まど・みちお詩集 (ハルキ文庫 ま 1-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894563933

感想・レビュー・書評

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  • 「誰もが口ずさんだ「ぞうさん」や「ふしぎなポケット」。口ずさむことで豊に癒されてゆく心。戦後から現在まで、万人が愛唱した数多くの童謡や言葉遊びの詩。多面的な子どもの世界、生き物の生命、自然の不思議さ、物の役割を深く優しく、そしてリアルでユーモラスな眼差しで歌い続けてきた詩人まど・みちお。日本人初の国際アンデルセン賞受賞詩人のテーマ別に編纂された代表詩選。」

  • 同郷の童謡詩人にこれほど感性の優れた人がいるとは知らなかった。金子みすゞに優るとも劣らないだろう。
    好きな作品に

    とんぼの はねは
    ミズスマシ
    さかな
    チョウチョウ
    コオロギが
    びわ
    スミレ
    ブドウのつゆ
    レンゲソウ
    喜んでいるのだろう
    おばけなら いうだろ
    きこえてくる
    どうしていつも

    などがある。何れも心のホコホコする秀作だ。

  • 連想するのは、宇宙、悠久・・・。

    感じるのは、
    自分を映しているカメラが引いていって、地球もゾウも僕も空中に浮かんでいる埃の一つも同じ、「そこに存在するもの」、「同じ価値を持つもの」として捉えているまどさんの目線。

    詩を自分から読むのは初めて。

    僕が感動し共感する、あまたの小説やエッセイには及ばないけれども、これから先、ふと読み返したくなるときが度々訪れる・・・そんな予感をさせる、まどさんの詩の数々でした。

    高評価とレビューで、僕にまどみちおさんに出会うきっかけを作ってくれたフォロワーさん、ありがとうございます。

    声に出して朗読するのがいい気がします。
    恥ずかしいから人前ではやらないけど。

  • まど・みちおさんの詩が、好きで好きでたまらない。読んでいるうちに、その、優しさ、新しい繊細さに、じんわり涙が、滲んでくる。ハッとする視点。愛があふれている。優しい気持ちで、いっぱいになる。
    図書館で、借りてきたのだが、手元に置きたいので、購入しようと思う。好きな詩だらけで、本が付箋だらけになってしまった。

    好きな詩を幾つか、上げます、、、


     ナメクジ
    ナメクジのことを おばあちゃんは
    ナメクジラと いうけれど…
    なるほど ぎんの波 ひとすじ
    うしろに ひいて
    口笛の ふんすい ふきあげながら
    すべっている
    クジラのように どうどうと…

    それは ほんとうは
    こんな きたならしい
    くさりかけた コケのうえではなくて
    かみさまの
    はてしなく まぶしい
    宇宙の きょうの日記のうえを
    すべっている ところだからなのか!

    ぼくたち すべての生き物とならんで
    きらめく星のかなたを めざし…



     アリ

    なにげなく
    つまみあげた瞬間にだ
    巨人 ぼくが
    そのアリに かみ切られたのは
    右手 おやゆびの先を
    〇・〇〇〇〇〇一ミリ

    いや
    ごうまんぶれいな鼻柱を
    ねこそぎに!

    鼻のあとを おさえながら
    ぼくは とおくの方から
    聞きほれていた

    その小さな 英雄の生命(いのち)と
    ぼくの生命と
    生命どうしが
    天の下で
    すみとおる音叉のように
    共鳴しているのを



     ことり

    そらの
    しずく?

    うたの
    つぼみ?

    目でなら
    さわっても いい?



     チョウチョウ

    こころなら
    こんなに きれいなの…

    そう いって
    でてくるのかしら
    もじゃもじゃけむしから
    いつも
    チョウチョウは



     かがみ

    かがみを 見た

    のではなかった
    うつっている青空を 見たのだ

    とんでいって ぶつかり
    おっこちた とき
    はじめて かがみを見たのだ

    どんなに ふかい海だったろう
    しずむように しずかに
    死んでいった スズメには

    大そうじの 家の
    庭先に でていた かがみが




     つまようじ

    どこにそだった
    どんな木の
    どんな部分だったのだろう

    と遠い目をして見つめても
    かえってくるのは
    もっとずうっと遠いまなざし…

    たどりついているのだ!
    もう いまは…
    この世のぜんぶの生き物が
    そこへと かえっていく
    ふるさとに…

    そして すごしているのだ
    ほんとの自分にもどれて
    ゆうゆう のうのうと…
    はてしない 星のじかんを
    星の思いのままに はてしなく




     どうしていつも

    太陽



    そして



    やまびこ

    ああ 一ばん ふるいものばかりが
    どうして いつも こんなに
    一ばん あたらしいのだろう





    、、、ああ、まだまだご紹介したいのですが、書ききれません!まど・みちお詩集、おすすめします!


      

    • shukawabestさん
      shukawabestです。
      三浦しをんさんのような、本に囲まれる生活をされているのですね。
      今回のまどみちおさんをきっかけに他の方のものも...
      shukawabestです。
      三浦しをんさんのような、本に囲まれる生活をされているのですね。
      今回のまどみちおさんをきっかけに他の方のものもそのときの気持ちに合わせて読んでみようと思います。
      2022/03/12
    • りまのさん
      shukawabestさん
      春ですね。読書を楽しんでくださいね。素敵な季節になりますように!
      shukawabestさん
      春ですね。読書を楽しんでくださいね。素敵な季節になりますように!
      2022/03/12
    • shukawabestさん
      ありがとうございます。
      本当にいい季節になりました。
      ありがとうございます。
      本当にいい季節になりました。
      2022/03/12
  • 根底に優しさが溢れていて、感動します。

    まどさんのものの見方は、
    とても愛がこもっていて、
    しかも新しさがある。

    考えたこともなかった発想が、
    本書にはたくさんありました。

  • 「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」など、誰もが口ずさんだことのある童謡が勢ぞろい。愛しいものを愛しいと、不思議なことを不思議だと、まっすぐにうたいます。

  • 「やぎさんゆうびん」、「ぞうさん」、「ふしぎなポケット」などの童謡でも有名な まど・みちおさんの詩集。

    小さいもの達への優しい眼差しが感じられる詩集でした。

  • 「リンゴ」「はっぱ」「昼しずか」「ねむり」「いくらなんでも」「かいだん」がすき。

    「ドクダミ」「けしき」がとくにすき。

  • 図書館にて。
    まどさんの作った歌詞は動揺として、詩は教科書として、子どもの頃に何気にふれあっていた気がしますが、ふと本を見て懐かしくなって借りました。
    読む、というよりも感じる文庫だと思いました。
    懐かしかったり、なんだか昔の感情を思い出して泣けて来たり。
    たまに怖い何かを感じたり、優しい何かを感じたりと、詩、とは凄い力があるのだと改めて知った一冊です。

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著者プロフィール

詩人。1909~2014年。はじめての詩集『てんぷらぴりぴり』出版で第6回野間児童文芸賞。1976年『まど・みちお詩集』(全6巻・理論社で第23回サンケイ児童出版文化賞。同年、川崎市文化賞を受賞。「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」などの童謡詩で広く知られ親しまれている。


「2017年 『女声合唱組曲 ねこに こばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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