- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904816134
作品紹介・あらすじ
町の本屋さんについて、一年間考えた。わたしたちの町には本屋さんが必要です。生活のすぐそばにある本屋さんの、これまでと、これからと、いま。みんなで考えた、あたらしい「町の本屋」論。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
この本を読んで「町の本屋」「本屋」「本」好きが加速した
チェーン店の大型本屋が拡大している中で、昔ながらの町の本屋が縮小してきている
実際私の町の本屋も同様の流れをの中にいると思う
少子化だから仕方ないと思うけれど、就活生や社会人向けの本が少ない
縮小している出版業界だけれど、自分にも出版文化の発展のために何かできないかなとモヤモヤさせてくれた本でした
こうやって、ブクログをつけることも本好きな方との交流だったり、あまり本に興味のない方へのアプローチになれば本望、 -
町の本屋は必要かと言われたら、必要というのは難しい。でも町の本屋で育ってきた私達は、やっぱり町の本屋を残したい。がしかし、想像以上に本屋の未来は暗い。確かに近所の本屋はどんどん潰れていっている。私もついつい図書館やら電子書籍やら便利なものに傾いていってしまう。仕方のない事かもしれない。でも本が好きなら本屋を守りたいと思う。私に出来る事は足繁く本屋に通って、本を買う事しかないけれど。
-
読みながら、本屋さんに行く楽しみがじわじわと思い出されてきた。
図書館の敷居が非常に高くて、司書さんに話しかけるのも出来なかった子供の頃。
本屋さんの棚に並ぶ様々な背表紙の、なんと眩しかったこと。
地元・神戸の海文堂書店が閉店したことをきっかけに、「町には本屋さんが必要です会議」が開かれることになる。これは、その記録と考察。
2014年の一年間に、実に全国各地で16回もの「町本会」を開いている。
夏葉社の島田さん、ライターの空犬さん、往来堂書店の店長・笈入さんの3人が発起人だ。
たくさんの本屋さんや書店員さんのインタビュー記事と、町の本屋さんの歴史にも触れている。
地方都市で、様々に工夫を凝らしながら本屋さんの存続に力を注ぐ人びとの話も。
なぜ本屋さんの危機的な状況は続くのか。そもそも本屋さんの魅力とは何か。
あえて答えは出していないし、これという打開策もない。
読み手もともに考えるのが、この本の目指すものだ。
お客さんに対して店に来ることのメリットをどう伝えるか。
どの本屋さんもそこに知恵を絞っている。
これは、もうかなり前から言い尽くされている感がある。
それでも危機的状況と言われるのは、もしや読者である私たちが意識を変換しなければいけないのではないか。ネットで検索して頼めば、家にいながらにして欲しい本が入手できる。より早く、より安価に。
だが、その浮いたはずの時間で、私は何を出来たというのだろう。
求める本に出会うまでの楽しみを失って、その分私は何を得ただろう。
本当は、欲しい本を手に入れるためには手間暇を惜しんではいけないものなのだ。
その手間暇が、実は私を育てていたのではないか。
どれほど人口が減ってデジタル化が進んでも、町の本屋さんへのノスタルジーが消えないというのが、その何よりの証拠のように思える。
現実には、先ず図書館で借りて読む。手元に置いておきたいと思えば、本屋さんで頼む、という段階を踏んでいる。既読なのだから、急いで入手する必要もない。
ネットで検索するのは、どうしても図書館に無い本だけにしている。
そしてたまに出向く本屋さんの棚を眺めるのを、こよなく楽しみにしている。
文具を買ったり、想定外の本を購入して帰る時もある。
スマホで読むのは青空文庫。
たぶん、私のようなスタイルが多いように思うが、ブク友さんたちはどうだろう。
一番最後に、広島のウィー東城店で出会ったという中学生の女の子の文章が載っている。
図書委員の活動で学んだことを書いたその原稿が、とてもとても良い。
利用者もなく、埃をかぶったボロボロの本だらけの学校図書館。
それを、本好きなひとりの中学生が周りを巻き込みながら変えていく。
「人生は短いから」「やりたいことは全部やってから死ぬ」というこの中学生は、三年間図書に関わったことを感謝し、「悔いはない」と言いきる。
この気持ちを忘れているのは、きっと大人の私たちの方なのだ。-
地球っこさん、こんばんは(^^♪
とても丁寧なコメントありがとうございます!
「枕草子のたくらみ」の古いレビューにもいいねをくださって、...地球っこさん、こんばんは(^^♪
とても丁寧なコメントありがとうございます!
