マネー・ボール (RHブックス・プラス) [Kindle]

制作 : 中山 宥 
  • 武田ランダムハウスジャパン
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (464ページ)

作品紹介・あらすじ

メジャーリーグの球団アスレチックスの年俸トータルはヤンキースの3分の1でしかないのに、成績はほぼ同等。この不思議な現象はゼネラルマネージャーのビリー・ビーンの革命的な考え方のせいだ。
野球ファンだけでなく、ビジネスマンからも圧倒的賞賛を送られた全米ベストセラーがKindle版で登場!

感想・レビュー・書評

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  • 無茶苦茶面白く、夜を徹っして一気読み。従来、元野球選手の直観や論拠のない数字に捕われることの多かったメジャー・リーガーの「評価」を、統計的な手法で完全に見直した大リーグ球団オークランド・アスレチックスの物語。

    話は、(2000年代前半)「潤沢な資金で優秀な選手を買い集める球団と、お金がなくて無名の選手しか採れず、たまに優秀な選手を育ててもすぐに他球団に買われてしまう球団が、なぜ互角以上の戦いをしているのか?」という疑問から始まる。ウォール街出身の著者はすぐに、アスレチックスが「実力よりも安く評価されている選手を買い、実力よりも高い評価で売っている」ことに気がついた。他球団が選手の実力を体型や従来型の指標(打率、打点など)で評価していたのに対し、アスレチックスはより得点(つまり勝利)との相関の高い出塁率などに基づく独自の指標で評価していたのだ。

    メジャー・リーガーとしての栄光と挫折を経験し、この新しい球団経営手法で一時代を築いたビリー・ビーンを中心に、ビリーに見出されて人生を一変させた多くの選手達、統計的手法の活用を訴えて自費出版を続けた先駆者などの物語はどれも示唆にとみ、読者を飽きさせない。野球好きな人なら、この一見奇抜に見える統計データに価値観を揺さぶられ、野球観戦を一層楽しめるようになるだろう。原著と邦訳初版はいずれも 2003年。そう言えば、大リーグでも日本でも、最近は出塁率の数字を聞くことが多くなったが、なるほどそういうことだったのか。

  • 映画先に見ちゃったからどうかなと思ったけど、心配なかった。おもしろかった。翻訳物は、人の名前覚えられないから苦手だけど、野球選手ならその心配もないし、訳もいいんだろうね。

  • 野球界の常識を覆す「お金をかけずにいかに勝つチームを作るか」に挑戦したアスレチックスのゼネラル・マネジャー、ビリー・ビーンの物語。

    盗塁をしない、犠牲バントをしない、そして何より重要なのは出塁率である。そんな理論をもとにビリー・ビーンが作り上げたチームが快進撃を続けていく。どこのチームからも評価されなかった選手たちを使って、金持ち球団を倒していくさまは、読んでいて非常に気持ちがいい。

    以下、引用。


    「この部屋にいるただひとり本物のメジャーリーガーはマット・キーオ。1980年にアスレチックスで16勝を上げ、ルーキーだった1978年にはオールスターゲームに出場した。」

    そして1987年には阪神タイガースにいた。まさかここでキーオが出てくるとは。

    「わたしの関心事は、野球だけ。いったいなぜだろう? それは、ほかの分野の数字と違って、野球のデータには言葉と同じ力があるからだ。
         ――ビル・ジェイムズ『野球抄1985』」

    「野球の選手や監督はよく、新聞を利用してゼネラルマネジャーへメッセージを送る」

    「ゴリアテを応援する人間は、つねに勝利を期待する。ダビデを応援する人間は――これと言って期待していないので――何かにつけて興奮する」

    「ビリーをゼネラルマネジャーに起用したサンディ・アルダーソンはこんなふうに述べている。「ビリーには、人に好かれる才能がある。危険な才能だ」」

    「ホームラン以外のフェア打球は、ヒットになろうとなるまいと、投手には無関係なのではないか?」

    「口元をグラブで隠すようになったのはここ10年ぐらいだが、読唇術ができる野球人なんて、わたしはひとりも知らないな。それとも、最近、急に読唇術がはやっているのか?」

  • Kindle whitepaperで読んだ!
    Kindle読みやすい!!

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