- Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101263519
作品紹介・あらすじ
我々は、果たして東京の真実の姿を知っているのか?眼に見えぬ地下網の実態は、「帝都」時代から厚いベールに包まれたままではないのか?限られた資料を細大漏らさず収集、そして取材、分析することによって、地図には記載されない地下鉄の存在が炙り出され、あるはずのない大地下網の存在が明らかになってゆく。我々に残された最後にして最大の謎に挑む、ノンフィクションの傑作。
感想・レビュー・書評
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帝都東京・隠された地下網の秘密
著:秋庭 俊
紙版
新潮文庫
まさに都市伝説、ひっそりと眠る、昭和の浪漫、戦前の東京の都心には巨大な地下網があった
関東大震災の復興のために、後藤新平が、国家予算に匹敵する費用を投入した一つに、東京地下世界の創造であった
東京の地下建設については、なぜか国民に伏せられていた
陸軍、そして海軍の巨大な防空壕、千代田線霞が関駅は、海軍省の巨大な防空壕を改造して作った駅だ
国土地理院と地下鉄路線図との微妙な違い、内務省に眠る暗号地図、GHQ
地下鉄国会議事堂には、15人のベテラン駅員と、エース級の管理職が常駐している、これはなにかある
国会議事堂前の図面には旧漢字があった。戦前にも、地下鉄が建設されていたとすれば、丸の内線に組み込まれなかった駅があってもおかしくはない
地下鉄が交差する地点には普通駅があるんだ
半蔵門線の大手町駅はひっそりとつくられて、地下の闇に眠っていた
地図は機密事項になりますから
このように地図を改ざんすることを改描という
首相官邸には3つのトンネルがある。山王ルート、特許庁ルート、ため池ルートという
戦前から地下の工事を担っていたのは、大倉建設、つまり、今の大成建設だ
地下鉄丸の内線の起点は小竹向原、そして、終点は、中野富士見町だった
五島慶太は、西武軌道から、地下鉄の建設、そして、地下街の建設へ関与していく
鉄道を主体としたのは、防空壕というより、トンネルに近いものを量産しようとしていなのではないか、退避ルートの確保ということである
日本人はもともと、トンネルを掘るのがうまかった。ラバウルでも、硫黄島でも
もともと、ヤードポンド法で行っていた建設を、ある時期からメートル法へと変更した。地下鉄で200ヤードでぴったりという箇所がある、それはとにもかくにも、大正期に設計されたということを意味している
戦前に申請された6つの地下鉄路線
築地ー日本橋ー浅草橋ー浅草ー押上 これは都営浅草線
戸越ー五反田ー三田ー赤羽橋ー新橋ー銀座ー日本橋ー秋葉原ー上野ー千住大橋 これは都営浅草線+銀座線
目黒ー恵比寿ー六本木ー虎ノ門ー日比谷ー東京―神田ー本郷三丁目ー巣鴨―板橋 日比谷線
渋谷―高樹町ー赤坂見附―桜田門ー日比谷ー築地ー月島
新宿ー四谷4丁目ー市ヶ谷ー五番町ー東京駅前ー永代橋ー南砂町
大塚ー池袋ー目白ー江戸川橋ー飯田橋ー九段下ー大手町ー日本橋ー人形町ー大島町
国会議事堂には完成時から3つの地下道があり、衆議院議員会館、参議院議員会館などに通じていた
目次
まえがき
序 七つの謎
第1章 入れ換えられた線路
第2章 一等不採用
第3章 知られざる東京の地下
第4章 地下は新宿を向いていた
第5章 二〇〇ヤード
第6章 戦前、ここにも地下鉄が走っていた
第7章 帝都復興
第8章 東京の下にはもう一つの東京がある
あとがき
文庫版あとがき
参考文献一覧
ISBN:9784101263519
出版社:新潮社
判型:文庫
ページ数:432ページ
定価:629円(本体)
発売日:2006年02月01日詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
駅施設内交換本。
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都心の地下鉄には他の路線があったに違いない、という結論ありきで話を進めていくので、それ以外の観点が全くない。トンネル建設には不可欠な地質調査に関する資料が一切なく、工事関係者の取材もない。
陰謀論に憑りつかれた人間の思考はこうなっているのか、と思わせてくれた。 -
【速読で読んだ本】
資料として読んだが全くの期待外れだった。
そもそも著者が何を謎として問題提起したいのかがよくわからなかった。
本文についても、謎っぽい記号とかワードとか、何らかの謎をにおわせる文章がありつつも、いずれも捉えどころがなく取り散らかって書かれているだけで、そこに論理性がないのでよくつかめない。
何か言いたいのはわかるし、事実も多く含まれているのだとは思うけど、支離滅裂というか、事実以上のことを(著者は)想像しつつそれが文章化できていないがために、伝わってこない。
残念。 -
膨大な資料に裏付けされた
東京の隠れた顔…
仕事柄、楽しく読めた一冊! -
面白いテーマだとは思うんですが
内用が根拠のない想定だらけなので
もうちょっと納得できる話にしてくれないと
事実も含まれているかもしれないのに本の価値を低めていると思います。
いわゆるトンデモ本の一つのなのかな -
文字通り、首都東京のアンダーグラウンドを紹介した裏の東京案内本。
ありきたりな東京観光に飽きたら、これらを手に東京を散策してみては、いかがだろうか。 -
平成24年2月22日読了。