- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896916805
感想・レビュー・書評
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話としては面白いけど、それ以上ではないところが残念。あとジャーナリストと言うにはお粗末な程、文章が読みづらい。
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戦前、戦中から造られていたであろう地下道の話。著者はいろいろな記録からそれを明らかにしていくのですが、そうかぁ、あそこに地下道があるのかなぁという感想で私は留まります。
将来有事の際には避難に使えるのかもしれないですが、今も伏せている地下の存在は将来も公開されないだろうし、もう老朽化して使えないかも。あるいはこっそり修復しているとか。
出版から時間が経っており、新たな建築や道路もできているので、著者からすればまた見えかたが変わるかもしれませんが、私はそこまで地図とにらめっこする気力がないです。。 -
霞ヶ関の地下には核シェルターが、東京には秘密の地下鉄がある。有名な都市伝説だ。この本でもその地下網の姿を追いかけているが残念ながら証拠と言える物はない。数多くの証言が秘密の地下通路の存在をほのめかしているが全て匿名であり、これらもそのまま鵜呑みに出来る物ではない。「ムー」や少年マガジンの「MMR」と信憑性は変わらないと言ってもいいかも知れない。それでも、確かに何かあるのではと思わせる記録が数多く残っている。
1919年利光鶴松が東京高速鉄道を設立し、複数の地下鉄路線を申請。当時地下は私鉄の参入が可能だった。新宿ー大塚間が公布されたがこれは22年に新宿ー小田原間の小田急へと変身した。
1927年早川徳治の東京地下鉄道(銀座線)浅草ー上野開通、34年銀座ー新橋間が開通し全線開通となった。
同じ年設立された2代目の東京高速鉄道は東急の五島慶太が実権を握り38年虎ノ門ー渋谷が開通。免許は渋谷ー丸の内と新宿ー築地だったが新宿線は新宿ー四谷見附まででそこから赤坂見附に連絡船を引き渋谷線へ繋ぐ計画へと変更している。丸ノ内線の新宿ー四ッ谷から半蔵門に延ばし、現在の首都高三宅坂JCを経由して桜田門へ、そこから日比谷線で銀座を経由して築地というのが新宿線の計画路線だった。渋谷線も当初計画では赤坂見附は通らず赤坂へと向かう予定だったが地下鉄としてはかなり異例な急カーブを作ってまで赤坂見附を通っている。
渋谷線の新橋への延伸は将来新宿線への乗り入れを目論む早川が複々線化を条件としたが折り合わず五島の東京地下鉄買い占めに発展する。鉄道省の調停を受け早川が撤退41年帝都高速度鉄道営団が設立し2004年東京メトロに引き継がれる。東京地下鉄の西武軌道線は五島が整備し後に西武新宿線となった。また丸ノ内線は戦後51年に着工し54年に池袋ーお茶の水間が開業59年までには淡路町、東京、銀座、霞ヶ関、新宿と着々と開業し、ついで61年に日比谷線、荻窪線が開業し62年には現在の丸ノ内線が全面開通した。64年日比谷線がわずか3年弱で全面完成、66年東西線、71年千代田線、74年有楽町線、78年半蔵門線と続いた。(この本は時系列についてはまとまっていないのでwikiによる)
首都高速については東京オリンピックに合わせて整備された事が知られているが59年に首都高速公団が設立されこの本で問題になる64年10月1日までに空港西から浜崎橋JCー芝、汐留JCー本町、江戸橋JCー神田橋ー初台、三宅坂JC−霞ヶ関が開通した。(首都高HPの首都高の歴史がわかりやすい)
東京の都市計画は1888(明治21)年に市区改正委員会が発足し、1等1類の道路としては昭和通り(上野ー新橋)、中央通りー外堀通り-日比谷通り(湯島ー丸の内ー日比谷)、内堀通りー桜田通り(竹橋ー大手門から桜田門へ堀の上ー虎ノ門)、総武本線の新日本橋ー馬喰町、東西線ー大江戸線(日本橋ー門前仲町ー勝ちどき)、有楽町線(新富町ー月島)など現在の主要道路や地下鉄などに重なる。ただし10年経っても1本の道路も引かなかったとされている。1908年には下水改良工事が「宮内省」の了解を得て計画され3年後に大部分が未完了のまま終了した。
