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- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904596074
作品紹介・あらすじ
ひたひたと迫りくる没落の翳。落魄への共感。坂口安吾がそのみずみずしい「香気と悲しみ」を讃えた知られざる新興芸術派、尾崎士郎の切情あふれる短篇集。
感想・レビュー・書評
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七北数人監修<シリーズ 日本語の醍醐味>の第五巻。1920年代から1960年代にかけて書かれた短編がほぼ年代順に並べられています。書かれるテーマが同一の作品もあり、晩年に向かうにつれ、初期の不穏な張り詰めた作風から、どこか心静かな語りへと変奏されていくさまを味わえました。老いた母親との別れを凍えるような文体で記した『秋風と母』、大逆事件の死刑執行日にそれぞれがどのような面持ちで死にのぞんだかが教誨師の一人称で語られる『蜜柑の皮』の二作に、特に凄みを感じます。
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