- Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784888487122
感想・レビュー・書評
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歴史と用語の定義にかなりのページが割かれていたため、多少の読みにくさがあったが、とても気づきの多い本だった。
特に、相談とカウンセリングの違い、カウンセリングとコンサルティングの違い、共感と共感的の違い、当事者を主語にした吟味と依託は、仕事の上で常に頭の中に入れておきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
キャリアカウンセリングの基本がわかる本。
数年前に国家資格にはなったものの、キャリアコンサルタントの社会的な役割や機能、心理治療や相談との違いなどは、まだまだ世の中でちゃんと認識されていない。日本では歴史の浅い職業なこともあり、アメリカでどのように発展してきたかや、他の似た職業との違い、またカウンセリングの実践的な内容までがまとまった本。
・カウンセリングは単に悩みを聞くだけでもなければ、治療だけでも、情報や忠告を与えるだけでもない。個人が一時的に遭遇する困難を克服してその人なりの特徴をフルに生かして生きていけるようになるのを助ける過程である。
・カウンセリングと相談の一番の違いは専門性
・人は自分自身を分析する力を持ち、その分析に基づいて賢明な選択をすることができるという信念に基づく
・日本ではvocationとoccupationを区別することは少なく、両方ともに「職業」という日本語を当てはめている。しかしvocationはoccupationとは異なる。語源的には「神からの呼びかけ、神から与えられた道、思し召し」であり、一般的には「個人が持っている資質を生かすこと、生かす道」と言いかえられる。
・社会が複雑になり、可動性に富み、かつ豊かになればなるほど、カウンセリングは社会の中で必要不可欠となり、その役割は重要になる。(中略)要するに、情報過多で、かつ伝統的価値観が崩壊しつつある時代に、自分らしく生きるためには、「自分を知る」ことが必要不可欠の条件となったのである。
・カウンセリングと心理治療との相違点:カウンセリングは、発達的視点に立って、成長と適応という個人の積極的側面に強調点をおき、環境の中で効果的に機能できるようになること、言い換えれば自立することを目的とするのに対して、心理治療は、治療的視点に立って、障害や問題を軽減させることを目的として個人の援助を行う