- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903908366
作品紹介・あらすじ
よみがえる、最後の授業!
言語にとって愛とは何か?
全国民に捧げる、「届く言葉」の届け方。
30年におよぶ教師生活の最後の半年、著者が「これだけはわかっておいてほしい」と思うことを全身全霊傾け語った「クリエイティブ・ライティング」14講。
「アナグラム」「エクリチュール」「リーダビリティ」「宛て先」・・・・・・こうしたトピックを有機的に連関づけながら、「生きた言語とは何か」を探る。
「この本がたぶん文学と言語について、まとまったものを書く最後の機会になると思います。そういう気持ちもあって、「言いたいこと」を全部詰め込みました」(あとがきより)
「街場シリーズ」最高傑作、誕生!
感想・レビュー・書評
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本書は、著者の神戸女学院大学での最後の講義「クリエイティブ・ライティング」でお話された内容をまとめたものです。
教壇で話しながら、著者の脳の中で思考がどのように動いているのかを辿るようなライブ感がありました。
あとがきで著者は「学生たちに「これだけはわかっておいてほしい」と思うことを、かき口説くようにお話ししました」と書かれています。
「宛て先」がある言葉だから届くんだ、ということを著者自身が体現されている1冊だと感じました。
読んでいる間、すぅっと風が通り抜けていくような、頭の中が気持ちよく冴えた感じをずっと味わっていました。
私には少し難しいと感じる部分もありましたが、その歯ごたえが心地よい緊張感を与えてくれるのです。
残しておきたい文章を書き出していたらメモがたくさんになってしまいました。
図書館で借りて読みましたが、手元に置いてたびたびページをめくりたいです。
外国語学習についても触れられていて、本来外国語とは「自分を外部に押しつけるためではなく、外部を自分のうちに取り込むために学ぶもの」という一文を心に留めておこうと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み手への敬意があるかないかってすごく大事ですよね…
最初からガツンとやられた気がしました。
書くこと、伝えることの難しさ。
またあとでもう一回読もうと思います。-
nyancomaruさん
コメントありがとうございます。
そうなんです、この本読んだだけで素敵な文章が書けるようになるわけないんですよね。
...nyancomaruさん
コメントありがとうございます。
そうなんです、この本読んだだけで素敵な文章が書けるようになるわけないんですよね。
これから内田先生の他の本も読もうと思います(^^)2013/04/19 -
「他の本も読もうと思います(^^)」
一杯ありますから、たっぷり楽しめます。個人的なお薦めは、ミシマ社「街場の教育論」や、バジリコ「邪悪なも...「他の本も読もうと思います(^^)」
一杯ありますから、たっぷり楽しめます。個人的なお薦めは、ミシマ社「街場の教育論」や、バジリコ「邪悪なものの鎮め方」「身体知―身体が教えてくれること(三砂ちずると共著)」、ロッキング・オン「沈む日本を愛せますか(高橋源一郎と共著)」とか、、、延々書いてしまいそうだから止めます。2013/04/24 -
2013/04/27
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「響く言葉」「届く言葉」「身体に触れる言葉」とは「魂から出る言葉」「生身から生まれる言葉」である。沁みます。
そんな言葉を発する人になりたい、ならなくてはならない。 -
内田樹の街場シリーズの中でもミシマ社から出たものはまず外れない、と思っているワタシは、本書も書店で見つけて即購入。教授生活の最後の半年に行われた「クリエイティブ・ライティング」という講義を元に書かれた一冊。(著者曰く、講義の原型が残っているのは60%程度。)
ベストセラーになった『日本辺境論』もよかったけれど、本書の方が内田節の炸裂度は高い。いや、それどころか、炸裂度で言えばミシマ社の街場シリーズの中でも本書がいちばん。大学での講義を元にしているだけあって、話があっちこっちにそれまくり、それでいていちいちストンと腑に落ちて、いつの間にか話がつながっている。これが快感になってしまうと、もうウチダ・ワールドから抜けられない。
「この本がたぶん文学と言語について、まとまったものを書く最後の機会になると思います」とのことなので、敬意を表して星五つ。 -
シリーズ最後、最後の大学講義。
文章作りための講義。大学の講義だと感じさせるところを残している。
いきなり、粗忽な人の説明を文章にしろという。文章を書くためには、自分の中にいる他者を見つけなければならない。作家として仕事をするには。¥、地下室の下の地下室、手付かずの鉱脈を探し当てる。誰を意識して、何を伝えるのか?万人向けのメッセージは誰にも届かない。
母⇒赤ちゃんへ、「あなたがいて私はうれしい」鏡像的なメタ・メッセージのやりとり。理解できなくとも届く。
あなたは、そう問うことでよって何が知りたいのか?自分の判断の根拠を説明できる。学問は、象牙の塔に入ってしまった。再び出る時代である。-
だいさん
わざわざ、ありがとうございます。
でも、残念ながら開けられないのです。なぜなんだろう?
