動物の館 (1968年)

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  • 私設動物園を開き、動物保護活動を行っているジェラルド・ダレルの動物にまつわる体験記。
    子供の頃から動物園を開きたいという気持ちを持ち続け、イギリスジャージー島にジャージー動物園を開いたが、それは試練と苦難とハチャメチャな日々の始まりだった!

    いまでこそ動物園を経営することの目的として、保護や繁殖や観察がありますが、この当時はその概念が薄く、ジェラルド・ダレルは保護活動としての動物園を創ろうとしています。
    そして動物が人間とその場所とを信頼している証とは、食欲と健康状態とそして繁殖だとしています。
    前例がない動物の飼育や繁殖は本当に手探りで、悲劇的な結果になることも多々あります。飼育員は悲劇を避けようとしますが、直前まで元気だった動物たちが突然死ぬこと、そして動物が死ぬと飼育員が責められることに心を痛める様子も書かれます。
    各章の冒頭にはジェラルド・ダレルに届いた手紙が紹介されています。自分を雇ってほしいというものや、動物を閉じ込めるなど悪魔の所業だというものなど。

    深刻な話も出ていますが、全体的には前向きでユーモラスです。
    個性的な動物たちの様相。自ら新入り動物教育係とお客さん案内係を引き受けているラッパ鳥、箱を壊しまくるヤマアラシお嬢さん、檻を出て芝生でお客さんたちをからかうバク…。
    そんな動物園を快く支えてくれる人たちもいます。島民たちは餌となる穀物や虫たちを運び込んでくれたり、逃げ出した動物たちに家や庭を破壊されるご近所さんはそれも受け入れてくれて、珍しく保護しなければいけない高額な動物をどうしてもほしいと寄付を募れば協力に応じてくれる人たち。

    「子供の頃からひたすら希望を追って叶えた」その後の喜びや苦心や、そしてさらに前進しようとする作者の姿が書かれています。

    ジェラルド・ダレルが開いた動物園は、ジャージー動物園として動物保護などをやっているようです。
    https://www.durrell.org/wildlife/visit/

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