子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方

  • アスク・ヒューマン・ケア
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901030083

作品紹介・あらすじ

おとな=自分を幸せにできる人。人生を変える4つのステップ、5つの力。子ども時代の痛みを越えて、本当のおとなになるために!AC(アダルト・チャイルド)概念の生みの親、クラウディア・ブラックが経験のすべてを注ぎ込んだ一冊。

感想・レビュー・書評

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  • アダルトチルドレンの治療本。
    まず自分の痛みにすら気づいていないアダルトチルドレンを、小さな歩みと共に前進させる。

    前回アダルトチルドレンについての本を読んだのが2ヶ月くらい前だったので、その間に自分の中で変化があったのか、前半の「何が痛みかを知る」「痛みを認める」のフェーズよりは後半の「取り込んでしまった信念に挑む」「新しいスキルを学ぶ」の方がスッと入ってきた。
    特に何をしたということもないのに、知らぬ間に自分の中で何かが進んでいたようだ。

    特に人と関わる際には親密度のグラデーションがあることや、他者と生活を共にすることはあらゆる感性を共有することではないという言葉。これ、すごい発見だ〜。そうなんだ。知らなかった。全てにおいて自分と同じ感想を持ってほしいと思っていたな。

    人を許すということについて、「大目に見ることではない」「相手を免責することではない」「自己犠牲ではない」「そのことについて二度と怒りを感じないということではない」とあった。なるほどな〜。
    わたしはこれまで許すというのは何か得体の知れない感じがして、誰かを許したことは無かったけど、こうやって細かく構造を分析して教えられると、わたしにも出来るかな?と思えてくる。すごくいい。

  • この本は私にとって、とても重要なターニングポイントになった一冊だ。

    本屋(最寄りのジュンク堂)で購入し、近くの喫茶店に入り、貪るように読んで、がつんと衝撃を受けた。

    自分の、それまでの葛藤や苦しみがわかり、それからはアダルトチルドレンを克服するため、本をお守りのようにして日々を生きてきた。

    子供を生きれば大人になれる、このタイトルが全てを物語っている。

    ずっと持っていたい一冊。

  • 2回目ですが、まだザ〜ッと目を通しただけです。
    じっくり読みたい本です。


    以下、メモ。


    否認のもとで育つということは、「話すな」「感じるな」「信頼するな」というルールを教え込まれること。


    回復プロセス 4つのステップ
    1、過去の喪失を探る
    2、過去と現在をつなげる
    3、取り込んだ信念に挑む
    4、新しいスキルを学ぶ


    新しく置き換える信念
    ・信頼に値する人はたくさんいる
    ・「ノー」といっても強い自分でいられる
    ・遊ぶ時間は大切だ
    ・間違うのは私が人間だから


    子どもが学ぶ必要のある行動やスキル
    ・助けを求める
    ・限界を設ける
    ・自分の価値や感情・ニーズを確認する
    ・質問する
    ・問題を解決する
    ・話を聞く
    ・適切に感情を表現する
    ・ノーという
    ・自分から行動を起こす
    ・交渉する
    ・責任を取る
    ・遊ぶ


    大人の核となる5つの力
    1、自分を認める力
    2、コントロールをある程度手放す力
    3、感情を感じる力
    4、ニーズを見分ける力
    5、限界と境界を設定する力


    自分を肯定する言葉のリストを作ろう。
    それをいつも持ち歩いて、1日に何度か確認しよう。
    もはやそのリストが必要なくなって、自己確認の力を自然に使えるようになったとき、あなたは自分が好きになっていることに気がつくでしょう。


    神様、私におあたえください。
    自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを。
    変えられるものは変えていく勇気を。
    そして2つのものを見分ける賢さを。


    ベッドに入るかどうかはコントロールできる。
    眠りはコントロールできない。
    本を読むことはコントロールできる。
    理解するかどうかはコントロールできない。
    遊びを始めるかどうかはコントロールできる。
    ゲームに勝つかどうかはコントロールできない。
    知識を蓄えることはコントロールできる。
    智恵を得るかどうかはコントロールできない。


