木が人になり、人が木になる。: アニミズムと今日

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  • 人文書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903174020

作品紹介・あらすじ

自然に融けこむ精霊や樹木崇拝の信仰など、民族文化の多様な姿を通して、東洋的世界における人間の営為を捉え直し、人間の存在そのものを問いつめ、そこから人生の奥深い意味を汲み取ろうとする。
積年のアニミズム研究から、人間にとって必要な根源的な宗教感覚ないしは宗教性を、現代に蘇らせ、私たち一人ひとりの死生観を揺さぶる。独創的思想家の卓抜な論理と絶妙な修辞!

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと期待した内容とは相違がみられたものの、
    経験談を元にしたアニミズム世界の説明は、
    読み応えがありました。

    原風景というのはわれわれ一人ひとりの幼少時代の体験のなかで、こころに刻みつけられている風景のことである。

    弓を引いて、的を狙っていけない。矢が離れる時を待つ。そうすると的が近づいてくる。自分と一体になる。

    弓を射ることは自分との対話だ。矢は自分の手を離れて、自分という的にあたるのだ。

    瓶に薔薇のハナを投げ入れて絵を描く。これから絵を描こうとするのだが、絵はすでに出来上がっていた。描き終わったときに訪れる感動が、描く前に画家を襲ったのだ。

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著者プロフィール

岩田 慶治 (いわた けいじ)
1922年、神奈川県横浜に生まれる。
京都大学文学部史学科卒業。同大学大学院文学研究科修了。
タイ、ラオス、カンボジア、マレーシア、インドネシア、フィリピン、
スリランカの各地域で調査・研究に従事。大阪市立大学教授、東京工業大学教授、
国立民族学博物館教授、大谷大学教授を経て、
国立民族学博物館名誉教授・東京工業大学名誉教授。
著書『日本文化のふるさと—東南アジアの稲作民族をたずねて』(角川書店)
『草木虫魚の人類学—アニミズムの世界』(淡交社)
『コスモスの思想—自然・アニミズム・密教空間』(NHKブックス)
『人間・遊び・自然』(NHKブックス)
『カミの人類学—不思議の場所をめぐって』(講談社)
『道元の見た宇宙』(青土社)
『岩田慶治著作集』(全8巻 講談社)
『木が人になり、人が木になる。—アニミズムと今日』(人文書館)[第16回南方熊楠賞受賞]
『森林・草原・砂漠—森羅万象とともに』(人文書館)など

「2006年 『森林・草原・砂漠 森羅万象とともに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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