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- / ISBN・EAN: 4949478081295
感想・レビュー・書評
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DER HIMMEL UBER BERLIN
1987年 西ドイツ+フランス
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ブルーノ・ガンツ/ソルヴェイグ・ドマルタン/オットー・ザンダー/ピーター・フォーク/ニック・ケイヴ
上映当時、デザイン学校の学生で、なんというか、こういう映画は見とくべきだよね、センス磨かないとね、みたいな強迫観念(というと大袈裟だけど)もしくは、単にそういうのがオシャレっぽい、というポーズ(イメージ)重視で、級友と授業をさぼって京都の祇園会館まで観に行った思い出。結果、実は途中でちょっと寝てしまった(苦笑)にも関わらず、こういう映画を「眠かったよね」「よくわかんなかったよね」というのは格好悪いというこれまた妙な意識があり、わかったような顔で「まあ良かったよね」とか言いつつ映画館を出てきたのでした。
いやけして、面白くなくはなかったと思う。天使とサーカスという好きなモチーフ満載だし、あらすじだけたどるなら、人間と恋に落ちる天使というのはとても少女マンガ的(実際類似の漫画を読んだ記憶が)。ただやっぱり、今思うと十代でこの映画の魅力を本当に理解するのは難しくて当然だと思うし、単純に、若くてぴちぴちのイケメンの一人くらい出てこんかーい!という、視覚的欲求もあったのだと思う(笑)なんやかんやで、渋いオジサマ中心の映画ですしね。ピーターフォークをみて「コロンボだ!」とは思ったけど、今ならニックケイブ見てヒャーって思うだろうけど、淡々と続くおじさんのモノローグに、退屈してしまった十代の自分を今も責めることはできないです・・・。今観たら、もっと感動するのかも。
(1988)祇園会館 -
全能であることを選んで、「自覚」すれば、
世界をあるがままに所有することが出来るが、
そこには「血」が流れない。脱色された世界。
人の間に関わりが生まれえるのは、「不完全」であるゆえだ。
そして、この先の人生に何が起こるのかを、
また、他者が何を考え、どのように動くのかを、
知ることができないからだ。
そこには、「ああ」「おお」といった感嘆がある。
感嘆にこそ、「生の充実」が潜んでいるのではないだろうか。
白黒の世界から、鮮やかに色彩を帯びた無知の世界への着地。脱色した世界に佇むのは、人間の仕業にすぎない。 -
モノクロから徐々にカラーになっていく。カラーの時代は懐かしくてつい見入ってしまった。
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ピーター・フォーク
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映像が美しく、台詞が詩的で尺が長い。芸術的なので好き嫌いが大きく分かれるけれど、こういう作品って嫌いと言いにくいだろうな。おじさん好きな私はこの天使達素敵だなあと俗っぽい目で観てたけど。ピーター・フォークのくたびれ加減っていいよね。ストーリーはシンプルなので小難しいこと言っててもわかりやすい。
独りで雰囲気に浸りながら観る映画。 -
2014.10.04 鑑賞
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穏やかなおじさん天使ダニエルが、サーカスのブランコ乗りに恋するお話。天使の視界に映るものはモノクロだったり、人間の傍に寄り添って囁きかけたり、天使の設定がすごく好き。詩的で地味なお話なので、娯楽には向いていないです。
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距離感と映像美。
大人の寓話なのだろうか。
5月6日 19:25 · いいね! -
0210
「こういう映画は観とくべき」と思い込んで観る映画私も多いです^^;
yamaitsuさんは公...
「こういう映画は観とくべき」と思い込んで観る映画私も多いです^^;
yamaitsuさんは公開当時に劇場に行かれたのですね。公開当時に日本でもかなり特集されていましたのね。
当時の私には映画館行く習慣がなかった(映画館行くのは遠出だった(T_T))のですが、私が「外国の映画って凄いなあ」と思ったのは、スターウォーズ(金ローあたりで観た)と、これだったんですよ。
アメリカってこんな楽しむだけの映画大々的に作ってるの?という前者、ヨーロッパってストーリーのない映画大々的に作ってるの?という後者です。
しかし当時の私にベルリンの壁事情とかがわかってたわけではなく、よくわからんがなんか凄いなあという程度の思い出ですけど。
おとなになって見直してみたら「これはヴィム・ヴェンダースだ、ベルリンの街と詩を眺めてれば良いんだ。考えなくていい、感じたままでいい」と割り切れるのでなかなか楽しめました。
ということでヴィム・ヴェンダース監督は非常に思い入れのある監督ではあるんですが、ストーリーとしてはキツそうなもの、これは流石に退屈そうだなあというものも多いんですけどね^^;
再びお邪魔します。
私はDVDレンタルしたのですが、私の観たブルーレイ版では監督によるカット場面と解説がつ...
再びお邪魔します。
私はDVDレンタルしたのですが、私の観たブルーレイ版では監督によるカット場面と解説がついていたんですよ。
ここでは天使カシエル関係のかなり楽しそうな場面がありました。
人間の写真に入り込んだり、老詩人役の俳優さんとじゃれあったり、ラストでは天使カシエルもダニエルの後を追って人間になります!そしてダニエルとマリオンが人間として出会って抱き合っている場に乱入して三人でドタバタ場面に突入!
詩的哲学的で、笑うということがあまりない映画ですが、現場のみんなはこんなに楽しそうなのかと思いました(笑・笑・笑)
おそらくこのメイキングの印象で、本編の詩的哲学の印象から「なんか楽しい映画だった」というイメージになってしまったのかも笑
どこにでもいる私です(笑)
映画との出会いって、タイミングも大事ですよね。私自身は18歳でこれを...
どこにでもいる私です(笑)
映画との出会いって、タイミングも大事ですよね。私自身は18歳でこれを見て理解できなかったという経験もさせてもらいましたが(こういうエンタメではないアート映画の存在を知った意義はありました)すっかり大人になった今のほうがよりこの映画を楽しめると思います。
18歳で理解できなかったわりにその後こりずにヴィム・ヴェンダースの映画を結構見てまして(^_^;) 続編の「時の翼に乗って」は、このベルリン天使の詩よりもわかりやすくて楽しかった記憶。時の翼~は人間になったカシエルのラブストーリーでした。(DVD特典映像のさらに続編という感じでしょうか(笑)
「リスボン物語」はマドレデウスの音楽がとてもよくて結構好きでした。また他の作品の感想でもお会いしちゃうかも?(笑)