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- / ISBN・EAN: 4900950229406
感想・レビュー・書評
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1992年日本公開作品。他の方の感想にある通り、丁寧に作られているなあと言う印象です。背が低くて髪が薄くて、太っている。さらに人付き合いが悪く、友人もいなく周囲から煙たがられている。楽しみは向かいのアパートに住む若く美しい女性を覗き見ることだけ。それだけ見ると変質的な作品かなと思うのですが、違います。鑑賞後の印象は哀しくて切ない不器用で一途な男の恋物語です。女性は残酷だなあ。そんな仕打ちも許してしまう男が悲しい。作品の長さも丁度いい。フランス語は愛の告白にピッタリとハマるなあと思います。流れる音楽も美しい。唯一、嫌だなあと思ったのは動物虐待と思えるシーンがあったこと。蛇足かもしれませんが、ボクシングの試合でのシーンは官能的でした。
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これは恋する女性に無償の愛を捧げた男の物語。
1989年フランス映画。監督・脚本はせつない男の描き方が上手いパトリス・ルコント。主演は仕立て屋イールを演じるミシェル・ブラン。また、ヒロインはイールの家の向かいに住むアリス役のサンドリーヌ・ボネール。原作はジョルジュ・シムノンということで、ストーリー構成を考えると、ひょっとするとオリジナルはもっとミステリー的色彩が強い物語のような気もしますが、パトリス・ルコントが演出すると、このようなせつない男の物語になってしまうわけですね!
仕立て屋を生業とするイール(ミシェル・ブラン)はその黒一色の不気味な姿、声を掛けにくい雰囲気などから友達付き合いが一切なく、住んでいるアパルトマンの周囲からも敬遠されていた。またイール自身、オタクな趣味であったため気にも留めず淡々と生きてきたのだが、そのイールの大きな楽しみの一つが、毎夜、窓の向かいに見える若く美しい女性アリス(サンドリーヌ・ボネール)の生活を覗き見することであった・・・。一方、近所で発生した若い女性殺害事件を追う刑事(アンドレ・ウィルムス)は、周囲の評判や目撃情報からイールに目星を付けて執拗に追及をはじめるのだが・・・。
アリスを覗き見する時にかけるレコード「ブラームス・ピアノ四重奏曲第1番」が覗き見のBGMとしてとても似合っています。(笑)今度、自分もしてみようかな。あっいや覗き見で聴くということではなくて(笑)、単にCDを聴くだけですが。あっいや、覗き見もしていませんし。(笑)
主演のミシェル・ブランは、オタクな役どころを大熱演でしたね。静かに規則正しく重ねる所作や、時折みせる感情の発露など、まさにこのオタクでせつない男に対する観客の同情を醸成するには十分過ぎる程の演技っぷりでした。そして、アリス役のサンドリーヌ・ボネールもイール(ミシェル・ブラン)の愛情の対象として、その若く美しい小悪魔な女を終始、魅力的に演じていてよく釣り合っていたと思います。
アパルトマンの自室に入る直前に、階段の上から転がるトマトと一緒に「あら、ごめんなさい」と美人が降りてくれば、もう男は完全ノックアウトで普通はだめになるはずなのですが(笑)、観客にそう思わせておいて、徐々に男のせつなさを滲みださせ、少しずつ事実関係を明らかにしながらラストまで引っ張っていくシナリオ構成はなかなか巧みで、ラストのひねりにも繋がる考え尽くされた展開だったといえるでしょう。
この映画の上映時間は76分と短いですが、主人公の性格や心情描写が凝縮された濃いものであったため、それほど短い感じはありませんでした。男性ならこの映画を観るとオタクでせつない気持ちに浸れること請け合いです。(笑)女性は・・・? -
導入やカットの組み合わせが秀逸。シンプルだけどとても丁寧さを感じます。
優しく観客に固定概念を植え付けつつ、それをあっさり崩していく。ピュアピュアだけど、全然甘くないです。 -
人と関わるためには不器用で、
潔癖過ぎる仕立て屋の中には、
とろりとした欲望があるのだが、
その発露は唯一の覗き見。
ボクシング観戦の官能的場面は、
恋した相手が具体的にそばにいたからであって、
彼ひとりでは決して、
誰かにそのようなことはしなかったのだと思う。
フェティシズムのようにも見えるが、
はたしてそうだったのだろうか。
このような形しか知らないだけだったのではないか。
彼女が真っ赤なトマトを転がしさえしなければ、
こうはならなかったのではないか。 -
哀しすぎる男の物語。ひんやりとした映像もストーリーによくあっている。パトリス・ルコントの懐の広さを見せ付けられた(今までがコメディータッチが多かったので)。
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仕立て屋の恋
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窓から覗いていた相手が…よくある設定だよね。
本作も旧い作品だな…
初見ではないと思うんだけど、すっかり忘れてしまってます。
見事なハゲっぷりで年齢不詳だな笑笑。冴えない男が抱いた恋心か…いつも三揃でパリッとしてて格好良い人なんだけどな…
理性が勝ったと言うよりも臆病風に吹かれたって感じだな…だけどプライドは高い…これって拗らせるパターンだわw…
彼、ちょっとキートン版バットマンシリーズ第一作の「ペンギン」に似てる笑笑。覗かれてると気付いて、相手宅へ押しかけた割には冷静な会話するんだな…怖気付いて対処出来なくなるとキレるか…それで大きく凹み、また恋焦がれてしまう…ダメな子の典型みたいな人だな…彼の独白を聴くのは辛いね。分かっていてもどうすることも出来ない…哀しくなる。
彼のこといま風に言うならストーカーだな…w
ボクシングのシーンはゾクゾクするエロさですな…
普通の恋愛が出来ない二人の関係性が切ない…
彼女に言い放つ彼の台詞が刺さる…良い作品だった。映画らしい悲劇であり、不条理劇だったなぁ〜ラストまでずっと哀しい作品だった。
