講座・現象学〈2〉現象学の基本問題 (1980年)

  • 弘文堂
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  • 「講座・現象学」シリーズの第2巻で、現象学における主要なテーマについての論文が収録されています。

    とりあげられているテーマは、「現象学の方法」「自我と時間」「身体」「物と空間」「世界と自然」「人間存在の社会性」「人間存在の歴史性」「人格と倫理」です。ただし、執筆者によって、論文のスタイルに大きなちがいがあります。「現象学の方法」の章を執筆している立松弘孝や「自我と時間」の章を担当している成田常雄は、フッサールの議論に緻密な検討をくわえ、それぞれのテーマがフッサールの思索のなかでどのように考えられていたのかということを明らかにしています。

    他方、市川浩が執筆している「身体」の章や、山崎庸佑が執筆している「人間存在の社会性」の章では、執筆者自身の現象学的考察が展開されています。とくに市川は、フッサールやその他の現象学者たちの議論への参照はほとんどおこなわれておらず、自身の身体論をもとにさまざまな哲学的問題へと思索をひろげています。

    木田元が執筆担当の「世界と自然」の章は、フッサールからシェーラー、ハイデガー、メルロ=ポンティへといたる現象学運動のなかで当該テーマがどのように展開されていったのかということをコンパクトに解説しており、バランスのとれた論考になっています。

  • 山崎庸佑「人間存在の社会性」

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著者プロフィール

1931年名古屋に生れる。1953年南山大学文学部独文学科卒業。東京大学大学院修士課程を経て、1955-58年ボン大学で哲学専攻。南山大学名誉教授。訳書 フッサール『現象学の理念』『内的時間意識の現象学』『論理学研究』全4巻(2、3は共訳)『イデーン II-I・II』(共訳)『形式論理学と超越論的論理学』(以上みすず書房、1965、1967、1968-76、2001、2009、2015)。編訳書『フッサール・コレクション』(平凡社ライブラリー、2009)ほか。

「2017年 『形式論理学と超越論的論理学 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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