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- / ISBN・EAN: 4988013505827
感想・レビュー・書評
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内容(「Oricon」データベースより)
海兵隊のサムは、美しい妻グレースと娘たちに囲まれ幸せな日々を送っていたが、サムの弟トミーは刑務所に服役する厄介者だった。しかし、サムだけはトミーと腹を割って話せる存在だった。弟が出所したのと入れ替わりに兄は戦地へと旅立つが、突如、兄の訃報が届き、グレースと娘たちは絶望の淵に突き落とされる。トミーが彼女たちを支え、笑顔を取り戻すようになった頃、突如サムが帰還を果たす。娘達も怯えるほど別人となって。
PTSDを患ってしまったサム。
自分が死ぬか部下を殺すか...
後者を選んでしまったサムの苦悩が辛過ぎます。
その立場になった時、私はどうするんだろう?
サムの家族や弟のトミー、みんなが幸せになって欲しいと観ていて思いました。
そして、サムに反抗する長女の演技がとても上手いなぁと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛した家族は心を殺されて戦争から戻ってきた。
戦争系ヒューマンドラマ。地上波放送で観たが、2度目は見れない。見てよかったけど、辛い。
「死んだと思ってたけど生きてた」の3作目?たまたまだけど、多いな。
地獄のような戦争の最中にいるサムと、愛する人の喪失を穴埋めしようとする残された家族の平和な描写。そして帰ってくるサム。そこからが辛くて辛くて。
子役も含めて、全員演技がうますぎる。途中の「昔のパパは戻ってこない感」やばい、辛い。
夫婦、父子、家族、戦争、トラウマ、命、心。
優秀な兄とダメな弟。サムが妻に初めて涙を流しながら罪を告白する。物語は多分ここが始まりなんだ。
戦争は無くならない。死んだ者だけが戦争から解放される。解放されない主人公のこれからを考えさせられる映画だった。 -
銀行強盗の末に数年間の服役を終えて出所してきた弟トミーと、
家族想いで優しく責任感のある軍人の兄サム。
パーフェクトな兄と、厄介者の弟ではあるけれど、兄は弟を大切に想っていた。
そんな弟トミーのことを疎ましく思いつつ、家族の前では笑顔を絶やさないサムの妻グレース
トミーとの再会もつかの間、戦地アフガニスタンに立ったサムだったが、
直後に戦死の知らせが家族に伝えられる。
しかし、数ヵ月後・・・
極限状態の中を「生きる」こと、愛する人を失ったあと「生きる」こと。
そのどちらも描かれていて、熱い涙がじわじわ出続ける映画。
戦争によって奪われた日常を、
再生しなければならない大人たち、グレースやトミーに感情移入するのはもちろんだけど、
サムの幼い2人の娘たちの微妙な表情の変化に強く心を締め付けられ、
そちらに気持ちを持っていかれることが多かった。
特に姉のイザベラちゃん。
大人の心の揺れ動きに敏感で、繊細すぎる年頃を見事に演じきっていて、
自分も子どもに戻った頃のような不安な気持ちで観てしまい、
悲しい気持ちが、かたまりになって喉がつまるようなあのころの感覚を思い出すほど。
父と兄と弟、妻と夫、親と子ども。
それぞれの家族としての心の繋がりを描ききった名作。
忘れられない映画のひとつになりました。 -
・ストーリーに関して
普通に見れば、とても良いストーリーなんだろうけれども、
どうしても僕は、戦争が絡むものを見るとき、些細な違和感を感じてしまう。
アメリカの絶対的な正義、敵国の悪を表現し過ぎなのだ。
これはもう、僕のブクログの他のレビューでも何度も言ってきたことなので、若干繰り返し気味になる。
例えば、アメリカ軍兵士によるイラク人少女レイプ・殺人事件を題材にした「リダクテッド」という映画がある。
これはアメリカ人にはひどく不評で、FOXニュースから上映禁止を呼び掛けられたほどだ。
やはり映画は「アメリカに都合のいい描き方をしなければ受け入れられない」ってことは仕方ない。
「マイ・ブラザー」の場合、主軸はテーマは家庭内のヒューマンドラマなんだけれども、
でもやっぱり戦争に対しての姿勢は、あくまでも「アメリカが正義」を貫いていて、違和感があった。
ただワンシーンだけだが、戦地に赴く父親について「お父さんは悪い人をやっつけに行くんだよ」という娘に対して、
「悪い人って?」と語りかけるシーンが僕は非常に鮮明に突き刺さった。
それにPTSDに関するアメリカの姿勢に関しても、実は最近疑問視されている。
ここら辺からは推測が多分にあるし、当事者でもないのにこんなことを言うのは大変おこがましいのですが…。
一説としてお聞きください。
PTSDに関して、精神科医や心理学者のみならず、当の復員兵たちからも「過剰診断だ」との声があるようで。
実際、ベトナム戦争のころと違って、今は志願兵の時代だし…
「兵士たちを戦争の犠牲者と考えたい願望の表れかもしれない」と分析するサイトさんもありました。
・演技に関して
ナタリー・ポートマンはさすが。
本当に上手い。
ジェイク・ギレンホールは、前半から後半にかけての心情の変化が見事。
役者によって映画全体が引き締まる、良い映画だった。 -
ジェイクギレンホールのたまに見せる笑顔と、演技のうまさに惹かれた。
トビーマグワイアはなんか人生うまくいかない演技がうまい気がする。あんま出演作観たことないけど…
途中風船ぎりぎりいわす子供の演技印象に残ってる。お父さんがあぁなって戻ってきたら悲しいよな、そりゃおじさんの方がいいってなるよなって、、でもお父さん悪いんじゃないんやで、戦争が悪いんやでって。 -
TVにて
戦争が人間の心を蝕んでいく過程が恐ろしかった.生き残るための選択,何という重荷.兄弟二人の対比が見事でまたマグワイアもギレンホールも素晴らしい. -
ストーリーには感じるものがあるけれど、オリジナルが観たくなる。
リメイクされた作品ってどうしても設定ありきのちぐはぐさを感じてしまう。
これも後からリメイクと知って納得した。 -
軍人で優秀な兄と、刑務所上がりの弟という二人を軸に物語が進みます。戦争は人の心を破壊し、その人を受け入れるには愛なんて簡単な言葉だけでは足りません。精神的に辛い描写が多く、悲惨さが強調されています。
残酷な映像はほとんどありませんが、一つ一つぎくしゃくしてくる家庭内の日常によって、戦争の恐ろしさを訴えているような気がします。戦地から帰れば戦争が終わる訳ではなく、心に傷を負った人間は、いつまでも苦しめられるのです。