- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4523215038874
感想・レビュー・書評
-
まったく無駄がない。極限まで贅肉を削ぎ落して一直線に核心だけを描いた結果、人間そのものを描き出すことに成功している。
自分の中にある負の側面というか、別の世界線の自分の姿を見せられているような気持ちになってきて、主人公に幸福が訪れるように願わずにいられない。祈るような気持ちで観た。
こんなものを作るにはさぞかし強い心と深い業が必要だろうに、一体どんな人が撮ったのだろう?と思ったら70才の監督が撮っていたのでなるほどと納得した。
ストイックで普遍的な視点で「人間」を描いた作風はミヒャエル=ハネケ監督にも通じるところがある。
ものごとの本質を否応なく直視させられるという意味で、僕の考える「物語」というものの理想像に非常に近かった。
これを観て「あ、これ俺のことだ」と思える奴とは全員友達になりたい。
逆に「心が洗われるラブストーリーですね」と言ってしまう奴とは友達になれない。
そんな感じの映画だった。
たしかに形態としてはラブストーリーと言えるが、本質的にはもっと一方通行で、偏っていて、個人的で、内省的なものを描いている。あくまで個人的にはだが、どちらかと言えばホラーに近いと感じた。
地味に音楽が凝っている。
そもそもセリフが極端に少ない映画なのだが、この映画では主人公の心を代弁する役割として音楽を使っている。
無骨で単調な音楽を心拍数のように上げ下げすることでシーンのテンションをうまくコントロールしていた。
途中で一部やりすぎというか、チャップリンのサイレント映画のようなコント臭がしてしまうようなところもあり、そこだけちょっと気になった。
ラストカットはあえて説明しすぎず、若干揺らぎと含みを持たせた終わりになっているが、これは「全て彼の妄想だった」という可能性を残す監督の意図から来るものらしい。さすがだ。おそろしい。
余談だが、本作の予告編の出来が酷すぎてびっくりした。
全く別の映画に見える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絶望。
愛は愛なんだけど、ストーカーはストーカーだから、せつないにはせつないけど、でも私にはこれ理解できなくて、個人的には感情移入はできない。
でも映画の題材としては素晴らしいし、視点も新しい、暗くて美しい映像です。
でもなぁ、この絶望的な愛は理解できないなぁ、やはり。 -
真面目すぎてくそ丁寧すぎて突然の事件に固まってしまう男の恋が愛へ向かって行く話。
-
0041
-
(2008年作品)
-
どーん、、、、
そして絶望。 -
製作年:2008年 製作国:ポーランド・フランス 時間:94分
原題:CZTERY NOCE Z ANNA
監督:イエジー・スコリモフスキ
(2.5点)