    私たちに残されているのは、今ここにある現実の暮らし。
    「今、ここ」に生きること。


    秘密を明かす理由
    1、重荷を下ろすことができる
    2、自分に正直になれる
    3、いきなり知られた場合のショックを避けることができる
    4、他の人ともっと誠実な関係を築けるようになる
    5、家族の変化を促すきっかけになる
    6、助けを求めて声をあげることができる


    新しい信念
    <責任を負う子>
    ・私がやらなければ、誰かがやるだろうし、それで構わない。
    ・私がやらなければ違うやり方が取られるだろうが、それで構わない。
    ・結果を出すことで価値を認められるのではなく、私そのものに価値がある。
    <順応者>
    ・私が感情を動かさなければ、人とのつばがりは得られない。
    ・私は関心を向けられるに値する。
    <なだめ役>
    ・私は他の人の世話をしなかったとしても、好かれる人間だ。
    ・あたなが私のそばにいるのは、私が私だからであって、私が世話をしてあげるからではない。
    <問題児>
    ・世界は残酷ではないし、私は1人で生きているわけではない。


    <許しとはどういうことではないか>
    ・許すことは、忘れることではない。
    ・許すことは大目に見ることではない。
    ・許すことは、相手を免責することではない。
    ・許すことは、自己犠牲ではない。
    ・許すことは、そのことについて二度と怒りを感じないということではない。
    ・許すことは、一時の決心でできることではない。

    <許しとはどういうことか>
    ・許すとは、自分にはもううらみも敵意も、自己憐憫もないと気付くこと。
    ・許すとは、自分を傷つけた人を罰したいとは思わなくなること。
    ・許すとは、過去に起こったことで自分という人間を決め付けるのをやめること。
    ・許すことは、自然に訪れる結果。
    ・許すことは、忘れないけれど手放すこと。


    健康な関係の特徴
    ・尊重
    ・誠実
    ・現実的な期待
    ・信頼
    ・自主性
    ・力の分かち合い
    ・やさしさ
    ・時間
    ・きずな
    ・許し



    過去の私には何の力もなかった、けれど今の私は無力ではない。


    私は基本的なスキルを学んでこなかった。だから今学ぶ必要がある。


    回復とは、1か10かではなく、2から9までの段階があると学ぶこと。


    自分を愛することを学ぶのは、その分だけ他人を愛さなくなることではない。むしろ、自分を愛することで、他人をさらに愛する自由を手にすることができる。


    私の成長は私自身のためであって、他人を変えるためのものではない。


    私は、すべてのコントロール県を握ってはいない。


    人生における選択の責任は、私にある。

  • インナーチャイルド対策の本。とても良い本だと思う。自分が思い当たるところがたくさんあって、やっぱりなーと思った。
    そして、インナーチャイルドはどう癒せばいいのかについても具体的に書いてあって、とても役に立った。
    ただ、癒すには、時間がかかるんだということも再三書いてあった。ゆっくりと取り組もうと思った。

  • ◎購入済

    アダルトチルドレンの自覚がある人、または生きづらいと長く悩む人の必読書だと思う。

    「毒になる親」の次に読んだ。
    毒になる親で毒親、毒な大人の仕組みを理解していたが、対処まではできなかった。

    この本のワークはものすごくシンプルだが、やるほどに子どもの頃に傷ついた心が耕され柔らかくなる。
    傷と向き合うのは怖い気がするが、向き合った後は本当に向き合って良かったと思う。

    今まで救われたい一心で多くの心理書を読んできたが、この1冊でアダルトチルドレンの心との折り合いはほぼついた
    もっと前に出会っていたら、もっと早く人生は変わったかもしれない。


    ただ、この本だけでは現実は変わらず、問題は解決しなかった。

    この本は心(潜在意識)の中にある傷、ブロックに気づき、7〜8割は解放することができるかもしれない。しかし現実に問題を起こしているのは、気づいていても解放できない信念や潜在意識で、それらは残りの2割のような気がする。
    そして、それが人生の鍵を握っているような感じ。

    この本だけではそれを癒して治すことはできず、現実はほとんど変わらなかった。

    この本を読んで1ヶ月後に偶然読んだ「豊かに成功する ホ・オポノポノ」で、初めて潜在意識を綺麗にすること(クリーニング)ができるようになり、現実を変え始めることができた。

