オーウェル『1984』を漫画で読む

制作 : フィド・ネスティ 
  • いそっぷ社
3.24
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本棚登録 : 167
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900963986

作品紹介・あらすじ

20世紀文学の傑作として知られる『1984』。終わらない戦争、監視される市民、捏造される報道……オーウェルが描いた近未来の社会は、コロナ禍とロシアによるウクライナ侵攻で世界に沈鬱な空気がたちこめる今、リアルな怖さを放っている。オーウェルの原文を忠実に引用しながら作られた、初の漫画化作品!!

感想・レビュー・書評

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  • 遂に『1984』です
    しかしながら小説版が近隣図書館になく、しかも何故か大人気のこちらを予約待ちの果に

    面白い!めちゃくちゃ面白いんだけど、それは元々の『1984』がとんでもなく面白いからでついつい「お前の手柄じゃないからな!勘違いするなよ!」と本に向かって言ってしまう
    なんか大人気ない

    「え?読んでますやん?面白い言うてますやん?」という声が本から聞こえてくる

    うん、そうなのよ
    でも、読ませてもらって、楽しませてもらって、分かりやすく理解させてもらってほんとうに申し訳ないんだけど…
    最後まで「お前じゃない」感が払拭できなかったのね
    なんで★3、ほんまごめんやけど

    はい、そんで中身!
    うん、いろんな捉え方ができるし、いろんな捉え方をしていいんだろうけど、そういう芯の部分じゃないところでひとつ
    物語の成り立ちというか構成みたいなんが非常に科学的だなと感じました

    思想とか哲学みたいなところを論じるのに、すごく論理的思考によって文章が構成されていて緻密で隙がない印象
    うん、SFやわーって、すごいSF感だしてきてるわーって思いました

    あとね、やっぱりニュースピークについて触れねばなるまい
    まぁ皆さんいろいろと考察されてるんですが、ちょっと変わった視点をひとつ

    「ニュースピーク」とはオーウェルが生み出した新しい言語体系なんですが、これは言語(単語)を削ぎ落とすことで、思考力を制限することを主な目的として作られてるわけです
    概念を表す言葉がなければ、人はそんな思考を持つことができないという恐ろしい思想のコントロール方法です

    で、これ知ってる人はすぐ気が付いたと思うんですが、エスペラント語と非常によく似てるんですよね(調べたらオーウェルはそもそもエスペラント語を参考にしたって説もあるみたい)
    エスペラント語ってのは世界中の人たちが意思疎通をしやすくするための共通語として簡略化された言語体系を持ってるんです

    なんとびっくり!

    世界を閉じるために作られた言葉と世界を広げるために作られた言葉が結局似たような言葉になってます

    でも、全く正反対の目的を達成するための手段が同じことってけっこうあるんですよ
    なんかそんな矛盾の中にもオーウェルが伝えたかったことが隠されてるような気もするんですよね

    そして、小説版もいつか読むという決意表明をもって締めさせて頂きます

    • ひまわりめろんさん
      完全に読まない流れやなw
      許す!師匠としては許す!
      ただ春樹がなんて言うか…
      完全に読まない流れやなw
      許す!師匠としては許す!
      ただ春樹がなんて言うか…
      2023/06/18
    • ひまわりめろんさん
      自分も『鈍器農場』は読みたいと思ってました!
      自分も『鈍器農場』は読みたいと思ってました!
      2023/06/18
    • 1Q84O1さん
      師匠が許してくれるならいいでしょう!
      春樹は大丈夫です!
      師匠ではないのでw
      師匠が許してくれるならいいでしょう!
      春樹は大丈夫です!
      師匠ではないのでw
      2023/06/18
  • 戦争は平和なり
    自由は従属なり
    無知は力なり -

    あまりに有名なディストピア小説、ジョージ・オーウェルの「1984年」を原作に忠実に引用しながら描かれた漫画化作品。

    小説版は高校生の頃(30年以上前だ…)読んだ。
    出たばかりのバイト代を注ぎ込み、新宿の紀伊國屋書店本店で「コインロッカー・ベイビーズ」と「ガリヴァー旅行記」と一緒に買ったのを覚えている。

