アルヒのシンギュラリティ

著者 :
  • クラーケンラボ
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本棚登録 : 148
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910315003

作品紹介・あらすじ

その街には、嘘と本当がある──。
WEAVERのドラマー&作詞家としても活動する著者が放つ、世界で一番優しい物語(サイエンス・フィクション)。

人間とAIを持ったロボットが暮らす街・サンクラウド。天才科学者の息子・アルヒは、ひょんなことから幼なじみのサシャ、ロボットのクーとともに、街で最も高い建造物である「知の塔」に忍び込むことになるが……。運命に揺さぶられながらも力強く成長していく少年の姿を描いた長編SF。

感想・レビュー・書評

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  • 若い人向けのSFファンタジーですね。
    これからの人間とAIとの関係性。
    結末の盛り上がりに欠けた気もするけど、そのテーマと著者の思想は嫌いではないです。

  • 「シンギュラリティ」とは、AIなどの技術が、自ら人間より賢い知能を生み出す事が可能になる時点を指す言葉と表記されていて、??と思いましたが、読み終わった後、あーなるほどと納得できました。

    主人公は天才科学者の息子・アルヒ。人間とロボットと共存している街で、ある事がきっかけで、ロボットの憧れの地・ヘヴンの写真を撮る事に。しかし、そこに行くまでにはたくさんの試練が・・・。

    物語は、前編と後編+αで構成されています。後編は前編の8年後が描かれています。
    世界観としては、昔子供の頃「ドラえもん」や「鉄腕アトム」で見た未来都市と似たようなイメージがあって、なんとなく懐かしさがこみあげてきました。特に「鉄腕アトム」がぴったりかなと思いました。
    ロボットとの共存、仲間との出会いや別れ、裏切りなどふんだんに盛り込まれていて、アニメを見ている感覚がありました。

    河邉さんの作品は初めてでしたが、言葉の使い方が優しい印象がありました。WEAVERの作詞家としても活躍されているという事で、所々、短い言葉で想像力を掻き立てる部分がありました。それは歌詞を書くならではの特徴なのかなと思いました。この文章は歌詞にも使っていそうと思うところもあり、巧みに言葉を使っていて、凄いなと思いました。

    優しい言葉ばかりで、子供にも読みやすいので、おすすめかなと思いました。孤独ならではの悩みや仲間がいるという幸せなど子供だけでなく大人でも通じるものがあり、考え深いものがありました。また、冒険や戦いなど想像を掻き立てる要素もあって、色々楽しめました。

    少年の様々な運命に翻弄されながらも、ひたむきに生きる姿、最後に行った行動には感動を誘いました。

  • ありがちな展開を予想していたら、なかなかどうして物語は意外な方向へ。
    最終ページで、人に薦めたいと思った。

  • ストーリーとしては、面白かった。
    (最後はちょっといけてない。)

    サイエンス部分のバックボーンがもう少し欲しいなー。

  • アーティストWEAVERのドラマーで作詞担当もしている河邉徹さんが書いたSF小説。
    ロボットと人間が一緒に住む世界を描いている。

    街の隠された秘密に迫っていく話なんだけど、
    とにかく、優しさが溢れている一冊。どこか寂しげでどこか儚い雰囲気が漂う一冊なんだけど、不思議と優しさが滲み出ている。
    感情移入して登場人物を応援したくなった。頭の中で想像した主人公やロボット達はとても愛らしかったなぁ。

  • 【読んだきっかけ】
    河邉徹さんの小説3作目

    【心に残った要素】
    小さい身体と心で受け止め乗り越えようとするアルヒに勇気づけられる。悲しみと喜びはブランコだから─悲しみが大きいならばその分喜びも大きいはずだと。

    【ここが好き!】
    ロボットそれぞれに魅力的な個性があって特にクーが好き。クスッと笑えるキャラなだけじゃなく冒険シーンの鍵を握るまさにキーマン。
    物語の導入がなかなか謎めいてて後半でそれが明確になったときのスッキリ感たまらないです。
    そして何より優しさ100%のSF作品である。

  • 人間とロボットの未来SF小説。
    人工皮膚を纏い、人間と同じように成長するロボット。
    人間とロボットが共存共栄するそんな時代に思いを馳せる物語でした。

  • あさのあつこのNo.6とかに近い世界観。

  • 嬉しいと感じるのも悲しいと思うのも、あらかじめそうなるようにプログラミングされているから。
    じゃあロボットには本当に心はないのか?
    でもアルヒの心は確かにあったかくなったり、痛んだりする。それを心と言わずして何と呼べばいいのか。
    リブートやポポにロビン。皆こんなに生き生きしてるのに、心がない。ロボットだから。
    それは本当・・・?

    人間として育った自分が、ある日突然ロボットだと知らされる衝撃。父親だと思ってた人物はダークサイドの人で、記憶には残っていない母親は自分が殺めてしまったという事実。一人の少年の数奇な運命を思う。

    「ロボットに心があるなんて、誰も信じないと思う。ロボットがそう見えるように振舞っているだけだと思うかもしれない。でも、僕には心があるんだ」

  • ロックバンドWEAVERのドラマー河邉徹さんの新刊。人間とAIを持ったロボットが共存する世界が舞台の物語(世界観は漫画「銃夢」にちょっと近いかな)物語に登場するロボットは自分で意思を持っているかのように動くので、人間と行動していてもあまり違和感がない。主人公のアルヒが幼馴染のサシャとロボットのクーと一緒に、街で最も高い「塔」を目指して冒険するストーリーで、急展開が多く最後まで飽きさせない展開が続く。アルヒの成長がテーマで、タイトルの「シンギュラリティ」は非常に重要な意味を持つ。

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著者プロフィール

河邉 徹(かわべ・とおる)
1988年6月28日、兵庫県生まれ。関西学院大学文学部文化歴史学科哲学倫理学専修卒。ピアノ、ドラム、ベースの3ピースバンド・WEAVERのドラマーとして2009年10月にメジャーデビュー。バンドでは作詞を担当。2018年5月に小説家デビュー作となる『夢工場ラムレス』を刊行。2作目の『流星コーリング』が、第10回広島本大賞(小説部門)を受賞。

「2020年 『アルヒのシンギュラリティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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