    軽い潜在意識の傷・ブロックなら、気づくだけで解放されるかもしれないが、重い傷・ブロックはそれだけでは癒せないことがよく分かった。

    どちらか一方の本だけでも駄目だったのかもしれない。大まかに8割の覆いを取って、やっと芯になっている2割が現れ、対処できたのかも。

  • 悲しいけれど悲しさに浸れないこと。寂しいけれど寂しいと思えないこと。自分の中にあるけれどそれに気づくことすらできない感覚は、自分の一部にどこかぽっかり穴が空いた感覚なのかも。

    もともと与えられていなければ、それが自分にとっては当たり前の状態。喪っていたものに気づけるようになったということは、それに関する芽が育ってきたからなのかもしれない。

    小さい頃本当は寂しかったと思えるように変化したとしたなら、今は寂しさ以外の感情がきっと育っているから。もしかしたら、それは愛情のようなものかもしれないし、怒りかもしれない。

    感情に良いも悪いもない。今あなたが感じているものはそれでいいんだよ、そう感じてもいいんだよ。

    かつて与えられなかったものを 他者に求めることは現実的な期待ではないかもしれない。
    自分の中のこどもとおとな、どっちも居ていい。ときに無邪気になったり、ときに自分を慰めたり、バランスを取りながら外の世界に向かっていったらいいのかな。自分の中のおとなの自分を育てること。その おとなとは自分を幸せにできる人。
    ゆっくり育てていきたい。

    思ったことをつらつらと。

  • 不安になったとき自分を励ましてあげたいときに
    何度も何度も読み返したい本。

    今回は図書館で借りて読みましたが、購入していつでも読めるように
    しておきたい。

  •  重そう……と思い読むラインナップから外していた一冊。やはり重い。
     が、人って強いんだなぁとも思わせる。
     ガチでこの道を進む人は、自助グループとかに入る方が進みやすいんだろうな。

  • 『愛されなかった時どう生きるか』に繋がる点が多かった。こちらも答え合わせになった箇所の抜粋。

    機能不全家族で育ったACは「子供を生きる」ことができなかったために、大人になりきれないことが多い。
    ACは愛され関心を注がれながら自分の感情をありのままに受け止め、自分に必要なことを周囲に要求する練習が子供の頃にできなかったために、自分の感情や望みを深くしまい込んでしまったのである。
    ACは心の中に慢性的な喪失を抱えているが、自分が何を失ったのかはっきり気付いてなく、そこにあるのは漠然とした虚しさ、何かが足りないという感じ、今の自分ではダメなのではないかという不安である。これらは何か別のものや人で埋めようとしたり、必死に大丈夫なふりをしてみても消えないので、失ったものの正体を知ることが必要である。
    これまで長い間①否認(「話すな」「感じるな」「信頼するな」のルールを教え込まれ、自分が感じたことや受け取ったことを大したことではないと捉えることであり、防衛のメカニズム)②孤立(前述ルールにより情緒的な孤立の中で生きることとなる)③硬直性(厳格な家庭での〜すべきという押し付けであり、自主性や自由は奪われるためここにも前述ルールが存在する)④シェイム(親からの拒絶により自分自身を欠陥品と捉える感覚)により、その正体は見えないものとなっていたのである。

    子どもは、ただありのままの自分として大切にされる権利や、親の喪失を埋め合わせるための存在ではなくその子自身として慈しんで育てられる権利、無条件に愛される権利を持って生まれてくるはずなので、これらの権利を奪われてるということは見捨てられているということである。この見捨てられる体験は、自分自身やこの世界を「いいものだ」と感じる力を著しく損ってしまう。
    いくら親が間違っていようとも、子どもは親の行動が間違いだとは考えないのである。自分にとってどうしても必要な存在である親を拒否することはできないので、その代わりに子どもは自分が間違っていて自分が悪いんだという重荷を背負いこむ。そうすることで、親の間違いをなかったことにし、少しでも安全を感じようとするのである。