    だいぶ細部を、というか、ストーリー自体を忘れていた。設定しか覚えていない笑。
    こんなに結末が絶望的だったっけか…

    当時は、テレスクリーンなんて小説の中の話であって現実にはありえない気がしてたけど、今はスマホを使ってテレスクリーンなんかよりもっと効果的に監視することができる。
    いつのまにか現実は「1984年」の世界を追い越しているのだなあ、と改めて思った。
    (まあ、今は2022年なんだから当たり前なんだけど、初めて読んだのも1984年より後だが「近未来小説」というイメージが強いので…
    しかし、つくづく年寄りみたいな感想だな…)

    だからこそ、我々はビッグ・ブラザーを出現させないための努力を怠ってはならないのだ。

  • 十二国とは、違った恐怖政治のオーウェルの「一九八四」。D瓶さんにお勧めした手間、再読しようかなと思っていたところ、書店で平積みの「1984、を漫画で読む」を見つけてしまい、つい購入。
    読みはじめて、これじゃなかった感が。。
    主人公ウィンストンや、スクリーンに映るビッグブラザーが、持っていたイメージと違いすぎ、加えて恋人となるジュリアもせめてもう少し美形でお願いしたく。漫画で読むというより、一文に付き一イラストが描かれている雰囲気。吹き出しのしっぽが、日本の漫画家さんと違って長〜い、切りたい。
    原文を忠実に引用しながらと言うように、かいつまんで全体像は想像できます。D瓶さん、僕たちは死んでいるも出てきますよ。
    新訳のカドカワの小説は、読みやすいと思います。まだの方は、小説から先に読まれて、ご自身のイメージを大切にされても良いかなと。
    あとがきで、訳者の方が、世界観の見事さを褒めていらっしゃるので、単に好みの問題だったのかもしれませんが。

    • みんみんさん
      ふきだしのシッポ切りたいって(≧∀≦)笑
      ふきだしのシッポ切りたいって(≧∀≦)笑
      2023/01/27
    • おびのりさん
      私は、我慢したけど、みんみんさんは、きっと切る。
      私は、我慢したけど、みんみんさんは、きっと切る。
      2023/01/27
    • みんみんさん
      日本人の漫画に対する意識は高いから笑
      アメコミさえ読む気にならない(≧∀≦)
      日本人の漫画に対する意識は高いから笑
      アメコミさえ読む気にならない(≧∀≦)
      2023/01/27
  • Comics and Illustration
    https://www.fidonesti.com/

    「1984」 ジョージ・オーウェル[角川文庫(海外)] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321912000045/

    マンガ - オーウェル『1984』を漫画で読む - いそっぷ社
    http://www.isopsha.com/b89.html

  • なんとも後味の悪いディストピア。
    そもそもマンガの体裁が分かりにくく、情景を想像・補完しようにも中途半端感が、、、
    これは原作をちゃんと読むべきかと(でも後味が…)

  • 左開きで読みづらかった
    コマ毎にストーリーが書かれていたりして、
    漫画じゃないと思った
    25pで読むのをやめた
    小説を読みます

  • 漫画=読みやすい
    と思ったけど、原作を読んだ方がマシかも。
    なので、原作(邦訳)を読んでみたいと思います。

    序盤の退屈さを乗り切れば、終盤はスピード感もあっていい気分というのは言い過ぎか?

    「ハッピーエンド」のありがたみを改めて認識させてくれました。

  • 難しい。

  • 苦手な絵で暗い雰囲気なのにスーッと読めてしまった。結局党員たちも一生捕まらない人の方が少数派で、ウィンストンみたいな人を炙り出すために「本」や「雑貨屋」があるんだろうなと思った。この社会では思うことすら自由ではない。

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著者プロフィール

1903-50 インド・ベンガル生まれ。インド高等文官である父は、アヘンの栽培と販売に従事していた。1歳のときにイギリスに帰国。18歳で今度はビルマに渡る。37年、スペイン内戦に義勇兵として参加。その体験を基に『カタロニア讃歌』を記す。45年『動物農場』を発表。その後、全体主義的ディストピアの世界を描いた『1984年』の執筆に取り掛かる。50年、ロンドンにて死去。

「2018年 『アニマル・ファーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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