力で取り組んできた大切な仕事であればあるほど、それを自分一人で完結させてしまってはいけない、そう思うのです。

    ●一つの会社の周辺にたくさんの人の生活が関わっている以上、「会社は社会の公器である」というのが僕の考えです。そして、実はこれは社長と会社の関係だけではなく、私たち一人一人の人間と仕事との関係についても同じ事が言えると思うのです。

    当たり前のことですが、仕事は決して一人でできるものではありません。こんな基本中の基本のことを、それでも、人はどこか忘れがちなところがあるのではないでしょうか?だからこそ、まるで自分の仕事は自分一人のもののように思い込んで、いつまでも執着するということが起こってしまうのです。


    ●仕事とは、ただ自分一人の人生を懸ける場所であるだけでなく、他人との、もっと大きく言えば社会とのつながりの場でもあります。だからこそ、人は、もし自分の仕事が面白いと思えば思うほど、その仕事の極意や醍醐味を、周囲の人々に、そしてなるべくなら次の時代を担う後輩たちに、しっかりと伝えていくべきではないでしょうか。自分の人生が今の仕事の中で生かされたなら、その仕事はきっと、別の人の人生をも生かすことができます。

    今、自分が愛しているこの仕事がこの先もずっと世の中に存続するよう願うことは、「魂」が望むことではないでしょうか。後進を育てるということは、人間の義務の一つなのです。


    ●「もの」から「こと」への転換

    ●あなたの家・お金・宝石・学歴・地位・・・その全てをもってしても、死の質を変えることはできません。

    ●「魂」の声を聞き「魂」の決断をするということは、このような、人との比較に縛られた一般的な"成功"の概念から、自分を解放することでもあります。自分が本当にしたいと思うことをする。本当になすべきだと思うことをする。そのとき、そこに他人の評価が入る余地はありません。

  • 決断の際に必要なのは魂の決断。

    心に深く残った。

  • フォーバル社長の大久保さんの本。
    20代の時の理想に燃えていた時代から、50代の社長までを振り返り、
    その間の決断をはらはらするストーリーで紹介しています。


    決断の基準がはっきり言葉で分かる

    人生において、決断するタイミングは何回もあるし、
    その中には、人生を変えるような大きな決断もある。

    でも、その決断をする時に、その基準がはっきりしている人は少ないだろう。
    なんとなく、周りに流されて、とか一時的な利益に目がくらんで、と反省する事もある。

    社長の本なので、自慢や強調しすぎの部分もあるが、第2章だけでも、この本を買う価値はある。
    自分の決断をよりクリアにする為に、P96とP100を手帳にメモしてください。

    自分の決断が、会社や家族など、大きな影響を及ぼす立場なら必読の本です。

  • フォーバル会長の大久保秀夫氏の著作です。

     決断を下す時、大抵は体をよりどころにするか(今日は疲れているから仕事を切り上げて帰ろう、など)、心をよりどころにするか(人によく思われたいのでがんばろう、など)で決める。
     
     しかし、一番よりどころにすべきは魂だ、と書きます。

     自分の魂に照らして恥ずることのない決断をすべきだと。

     大久保氏が若かった頃、KDDIとの取引の中で京セラの稲盛会長とシビアな商談を行ったエピソードが書かれています。

     大久保氏が開発した新製品のほとんどをKDDIが買い取るという破格の条件だったにもかかわらず、大久保氏は契約を断ります。(実際にはいったんサインした契約書を翌日キャンセルした、と)

     「この製品は1社の利益のためではなく日本の通信事情を根底から変えることが目的だったはず」という魂の声を聞いた決断だったそうです。

     こぼれ話ですがフォーバル社は旧社名を新日本工販といいます。私が銀行に就職して最初に配属された支店の取引先で実は店頭で何度か大久保会長をお見かけしています。そんなことを思い出しながら食い入るように読ませていただきました。

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著者プロフィール

株式会社フォーバル代表取締役会長。1980年25歳で起業。1988年、日本最短記録(当時)で株式を公開。同年、社団法人ニュービジネス協議会「第1回アントレプレナー大賞」を受賞。東京商工会議所特別顧問、公益財団法人CIESF(シーセフ)理事長、一般社団法人公益資本主義推進協議会会長。最新刊『捨てる勇気』など著書多数。

「2016年 『BIOCITY ビオシティ 65号 健康寿命を中心にすえたまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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