    痛みから自由になるためには、一度過去の痛みの中を通り直す必要があり、過去を探り過去と現在の繋がりを探る必要がある。

    見捨てられ感や怖れを感じた時、子どもは愛される存在でいようとする。それは他人の基準に合わせること、つまり自分の感情を切り捨てて他人の意向を優先することである。これは、自分を防衛することから自分を癒すことへとコースを切り替えるまで、大人になってもずっと続くのである。

    見捨てられ感を味わった子どもは自己否定を心に刻み、他人が正しく自分は間違っているという認識を持つので、他人の理不尽な行動にも耐えてしまい、相手の望みに合わせてしまい、相手に従ってしまうので支配被支配の関係を築いてしまう。
    一方、他人と付き合おうとしなかったり、自分が犠牲者であることを周囲にアピールする場合もある。自分はこんな酷い目にあってきたと訴え、犠牲者でいることが生き方そのものになっている。

    痛みから楽になれることを期待し、〝何かに依存する「自己治療」〟を行うこともある。食、ニコチン、アルコール、ドラッグ、セックス、人間関係への依存(他人の利用)等。

    これまで述べたように痛みをコントロールすることに一生懸命になる人もいれば、痛みを生み出す状況をコントロールしようとする人もいる。
    よくあるのが、完璧に行動していれば誰からも批判されないし、そうすればこれ以上傷付く理由はなくなるはずだという考えに基づいた「完全主義」である。ただこの自分はこれで良いと感じられるようにして痛みの原因を減らそうとする戦いには限度がないので、本当に必要なのは自分の価値に気付き、自己否定からくるメッセージに反論することなのである。
    痛みのない自分になるには、痛みの存在を認め、感情と向き合うことが必要である。悲しみ、傷付き、怖れを自分のものとして受け止め、そのようにして生きてこなければならなかったことへの怒りを受け止めることである。

    痛ましい現実に向き合うことを避け、今の人生にとどまり続けるということは、自己否定と痛みの中を生きていくという重荷を将来の自分に背負わせることである。
    前に進むためには過去を終わらせる必要があり、それは自らの記憶から消し去ることではなく個人史の重要な一面としてあるべき場所に位置させることである。それができればいずれ過去の痛みに敬意を払えるようになり、自分の体験を苦闘しながら人生を切り抜け成長してきた重要な一部として大切に思えるようになるだろう。
    自分の痛みをどうするかは、自分の選択に任されているのである。

    回復を始めるにあたって、過去について語ることが重要であり、その目的は、それをきちんと過去のものにするためである。人が過去を探るのは、それを誰かのせいにするためではなく、真実を発見し認めるためである。過去に起きた特定の出来事を振り返ることは、物事の見方を転換させるきっかけになる。例えば親が怒って自分を叩いたケースでは、子どもの見方からすれば自分が悪かった至らなかったために親を怒らせたんだとなるが、大人の目で見直してみれば親は自分自身に腹を立てていたのかもしれないし、失業したことで頭にきていたのかもしれないと考えることができる。振り返らなければ事実を当時の認識のまま誤認し続けることとなるのである。
    過去にまつわる感情を感じ、語るためには「普通」を知っておく必要があるが、問題を抱えて育った人はそれが分からないことが多い。例えば悲しい時に涙が出るのは「普通」だし、自分の感情はどれも間違ってないしちゃんとした理由がある。自分と似た体験について聞くことや、そうした体験が綴られた本を読むことも必要で、それらは自分自身の体験を理解し語るための言葉を与えてくれる。
    過去の痛みを通り直すには、自分と他人(カウンセラーや友人等せめて一人は)への信頼も必要だが、子供時代に人を信頼し裏切られてきた人は信じることを恐れるようになり、自分にとって大切な相手を信頼しようとした時に起こる感情と格闘するのに時間がかかる。だが、それを通ってこそ子供の頃の自分を受け入れ、確認することができる。

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著者プロフィール

Claudia Black|嗜癖障害問題の教育ビデオや著書を多数製作し、国際的に認められている。全米COA(Children of Alcoholics)協会の会長を務め、現在は米国内でワークショップやセミナーを主催し、嗜癖治療プログラムの監修を行なっている。

「2015年 『性嗜癖者のパートナー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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