Distance わたしの#stayhome日記

著者 :
  • rn press
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910422022

作品紹介・あらすじ

2020年4月の緊急事態宣言以降、ソーシャルディスタンスが当たり前になっていく人々の様子、街の様子を、丁寧に、静かに描き続けた今日マチ子さん。頑張る人にそっと寄り添うような視点で描かれた一冊です。
漫画家・今日マチ子さんの想いが詰まった1年間の日記のような作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 漫画家の今日マチ子さんが、2020年4月から2021年3月までの緊急事態宣言下の街を一日一枚描いたイラスト日記。
    あの非日常の日々から2年半、世の中は平常を取り戻したかのように見えるが、寒くなってからまた感染者が増えつつあり、やはりまだ落ち着かない。

    今日マチ子さんのようなフリーランスの人は、私のような給与所得者よりも不安が大きかっただろうと思う。最初の日記、2020年4月13日のイラストは、人の気配のない雨の街の風景で、先の見えない心細さが感じられる。

    イラストであの一年を振り返ると、当時はあたり前になっていた風景が今から見るといかに異常だったのかがよくわかる。
    2020年4月29日、予定のなくなった町内掲示板。あの時は祭りも運動会も皆中止になった。2020年5月2日、KEEP OUTでグルグル巻きの遊具。不特定多数の人が触るものは使用禁止になった。2020年7月7日、図書館。受付がビニールシートで覆われて話し声が聞こえにくくなった。
    夏ごろから少しずつイラストに明るい兆しが見え始める。美術館や映画館に行ったり、ちょっと遠出をしてみたり。本書の最後、いつも通る道にビルの照明が壁と窓に反射して十字架が現れることに気づいた今日マチ子さんは、他の人が気付いていないこの事実を見つけたことでこう思う。「私は見つけられる。そう信じることにした。」

    なにげない日常が儚く、そして愛おしいものであることを実感させられる本。

  • 今日マチ子の作品集「Distance わたしの#stayhome日記」発売、記念イベントも - コミックナタリー
    https://natalie.mu/comic/news/428334

    Distance わたしの#stayhome日記 今日マチ子(著) - rn press | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910422022

  • コロナがじわじわとわたしたちの日常をうばっていったのは、そんなに昔のことじゃないけど

    あの時、何を警戒したらいいかわからない不安だった気持ちを無くしてしまいたくて、ただ足元を見て、できることをするだけだった

    通勤ラッシュが無くなったこと
    まだ夜も深くない新宿駅に人の気配がなかったこと
    駅のベンチでマスクをしたカップルが抱きしめ合ってたこと

    そういう小さな記憶はいつか私の中から薄くなって消えていってしまうだろう

    今日マチ子さんがツイッターにこつこつとイラストとともに一言日記がついてる

    こういう風にあの時をとっておけたらいいな
    写真ほど、現実すぎなくて
    彼女のフィルターを通した景色が
    私の中のあの頃の景色とリンクする気がして

    不安だった気持ちと、世界が狭くなったからこその、小さな箱に入ってるかのような安心感を思い出した

  • 2020年以降、コロナ禍の日本の日常をイラストとコメントで描く。誰もが目にして経験した日常が、優しいタッチと淡い色合いで表現されることで、困難で苦痛だった日々を和らげてくれる。

  • 著者が、コロナ禍の2020年から2021年の間の日々を1コマにしてSNSにあげていたもの。ステイホーム中の日記や評論など、いくつか詠んだが、これはヒット!
    1コマで完結できているのがすごい。

  • あの頃の特殊な空気が段々過去になり忘れていってしまう気がしたので、どこかに残しておきたいと思い購入。
    あったなぁ、わかるなぁと、自分のことのように絵と文を読む。
    その時期の状況も載っていることで、よりリアルに思い出される。

    あとがきが至高。

  • 毎日、1.2時間の作画とかで
    こんな含みを持った良い絵が描けるのすごいなぁ。
    ゆっくり一枚ずつ、
    眺めていたいような作品でした。
    ありがとうございました。

  • 絵がねえとても好き。ジブリの海が聞こえるや耳すまの絵コンテを眺めているかのような、細やかでわかるなあと共感する、切り取りに著者の感情や思いも感じながら日常の一コマをキュンと味わえた。

    p.s
    「海がきこえる」ってジブリの隠れた青春ピュアロマンス作品なのだけど好きな方、おられるかなあ?
    共感トークしたいなあ。
    いつか浜辺で大切な人と観ながら、この本をパラリめくりながらハートのピノを分け合うのが夢。
    (そんなドラマどこにあるんや!夢想すぎ…?夢を見るのは自由。と言うことにしておこう。

    これこそ、いとエモし。なイラストだ。
    今日マチ子さんシリーズ、初任給で買い揃えたい。
    ちょっと気恥ずかしくなる展開のシリーズもあるので大学生以降の方々向きでしょう。

    無印で買った本棚にスッと立てかけたいな。
    いつか買いに行こう。

    Dさん、素敵な選書を本当にゴマスミダ。また遊びに行かせていただきます。

  • センネン画報のときからちょっとタッチが変わったような気がする。でも日々の気づかないようなところに瞬間を捉える目が素敵。

  • 図書館にて。
    コロナ禍の閉鎖的な世界の中の一コマを美しく切り取った1冊。
    初めて見るのに懐かしいような、何気ないのにその美しさにハッとさせられる。

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著者プロフィール

東京都出身。東京藝術大学、セツ・モードセミナー卒。自身のブログで、ほぼ毎日更新している1ページのショートマンガ『センネン画報』が単行本化され注目を集める。2005年に第1回「ほぼ日マンガ大賞」入選。2006年と2007年に『センネン画報』が文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」に2年連続で選出。2010年に『cocoon 』、2013年に『アノネ、』がそれぞれ、文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」に選出。2014年に『みつあみの神様』で手塚治虫文化賞新生賞、2015年に『いちご戦争』で 日本漫画家協会賞大賞(カーツーン部門)を受賞。その他の作品に『みかこさん』『かことみらい』『U』『5つ数えれば君の夢』など多数。

「2023年 『From Tokyo わたしの#stayhome日記2022-2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

今日マチ子の作品

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