1915年ロンドンはドイツからの爆撃を受け防空壕の必要性が初めて認識された。1920年東京市は次期総理候補後藤新平を市長に選出した。前年に提出した地下鉄計画が内務省に否定され最初に書いた利光と五島の地下鉄に免許が降りていた。10年前に市電を買収し電気局を発足させた後藤に救いを求めたのは、東京市の原敬内閣への対抗策だった。後藤は東京改造計画「八億円計画」を発表し、1922年鉄道敷設法を骨抜きにすると「虎ノ門ー竹橋」間の地下鉄を翌年申請し4月に辞職している。そして9月に関東大震災が起こる。内相になっていた後藤は帝都復興院の総裁を兼務し「これまでどこに道路があったかは考えなくて良い」とし八億円計画をベースに帝都復興計画を予算化した。この年9月から12月までに地下鉄建設計画が殺到している。1924年の東京市議会では「虎ノ門ー竹橋」地下鉄事業は打ち切りとなった。地下鉄は何も出来ていないにもかかわらず予算は使い切りしかも流用はしていないと電気局が答弁している。3月に東京地下鉄網は閣議決定され、その半年後に史上最大の道路工事が実施された。
この時計画された6路線は以下、立ち消えの計画は実は進んでおり、そしてこれら6路線が追加され戦前に完成していたというのが本書の骨格をなす。
第一線 築地ー日本橋ー浅草橋ー浅草ー押上 都営浅草線の前身でほぼ直線
第二線 戸越ー五反田ー三田ー赤羽橋ー新橋ー銀座ー日本橋ー秋葉原ー上野ー千住大橋 都営浅草線〜日比谷線、昭和通り
第三線 目黒ー恵比寿ー六本木ー虎ノ門ー日比谷ー東京ー神田ー本郷三丁目ー巣鴨ー板橋 日比谷線〜丸ノ内線に重なる部分、目黒ー六本木は五島が免許を持っていたがこの後失効させられている。六本木から日比谷までまっすぐ。
第四線 渋谷ー高樹町ー赤坂見附ー桜田門ー日比谷ー築地ー月島 高樹町ー桜田門ー築地がそれぞれほぼ直線。首都高渋谷線と晴海通りが思い浮かぶ
第五線 新宿ー四谷四丁目ー市ヶ谷ー五番町ー東京駅前ー永代橋ー南砂町 新宿〜市ヶ谷は靖国通りとして五番町ー東京駅前は皇居の真下をまっすぐ横切る。このルートに免許が与えられているのだ。丸ノ内線の東京駅から丸ビルと新丸ビルの間を通る行幸通りを和田倉門を抜けてまっすぐ延長するとほぼ半蔵門駅にあたり、そのまま行くと市ヶ谷の自衛隊に行き着く。
第六線 大塚ー池袋ー目白ー江戸川橋ー飯田橋ー九段下ー大手町ー日本橋ー人形町ー大島町 JRー目白通りー東西線ー都営浅草線ー都営新宿線
細かな謎としては大手2社の地下鉄路線が違い続けている事、丸ノ内線の赤坂見附近くで当時メートル法で設計されていたカーブに1カ所だけ戦前使われていたマイル法が混ざっている事、首都高速公団が最初に建設したのが地下駐車場だった事、建設前の地下鉄の始点と終点に突然センチ単位のポイントが現れる事、あちこちの駅に使われていない階が存在する事、普段使わない地下通路ができていることなど。また2・26事件、5・15事件、マッカーサーに地下道は使われたのかという謎掛けもある。
東京の地下にあった防空壕の多くはその後高層ビルの基礎として処理された。東京オリンピックでも首都高の整備とともに多くの道路工事が行われた。では2020年のオリンピックに向けて東京の地下の秘密の一端は見えるのか?信憑性はともかく非常に面白い。時系列が分かりにくいのが難点で、地図の扱いがいまいちなのでGoogleMapが必要だった。それとあまりにもこじつけが過ぎる部分は捨てた方が信憑性がましてたと思う。
このプロットをダン・ブラウンに渡せばロバート・ラングドン教授が東京の地下を走り回るかも知れない。このオドロオドロシさは荒俣宏の帝都物語のほうが似合っているが。 -
「珈琲豆とうつわ 豆いち」おすすめの一冊
(http://samidare.jp/mameichi/) -
僕の小学生時代からの疑問・仮説・想像を文字にしていただいた感。どこまでが真実でどこまでが真実で無いのか?多分このまま闇に埋もれていくのであろう都市伝説なんだろうな。
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東京の地下の謎を説明する本。2002年。出版社により地図の一部、とりわけ、地下鉄の路線図に微妙なずれがあるところから、著者の地下に対する謎解きが始まる。千代田線や丸の内線などの地下の線路が形成された背景に、戦争時の作戦が絡んでいることや、いわゆる、未成線といわれる路線が多くあることが言及されていて、なかなか面白い。国によっては地図を明らかにしないこともあるので、地下に多くの謎があってもおかしくは無い。
いろいろと文献を参考にして調べられており、著者の熱心さが伝わる一冊。ただし、本当に謎を解明するには政府や建設会社とのパイプを太くする必要がありそう。 -
まさに恐るべし東京!!
地下鉄にのるのが楽しくなります。 -
2002東京の中心部の地下鉄の不可解を追究していくという内容。地下鉄駅のように一見均質なものに見えても実は均質でないってのは「面白い」と感じます。
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読んでてぞっとしてきます。東京という街にはまだこのような知られざる部分があったとは。今までの東京の地下鉄感を、地下鉄建設の概念も、何もかも代えてしまいます。………まぁ、真偽の程は、誰にも分からないですが、嘘じゃない気はしますね。