4つの気質と個性のしくみ シュタイナーの人間観

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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901510356

作品紹介・あらすじ

性格を作る4つの気質を手がかりに、自分自身の個性を知り、苦手な相手ともうまくいくための方法を、ユーモラスな語り口と面白い事例で示す。
 気質について理解したい人への最良の1冊。シュタイナー学の第1人者による書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 2008年6月17日
    シュタイナーの気質について知りたかったので、図書館で予約して借りました。

    気質は、自分のとても深いところにあります。だから、頭で改善しようと思ってできることではないのです。(p195)

    もしそうだとしたら、親とか先生とかが、子どもの行動や態度で困ったとき、しかったり、言い聞かせようとしたりする努力は、無駄なばかりで効果が無く、かえってその子の心を傷つけてしまうという意味で、悪影響しかないのではないか、、、?

    また、自分の性格を変えようとしても、頭で思うだけでは効果が無く、自分はやっぱり駄目だ、と思って自尊心をおとしめるだけ。

    本の中で、5つめの気質として「自分を変えることが出来る力」があると言っている。私達は自分を変えることができる。でも、普通に思いつく方法では逆効果なばかり。

    たとえば、憂鬱質の子を、励まそうと思って、「そんなことたいしたことないよ」といって見たり、笑わせようとしても、逆効果だとこの本には書いてある。そんなことをすれば、憂鬱質の子の心は冷たく固く閉ざされてしまう。

    また、胆汁質の子のかんしゃくをなおそうとして、しかりつけてもますます怒らせるだけ。

    多血質の子に、集中力を付けるためには、むりやり何かをおしつけても、決して集中力はつかない。

    子どもを傷つけずに、バランスのとれた気質に導いてあげることが出来れば、それは素晴らしいことだと思う。

    この本によると、自分を教育する方法は、「自分にないものを求めるのではなく、自分にある物を使って自己教育に取り組みます」とある。

    憂鬱質の人は、自分の個人的な苦しみばかりに目を向けず、困っている人を助けることによって、自己教育が出来る。

    多血質の人は、はっきり意識して、たくさんのことに興味を持ってみる。

    胆汁質の人は、怒りをぶつけても迷惑をかけない対象(たとえば、ソファを殴るとか)をみつける。

    自分を押し殺そうとしても、できない。
    子ども達の大切な個性を育ててあげたい。
    自分自身にも、そんな風に接することが出来れば、いいな。

  • 日本語訳があまり好きじゃなかったなぁ。期待していただけに。

  • 翻訳本にしてはわかりやすく読みやすい本。訳者が筆者と一緒に仕事をしていて内容や筆者を熟知しているのが大きいと思う。
    子どもを育てる時だけでなく、夫婦関係、一般の人間関係にも示唆を与える。

    4つの気質は1つだけで現れるのではなく、混ざり合ったり時により1つが強く現れたりする。そして訓練することで自分の持つ気質の弱点を和らげたり他の気質の美点を身につけたりできるようになる。

    魂は磨かれるために体という入れ物の中に入って生きる、というようなくだりは江原啓之も言ってたなーと思った。

  • ドイツで広く取り入れられていて、日本でも取り入れている学校は少なくない、シュタイナー教育のもとになる考え方の本。

    人間を4つの気質に分けている。
    ・活発で積極的、怒ると爆発する胆汁質。
    ・のんびり、おだやかで無気力な粘液質。
    ・好奇心大勢、何にでも興味津々だけど長続きしない多血質。
    ・繊細で人の気持ちを思いやりすぎる憂鬱質。

    ウェルスダイナミクス、ストレングスファインダーと、人間をタイプに分ける考え方をいくつか勉強したけど、分ける種別は一番少ない。
    血液型や星座のように、それだけで人間を分けることはできないけど、人の中に多くもっている性格やタイプは大まかにわけられる。それを知ることで、相手との付き合いかたや自分のコントロールの仕方がわかってくる。

    人間は自分の中に『私』と『自分自身』の二人がいる。『私』は本当の自分のことをよく知っていて、進むべき正しい方向も知っている。人生の課題も知っている。しかし、『自分自身』はそのときの感情に左右されてしまい、心の中で『私』がしっかりと方向を示しても欲求や周りに流されてしまう。
    きちんと『私』が『自分自身』を教育できれば、自己教育ができ、正しい方向に進むことができる。

  • 家に置いて何度も読み返したい本
    血液型とか星座占い、その他の性格判断とは全く違う
    なにが違うのか?

    自分を、子どもを、家族を、周りにいる人を理解する手がかりとなる「気質」

    くすっと笑える文章、人への暖かい眼差し

    良い本を買ってよかった

  • カラーセラピー関連本
    子育て中の方にもお薦めです

  • 人間の気質を4つに分けて解説する、つまりは性格論だが、我が子の性格を認識し肯定的に理解することができた点で、自分にとって大事な一冊となった。4つの気質はシュタイナーのオリジナルではないようだが、気質を踏まえて教育するという視点は重要だと思う。

    この本の冒頭に登場するのは小学校低学年くらいの子供たちの例だが、それ以前でも子供は3歳にもなれば顕著にそれぞれの気質を示すようになる。それが親の理想とは違うからと無理に捻じ曲げるのではなく、それぞれの気質の強みを肯定し、弊害は調和させるしかない。何よりも親も自分の気質を踏まえて子供に臨むことで、子育ては随分とラクになるし、何より自分の性格も理解できてラクになると思う。

    シュタイナーは気質の付与を運命論的に捉えるが、私は教育と環境の結果だと思う。その辺はともかく、総じて簡単で読みやすいので子育ての合間に読む本としてお勧めしたい。

  • 未読

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著者プロフィール

1935年、ハンブルク生まれ。ドルナッハ・シュタイナー教育教員養成ゼミナール卒。ドイツのシュタイナー学校での担任を経て、1988年よりハンブルク・シュタイナー学校教員養成ゼミナールの代表として、シュタイナー教育の普及に力を注ぐ。現在は退職し、世界各国で精力的に講演活動を行なう。専攻は気質学。

「2003年 『人間を育てる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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