>母⇒赤ちゃんへ、「あなたが...だいさん
わざわざ、ありがとうございます。
でも、残念ながら開けられないのです。なぜなんだろう?
>母⇒赤ちゃんへ、「あなたがいて私はうれしい」
こういう根源的な愛情で満たされていない話の本を読んでいたので、だいさんのレビューの捉え方にバイアスがかかってしまいました。
内田樹さん、気になります!
2013/11/26 -
nico314さん
こんにちは
ミラーニューロン、というようです。
呼び名を変えて同じ事を言っている人が結構いますよ。
私の内田...nico314さん
こんにちは
ミラーニューロン、というようです。
呼び名を変えて同じ事を言っている人が結構いますよ。
私の内田さん事始は↓これでした。
才能の枯渇について (内田樹の研究室)
検索すると読めますよ。2013/11/27 -
だいさん
コメントに気をとられて、花丸を忘れていました。とほほ・・・。
「才能の枯渇」読みました。
『恩送り』という言葉をどこ...だいさん
コメントに気をとられて、花丸を忘れていました。とほほ・・・。
「才能の枯渇」読みました。
『恩送り』という言葉をどこかで聞いて、とても気に入っているのですが、それにも少し似ているようで、いいなあと思いました。
何かをいただいたら、また違う誰かに返す。
いつもこういう気持ちを忘れずにいられたら、ゆとりのある毎日を送れそうです。2013/11/27
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話が途中でいろいろ飛躍するんで、読み始めは戸惑ったけれど、読み終わった後思ったことは、「この話を学生時代に聞きたかった~!」ということにつきます。しかもこの内容をその場で、生の声で聞けていたら、また違った結果になったと思うんですよね。文章を読んでてさえそう思うのだから、このライブ感、半端ないだろうなぁと思います。
そうです、話している内容が重要なんじゃなくて、「この人、うちらになんかすごく伝えたいことがあるらしいぞ」っていう経験が、その人に影響をもたらすんですよね。-
「生の声で聞けていたら」
ローカルで申し訳ありませんが、此方でお聞きください!
MBSラジオ1179ポッドキャスト | 内田樹&名越康文の ...「生の声で聞けていたら」
ローカルで申し訳ありませんが、此方でお聞きください!
MBSラジオ1179ポッドキャスト | 内田樹&名越康文の 辺境ラジオ
http://www.mbs1179.com/henkyo/2013/05/02
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内田さんの書くものが好きだっていう話をしたら、でもちょっと偏ってるよねと言われました。
確かに、他の人があんまり書かないようなことをたくさん書いてて(そういう部分が好きなわけですが)、独特な論理や修辞法を使われますよね。
けど、内田さんの言葉をそのまま使いますけど、内田さんの書くものからはそこで扱われているコンテンツや結論に関わらず、自分の学んで得たこと、考えたことをどうしても伝えたい、分かってもらいたいというメッセージ(メタ・メッセージですね)をひしひしと感じることができます。そういう姿勢を学びとることが内田さんの本から得られる大事な滋養の1つだと思うので、あんまり論旨や結論にこだわらないでこれからも読んでくださいね、と言いたかったんですけど、その場ではとても思いつけなかったのでここに書き留めておこうと思います。 -
ブログや趣味の小説など文章で表現するのが好きで、自分の書き方これでいいのかと小さな疑問を抱いている人なら読んでおくべき一冊。
著者は原因を丁寧に説明してくれるのだが、著者自身は読者の文章に対して執刀してくれるわけじゃない。
そういう意味でハウツー本では無いのだけど文章を誰かに読んでもらい、何かを伝えることがいかに難しいことかはこの本で知っておいたほうがいい。 -
内田先生,空中浮遊信じてるとか公言してるのか。結構ヤバイんじゃ…。オウムとか覚えてるよね??
「クリエイティブ・ライティング」と題された最終講義14コマをまとめた本なんだけど,脱線が多くて文学の話はそんなにない気が。それもその半分くらいは村上春樹だしw
もちろん話はうまくて,博学なのは間違いない。ただ,言ってることはただの懐古趣味だったり,精神論だったり。何と言うか,老害ぽいかも。11年前の『寝ながら学べる構造主義』は非常に良かったんだけどね…。
たぶん日々取り入れる情報を,自分の思い込みを強化するように取捨選択・修正歪曲してしまっているから,こうして首尾一貫した内田ワールドを流れるように繰り出せるんだろうな。 -
相変わらず内田樹の本はおもしろい。ぐいぐい読んでいける。内田先生の解説をすらすら読んでいる途中に、たまにその解説されている思想家本人の著作の引用が出てくる。すると、びっくりするほどそれを読解できない自分に気づく。こんなむつかしい文章を読みこなすのがたぶん教養なんだな、と思った。
そんな教養を身につけるため、というかそうせざるを得ないような「身体をがたがた揺さぶられる」経験は私にはあったかなあ、と振り返ってみたりした。