- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898153130
作品紹介・あらすじ
きわめて真剣、かつ軽やかで愉快な言葉のかたわらに、映画の現在に迫る根源的な問いが投げかけられる。「武装解除」の歓び。
感想・レビュー・書評
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黒沢清、青山真治の両監督については、以前から大好きでその作品を何度もくり返し、よく観ていた。
観客として、他の監督とは明らかに異なる引力を持った映画を撮る人であると、体験的にそう感じていたまでにすぎないが、先輩と後輩、また蓮實重彦の教え子という関係にあったとは知らなかった。
そもそも僕は、蓮實重彦という人について、ものすごい批評家であるという程度の認識しかなく、その考えにも触れたことがなかったのだが、まさか教え子の作品を通してそれを体感していたとは!
本書がとてもいいのは、互いへの敬意と緊張感を保ちつつ、思い切って、「最近なんか面白い映画みました?」という雑談からスタートしているところで、基本的にはただ映画が好きで好きでしょうがない人たち、という立場をとっている点。
しかしこれが、僕のようにレンタルDVDで映画を観て、面白かっただの、つまらなかっただの、気分で語ってしまうような程度の低いものではなく、映画というものの本質を射貫くほどの言葉をもって話されている。その言葉は軽く、冗談交じりなのだが、熱いものがある。
タランティーノ監督の『デス・プルーフ』や、ウェス・アンダーソン監督の『ダージリン急行』がすごく良いという話から、遠慮がちに黒沢清監督の『トウキョウソナタ』がいかにすごい映画であるかの話に流れていくところで、照れやがって! と思いながら、じつは僕もそれがすごく嬉しくて、読み始めにしてすでに、ここに感想を書くに至る。
聞いたことのない監督名や作品名、撮影の技法などもたくさん出てくるが、そのこと自体について語っているわけではなく、つまるところ「自分は世界をこのように見ている」という、人間同士の対話へと昇華されているので退屈せず、自分ももっとたくさん映画を観て、考えて、悩んで、そうして生きていこうと思った。
それと先輩方ごめんなさい! 僕は最近のタランティーノはよく分からんとか思い上がって、『デス・プルーフ』観てませんでした! ティム・バートンも同様に『猿の惑星』すら観てません! ちゃんと観ます! 反省してます!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画を観てないと中々イメージが湧きづらいけど、対談形式なのでライトに読める。
個人的には最終章が1番興味深かったかと。
10年以上の前の本なのでまた現状で考え直してみても面白そう。 -
図書館でほぼ私物化レベルで借りて返してを繰り返した本。今は閉架図書行き。
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2019/05/25
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ハスミンの見た目の貧相さに、何か感じるものがありました。