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感想・レビュー・書評
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「講座・現象学」シリーズの第3巻で、現象学と現代思想との関係をめぐる論文が収録されています。
新田義弘が執筆を担当している序章「現象学の展開」では、とくに解釈学とのかかわりを中心に、フッサールやディルタイ、ハイデガーらの関係についておおまかな見通しが示されています。ほかに、哲学的人間学、哲学的解釈学、実存哲学、西欧マルクス主義、構造主義、芸術哲学とのかかわりについて論じられています。
磯江景孜が執筆している第4章「現象学と西欧マルクス主義」は、ルカーチとハイデガーとの関係などについて、わかりやすい解説がなされています。現代の現象学の専門家によってあつかわれることのすくないテーマですが、個人的には関心があったので有益でした。また木幡順三が執筆している第6章「現象学と芸術哲学」では、インガルデンの美学思想などが紹介されています。
なお本巻の末尾には、「コペルニクス説の逆転回」として知られるフッサール晩年の草稿「自然の空間性の現象学的起源に関する基礎研究」の翻訳が収録されています。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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