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アマプラで配信終了してしまい…残念に思っていたところ、U-NEXTにありましたね! 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
高い月額料金払っている甲斐がありました…。で、まあ、この映画ですけれども、割と面白かったですね! 主人公のおっさんが童貞チックなところもまたGood! 童貞かどうかはオブラートに包まれているというか、あえて詳細はぼかしている感じですけれどもね…。
意外と古い映画でしたねぇ…でも、女優さんは綺麗でしたね! 不器用な男の片思いという感じで少々感動してしまいましたとも…。
フランス映画でしたか…あまりピンと来ないのがフランス映画という感じでしたけれども、これは僕でもピンと来ましたね…! よかったです…。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー -
孤独な男が若い女性に片思いをするお話。しかし、この男が中年のハゲなものだから、ストーカー・ホラーになってしまうのはちょっと気の毒な気がする。とは言え、暗闇の中で覗き見する男の顔がガラス越しに映るシーンはホラー以外の何者でもない。
結局女に嵌められて酷い目に遭うのですが、それでも彼は彼女を恨んでいないと言う。たとえ騙されたとしても、意中の女性とひとときを過ごせただけでも幸福だったということなのでしょう。切なすぎる…。
時系列をカットバックした構成も効果的で、一体何が起こったのかと、ぐいぐい引き込まれました。なかなか見せる映画でした。
tvk「映画の時間」にて。 -
自己表現の妙。
変態草食中年男なのに何故か愛くるしささえ感じてしまう。
愛しさと切なさと心強さと。
好きって何?愛って何?という感じの作品でした。 -
誰もいないとこでこんなことしちゃいます。という変態なところをリアルに描いていてよい。監督さんもきっと変態。もしくは原作者が相当な変態。
あるクラシックの曲を使って、紳士な色合いとちょっと狂気じみて、かつ純愛で切ない気持ちを表してるとこがよい。
髪結いの亭主のあのダンスが忘れられないけど、この映画も記憶に残る絵がたくさんある。
リンゴあとのモロな絵とか、ボクシングのときのみんな格闘技に夢中なのにおじちゃんだけお腹に夢中なところとか。
終わり方も。。。 -
この映画は確か20代半ばぐらいの時に一度観て、今日もう1回観るまでは記憶の中にぼんやりと好きな映画のうちの1つとして残っていました。結末は覚えていなかったのでちょっと意外でした。ハッピーエンドが良かった。でもどちらかというと好きです、この映画。
http://eigabako.brexcel.co.jp/archives/473 -
一人の女をひたすら見つめ続ける男と、2人の男を愛そうとした女。結局、罪がばれるのが怖かったから彼と一緒にいただけなのか。報われなさと、少し奇妙ではあるけれども男の一途さに胸が痛かった。
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パリに住む寡黙な仕立て屋イール氏の日課は、自宅向かいの建物に住む美貌の女性の部屋をクラシック・レコードをかけながら眺めること。ある日、突然その女性がイール氏を訪ねて来て、イール氏は彼女に積年の恋を打ち明け、パリではないどこかでの自分との新しい生活をしてほしいと語りかける。
気色の悪いイール氏の内部で輝く無償の愛が素晴らしい。彼女に手ひどい裏切りをされても、
「君の事を恨んでない。ただ死ぬほど切ないだけだ」
という台詞が真骨頂。あとは覗き見の時にひたすらかかっているブラームスの曲が(間違ってたらすいません)、なかなかよかったです。うん。 -
「ただ死ぬほどせつないだけだ」。ほんとうにそうだ。
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のぞきをしているおじさまの恋。
のぞきっていうのは、一見気持ち悪いけど、誰もが持ってる純粋な心理だと思う。
だから、これはおじさまの純粋な恋の物語。
ちょっと短めで、音楽もとってもいい。 -
2010/10/28
パトリス・ルコント監督。
サンドリーヌ・ボネール主演。
20年経っているにも関わらず、
ボネールの魅力が、むしろ増しているのに驚かされた。
すべてを承知した上で、純粋な思いを突き通す仕立て屋に涙。 -
切なすぎる
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憎めない中年…
裏窓の匂いがしました -
盗み見る、それだけで人を愛する。
主人公は女性を愛するあまりどんなことでも受け入れて罪さえもかぶるが、これは一種のエゴであるような気さえしてくる。
それを利用する女さえ、己の愛する他の男に利用されているように見える。
主人公も、ともすれば愛する女が他の男を捨てて己のところに来るよう望んでいるのは、これは純粋な愛なんだろうか?
盗み見るだけなら、己のなかで完結してる。でも言葉を交わし触れ合えば、途端相手のすべてを欲して己の身さえ滅ぼしてしまう。
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切なすぎて胸がいたい
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パトリス・ルコント作品のマイベスト
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僕は君を恨んでいない。ただ死ぬほど切ないだけだ。
最後の裏切りが切なかった。 -
ストーカーな仕立て屋とそれを利用する女。
えぐいなぁ。曲が良い。白黒の世界に鮮やかな赤。 -
切ない映画。イールがアリスに掛けた最後の台詞が、忘れられません。
それにしてもルコント監督作品の男の人って何で皆ちょっと変態チックなんだろう…それでいて憎めないっていう