待つ [Kindle]

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  • 2012年9月12日発売
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感想・レビュー・書評

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  • とても短い文章
    最後の一文にどきりとさせられる
    青空文庫にて

  • とある女性が駅のホームのベンチにて待っている。
    彼女が待っているのは何なのか。

    作者が男性であることを忘れてしまうほど、女性の心理を書き表している作品と思いました。

  • ひとにあうのが嫌な気持ちわかるわー
    まってるのはさびしいから?
    多感
    一人になりたいけど人といるのも嫌

  • 以前読んでいた

    彼女は誰を待っているのだろう
    旦那でも恋人でも友だちでもお金でもないという
    どんな形、なんでもいいから、何かと出会うこと?
    ……なんとなく分からないでもない気がしてくる

    「あなたは、いつか私を見掛ける。」
    自分もいつか誰かを見掛けることがあるんだろうか?

  • 「いったい、私は、誰を待っているのだろう。はっきりした形のものは何もない。ただ、もやもやしている。けれども、私は待っている」(本文より)

    この短編もすごいなぁ。嶽本野ばらさんは太宰好きだと言っているけれど、きっとこの作品とか、好きなのではないだろうか(妄想)。もちろん野ばらさんの作品が好きな私には、すごく刺さりました。
    感想を書こうと思っても、なんだか書けない。この感情を表現することが上手くできません。だからこそ、ほんっと太宰治ってすごいなぁ。誰を待つのでもなく毎日駅のベンチで「待っ」ている女性の気持ちを、こうも簡単そうに書くんだもの。複雑だけどどこか投げやりになりたい時、この作品を思い出すことにします。

  •  ただ待っているのであれば、ゴドーなのかしらと思いつつ。何を待っているのかわからないまま、勝手にそのときのことを空想して怖がっているというのは、「ぼんやりとした不安」のようなものがつきまとっているということなのだろうかと考える。ところどころ、わかる、と膝を打つ箇所もありながら、全体的にはぼんやりとしてしまっていてつかみどころがない。この、形のないものとして忘れないでほしいというのが、語り手である若い女性の希望なのだろうか。

     「望遠鏡を逆に覗いたみたい」というのは、ここが出典なのか、それとも、あちらこちらでよく使われていたフレーズだったのかな。当然のごとく『はみだしっ子』の雪山のあとのグレアムのエピソードを思い出したのだけれども、このイメージだったんだろうか。

  • なんだっけこれ。
    初めて読んだと思うけど、いろんなものを思い出しかけて、でもつかめない。
    エンデの鏡の中の鏡とか、谷山浩子の意味なしアリスとか、浮かぶものが色々。
    解釈できるほどきちんと読めてないけど空気が好き。

  • 太宰さんの雑誌に載っており、久しぶりに読みました。
    読んでいたら、涙がこみ上げてきて困りました……。
    太宰さんが書くお話の中には、どこかに私がいて、顔を出す度に泣きそうになります。



    (再読了日:2020年5月6日)
    戦争が始まって、のんびりしているのが悪いような気持ちで、居ても立ってもいられず駅で毎日誰かを待っている。
    不安定な気持ちがよく伝わってくるお話で、好きな作品の一つです。

  • 衝撃的。ですます調とである調の使い分けが絶妙。最後の一文に鳥肌がたった。

  • ブクログがどこかで推薦してたので読んだ。
    ひたすら「何か」を待つ少女の話。
    個人的に太宰はあまり好かないので「女生徒」とかの女性が主人公のものなどは(多分)読んだことがないのだけれど、なかなか良かった。
    太宰はこういう不安を煽るというか、迫り来る感じの心理描写が実にうまいと思う。他のも読んでみようかなという気になった。
    彼女が結局何を待っていたか、自分なりに思いついたものもあったけれどあまりに陳腐な結論なので伏せておく。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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