- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784900845657
作品紹介・あらすじ
母親に名前さえ呼んでもらえない。「That Boy(あの子)」から、ついには「It(それ)」と呼ばれる-。「なぜぼくだけが?」米カリフォルニア州史上ワースト3の児童虐待を体験した著者が、赤裸々に語った壮絶な日々の記録。
感想・レビュー・書評
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著者が母親から受けた虐待を記録したノンフィクション。三部作のうちの第一部「幼年期」。虐待は4歳頃から突然はじまり、食べ物を与えられない、汚物を食べさせられる、ガスコンロで焼かれる、ナイフで刺されるといった、目もあてられない非人道的な行為を日常的に受けている。何年もの間、このような虐待に耐えて生き延びたことが、奇跡としか思えない。この本は行為を受けた側の視点で全て書かれているため全貌はわからないが、まず、死にたい気持ちを乗り越えながら、不屈の精神で耐え忍んだ著者に敬意を表したい。
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昔、読んでみたもののあまりに読むのが辛くて諦めた作品。
今回も何度も何度も途中で読むのを止めようかと思った。
それぐらい苦しくて、胸糞悪い。
母親の行動が理解出来ない。
それと同じぐらい彼を取り巻く、父親、親戚、近所の人、学校関係者など全ての大人が理解出来ない。
ガリガリでボロボロで風呂にも入ってないような子供がいたら虐待で訴えるだろ。
虐待がそれ程問題視されてなかった時代なのかもしれないけど、それでも酷過ぎる。
死んだ方が楽な毎日を生き抜いた彼の強さに只々敬服します。 -
私の中で久しぶりに読むのがしんどかった作品
これが実話だから恐ろしい
虐待から子供たちを守れる世の中にいつになったらなるのか… -
何度も本を閉じかけて、それでも最後まで読みました。
ただひたすら辛くて、本当にこんなことが現実にあるんだな....
と思いました。
自分の体験を、自らたくさんの人に発表することは
とても勇気や覚悟がいることだと思います。
それをやったデイヴ・ペルザーさんは本当にすごいと思います。 -
作品紹介
母親に名前さえ呼んでもらえない。「That Boy(あの子)」から、ついには「It(それ)」と呼ばれる-。「なぜぼくだけが?」米カリフォルニア州史上ワースト3の児童虐待を体験した著者が、赤裸々に語った壮絶な日々の記録。
あまりにも酷い虐待に怖気をふるいながら読みました。 -
立ち上がる勇気、耐え抜く力、本当の賢さを手にいれていく主人公の人生を、まるで目の前で見ているかのように想像を掻き立てる
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図書館/本を読む上で、文字を追うとそのシーンがぼんやりイメージできるのって良いことだと思ってたけど、こんな酷いことある?タイトルだけは知っていたけど当時小学生の自分でも「この本はきっとこわいやつだ」ってなんとなく感じてたから、相当だ。しかも物語じゃなく実際に起こったことだとは。文字にするのも辛かっただろうな。遅くなったけど、あのころの著者を抱きしめてあげたい。だいじょうぶだよって言ってあげたい。
日本だって同じ…虐待のニュース流れるたびにまたこれも氷山の一角、と思ってしまう自分がこわい。被害者のケアもそうだし、この場合は特に母親の心理状態も気になるところ。 -
中学生の時出会った本。
衝撃すぎてしばらく脳裏に残り、落ち込んだ。
このシリーズは一応全て読んだけど、この本が1番記憶に残ってる。
後々になりウソだったみたいな話しが上がり『母親は刺したけど血は出てない』みたいな事を兄弟が言ってるみたいだが、刺した事や虐待した事には変わらないし、血が出る出ないの問題じゃないとおもったな〜
とりあえずかわいそう過ぎて読んだ後のメンタル維持が必要だった -
虐待だなんて言葉じゃ表せない、もはやこれは拷問なのではと思うことがしばしば。
それでも子供はお母さんから離れられないのですよね。
どれだけ仕返しをしようと思っても、「病気になれ!」としか祈れないデイビッド。
それは母に対する恐怖だけではなく愛のようなものもあるからとその真っ直ぐな姿に涙が出てしまいました。
虐待は恐ろしいものです。
巻末にもありましたが、虐待の被害者はいずれ自分もそちら側へ回ることが少なからずあるみたいですね。
虐待から解放されても、それによる世間の人の目や、いずれ自分もそちら側へ回るかもしれない恐怖と戦うことになります。
虐待は自分は悪くないのに一生人生についてまわるのです。
どうかデイビッドさんが幸せに暮らせるように。 -
ノンフィクションを読むと、事実が羅列されており、人の気持ちを分かるようになるとのことだったので、図書館で見つけた、聞き覚えのある本を手に取ってみた。
簡単に言うと、児童虐待の本。
すごくひどい事をされているが、文体のためか、そこまで辛くない。
最初に書いた事を意識して読んだためか、とにかく、虐待する母親の気持ちを読み取ろうと言う子供の空気読み感がすごいと思った。
例えば、母親に張り倒された時に、足を踏ん張ったら、抵抗してると思われてもっとぶたれるとか、ぼろい服を着せられるのもきっと僕に恥をかかせたいんだろう?とか、どれほど虐待されても、もしくは虐待されていてより虐待されないためにか、自分が主人公ではなく、つねに虐待している側の気持ちを考えている。
兄弟にしても恨む気持ちはもちろんあるが、自分が一番つらいにも関わらず、兄弟も自分の身を守っていたなんて書いてあって、虐待を傷としてではなく、人の痛みを感じ取れる風によく消化している素晴らしい作者だと思った。
改めて思うが、虐待やいじめはやっぱりいけない。