志の輔らくごのごらく(3)「みどりの窓口」「しじみ売り」―「朝日名人会」ライヴシリーズ31
- ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル (2005年11月22日発売)
- Amazon.co.jp ・音楽
- / ISBN・EAN: 4547366022643
感想・レビュー・書評
-
1.みどりの窓口
2.しじみ売り詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
貧しい中にも温かみがあり、義理人情を感じさせる噺。志の輔の語り口によって、より一層強く感じさせる。
-
志の輔さんは上手い
-
「みどりの窓口」「しじみ売り」。「みどりの窓口」は3回目くらいだけど何度聞いても笑える。名作です。「しじみ売り」は人情噺でもねずみ小僧の子分をからかうことで笑いをとる。よくできた噺だ。志の輔は武士の口調が抜群にうまいが子どもの口調も面白い。
-
「みどりの窓口」何度聞いても笑える。
文句なしに面白い。 -
素晴らしい!
-
090524
-
人情噺は意外に難しい。<strong>「親の反対で結婚できない身分違いの男女」</strong>なんて話を聞いても、現代人としては、いまひとつ理解できない。この点は悲恋ものの歌舞伎も同様。ん、人情噺が難しいというより悲恋ものが難しいということか。おいらが鈍感なだけ? <br>
「しじみ売り」にも駆け落ちした男女が出てくるが脇役なのであまり邪魔にならない。 <br>
この作品を聴く上で必要な予備知識は<strong>「鼠小僧次郎吉」</strong>である。<br>
鼠小僧は実在した盗賊である。CDの解説によると、主として大名屋敷を荒らしたのは史実だが、盗んだ金を貧しい人に与えたことは確認されておらず、後世に義賊伝説として付け加えられた可能性が高いという。しかし、もちろん本作品では、盗んだ金を貧しい人に与えた義賊鼠小僧が一方の主役である。<br>
終盤、鼠小僧が自首を決意する。現代の窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」だが、10両盗むと首が飛ぶと言われた時代である。実在の鼠小僧も処刑されている。 <br>
この重大局面で、かつての志ん生バージョンではなんと<strong>「手下を身代わりに自首させて鼠小僧自身は娑婆に残る」</strong>という筋書きだったという。伝説的盗賊にも法が執行され天網恢々疎にして漏らさずという結末では志ん生やその聴き手は納得せず、ヒーローは永遠に生きているというファンタジーのほうが優先されたということらしい(志ん生版も聴いてみなくては)。 <br>
しかし志の輔版鼠小僧は、<strong>手下が身代わりに行くと言っても聞き入れない。</strong>うん、やはりこうでなければヒーローとはいえないだろう。志の輔の新解釈にガッテンである。 <br>
原作は講談「汐留のしじみ売り」というらしい。再開発のビル街にして日本テレビの本拠地汐留で昔こんなドラマがあったかと想像するのも楽しい。 <br>
カップリング作品「みどりの窓口」はタイトルからも明らかなとおり、志の輔お得意の創作。苦労する窓口担当者が攻守ところを変えるあたりが鮮やかで、古典「しじみ売り」を抑えてこちらがA面?になっているのもうなずける出来映え。