- Amazon.co.jp ・本 (138ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909862259
作品紹介・あらすじ
精神療法の本はふつう、カウンセラーの目に映ったクライエントが描かれます。ところがこの本では、クライエントの目に映ったカウンセラーが描かれているのです。その“主客転倒”の発想だけでも稀有な本書ですが、加えて、ここで紹介されるカウンセリングは、「言葉」に頼らない手法なのです。それがクライエントの「体感」実況中継で語られます。――ひとりの女性がしぼり出す“心の声”をタテ糸に、出会った精神療法家との“心の置きどころ”さがしをヨコ糸に、紡がれる“苦しみ”変容の綾。そして精神療法のツボ。
感想・レビュー・書評
-
医学部分館2階心理学 : 146.8/MAS : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170245
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面接を受けている、その人の体験を手記のように語ったフィクション。現場の臨場感が感じられる、好体験だった。
-
面白いと思いました。苦しみを話さずに心が軽くなったという部分に興味を持ったので読むことにしました。「感じ」を大切にしているカウンセリングは、話を聞くとはまた違いいいなと思いました。
-
精神療法、心理臨床指導に携わる著者がクライアント側から描く、精神臨床体験”リアル”フィクション。
こんなにうまくいくものかなぁと、思う。魔法のような。でも、きっと、わたしが精神療法の成功例を見せつけられているような気分で、やさぐれたいだけかもしれない。「雨や嵐が」わたしの心に今あるからかもしれない。
「人間って自然の一部ですから、雑然としたアナログ社会です。(中略)だから症状を感じられる方というのは、その自然のメッセージを受け取る能力がある方です」ー優しく力強い、わかりやすい言葉で、心を語る北野先生。まだまだわたしは、自分との向き合い方が浅いと落ち込む。
気が落ちてばかりなのは、自分と本書とを比較しているからだと思うから、比べるのはおこがましくて恥ずかしいのでやめて、精神療法の世界を分かりやすい言葉でのぞいてみたい人に、本書を薦めようと思う。