「枕草子のたくらみ」の古いレビューにもいいねをくださって、びっくりしたり喜んだりでした・笑
まさにあの本が、書店の棚で見つけて買った本なのです。
不思議ですよね。
そういう出会い方をした本は、前後関係ともよく覚えているものです。
地球っこさんの言われる通り、手早く入手した本は積ん読になりやすいものです。
手に入れるのだけが目的で、心底読みたかったわけではないのかなと、自分を疑いたくなりますよね。
ネットで購入するという方法は、本を消耗品に格下げしたように思います。
欲しいモノのためには、少し高いお金を出すとか時間をかけて探すとか、そういった楽しみはもう戻らないのでしょうか。
手塚治虫の「火の鳥」全巻が我が家にありますが、あれなどはそれはそれは苦労して買い集めたものです。
おかげで、もうボロッボロです。黄ばんでいるなんてものじゃない(^^;
レビューの最後の方に登場する中学生のお話は、かなり感動的なのですよ。
本を愛する心=本を大切に扱う心=本の良さを広めようとする心が、ギュッと詰まっています。
本当は私たち大人が、子どもに対して教えるはずのことです。
私はそのことを、忘れたくない。
子供の頃、欲しくて欲しくてたまらなかった本がやっと買えた時の嬉しさ。
胸に抱えるようにして急ぎ足で帰った夕方。
ご飯を食べる時間ももどかしくて、いっときも早く読みたくて読みたくて。
本屋さんが町にあって、そこが愛される場所であるように祈ります。
図書館ももっともっと。
望む本が無かったら、注文して待ちます。だって時間はあるのだもの。
「悪貨が良貨を駆逐する」事態にならないように、読者である私たちが、もっと
賢い選択をしなくてはいけないと、教えられているのかもしれませんね。
素敵なコメントをいただいて、嬉しさに長いお返事になってしまいました。
またお越しくださいね。
2020/02/10 -
nejidonさん、おはようございます。
「枕草子のたくらみ」もとても素敵な本でした。
nejidonさんのような心に響くレビューは
...nejidonさん、おはようございます。
「枕草子のたくらみ」もとても素敵な本でした。
nejidonさんのような心に響くレビューは
なかなか書けませんが、この時代や枕草
子などに興味がある方には、ぜひとも読んで欲しいなと思いました。
山本淳子さんは、すっかりファンです☆
本を手にするまでの大変さと、手にしたときの感動。
nejidonさんの「火の鳥」愛おしいですね。
“本を愛する心=本を大切に扱う心=本の良さを広めようとする心”
そんな気持ちをどこに置きざりにして、
大人になってしまうのだろう。
私も忘れたくないです。2020/02/11 -
地球っこさん、こんばんは(^^♪ 再訪してくださって、ありがとうござます!
山本淳子さんの書かれるものは良いですよね。
登場する人物たち...地球っこさん、こんばんは(^^♪ 再訪してくださって、ありがとうござます!
山本淳子さんの書かれるものは良いですよね。
登場する人物たちへの深い愛を感じます。私も大ファンです。
源氏物語のレビューでは、私も思い出し泣きをしました。変な表現ですが。
あれだけのものを書かれるには、どれほどの資料を集め、読みつくし、調べまくったことか。
それを2千円くらいで素人のワタクシたちが読めてしまうのです。
これって、よく考えたらすごいことです。よく考えなくてもすごいです♪
火の鳥の愛おしさは、口では言えないほどですよ。ご理解いただけて嬉しいです!
もう開くのも難しいほどボロボロですけどね(^^;
地球っこさん、これからもたくさん本を読んでいきましょうね。
でも本を慈しむ気持ちもともに持ち続けていたいですね。
ありがとうございました。2020/02/11
-
-
新刊が入ってこないから追加発注する、とか、苦労している部分は一緒だな、と思う。
いわゆる”個性的な棚”は、町の本屋が一番とすべき業務ではない、というのも同感だ。 -
本の本
書店 -
本屋さんは、住み場所によってそのイメージ、規模が違うと思うが、本好きにとって、または、その町に住む人にとっても大事な場所である事は変わりないと思う。その場所についての未来を語り合った本。
-
笈入さんの「本屋原論」がとくに、うんうんと思わされた。寄付のつもりで買うってことが。町の本屋はノスタルジーって言い切ってるとこはおお、と思いましたが、実際そうなんだよね、突き詰めると。あと50年史を読んで、やっぱりこれだけ人口が減ってデジタル化が進んで小売店が厳しいなか、あり方は変わって当然だし、今にあったやり方で続けるしかないよねって改めて思いました。まあ、この業界は何十年も同じこと言ってるんだが。図書委員の中学生のがんばりが素晴らしかった。
-
町の書店に思い入れはない。こだわりの店作りをしていた大型店に通い詰めたころはすでに遠い。本屋のない(あるけど、自分が満足できるものではない)町に住む身として、本屋のない時代はさぞ味気ないものだろうとは思う。現状分析、展望、それぞれの筆者の思いは腑に落ちるものもあるが、一利用者として、何かが抜けている気もする。本を偏愛している自分が、図書館のヘビーユーザーであるという、ある種の矛盾も感じつつ。