断食芸人 [Kindle]

  • 2012年9月14日発売
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感想・レビュー・書評

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  • わたしの脳内キャスティングでは『断食芸人』=エガちゃんこと江頭2:50さんでした。即興主はなんとなく髭男爵の山田ルイ53世さんになっちゃってました。

  • 陶酔という狂気。
    最期まで陶酔の中で生きられるのなら
    それはそれで幸せと言えるのかもしれない。

  • 読む度、後半にいくにつれスキップをするように楽しくなってきて、ラストでやたら爽快になる話。

  • トレンドから取り残される「断食芸」をする芸人がどうにか再び耳目を集めたいと一世一代の断食芸をする話なんだけど、こうも世の中のトレンドが変遷していると、取捨選択しているつもりが自分が置いていかれている場合もあるし、ついつい栄華極めていたちょっと前のトレンドに固執してしまう気持ちと言うのも分かっちゃうところもあるので身につまされたりされなかったりします。ただ、この話で一番ぞわぞわするのは断食なんて芸になるほど普通の人はやらないしできないことをこの断食芸人がどうしてできたのかの答え合わせの部分。
    我々もこんな風に「なんで時間とお金を削って他にやることあるのに本なんて読むの?」「その長時間労働きつくないの?」「新型コロナウイルス予防のための引きこもり生活なんて辛くないの?」と自分はたいして辛くないけど他人から見るとだいたいは辛いから自分の実感以上に高く評価されちゃうことってあるじゃないですか。結局我々もこの断食芸人も、できることと好きなことしかやりたくないしやらないし、運よくできる事好きなこと得意なことでムーブメントに乗っちゃって、うっかり「この道を究めたい」みたいに思っちゃったりすると、それがきったない動物の小屋の横で人知れず死んじゃうルートに続いているかもしれないってことかもしれないよね。怖い怖い。

  • 断食芸人ー豹の対比

    肉体: 制限(ルール)ー自由(野生)
    仕事: 短期的、期限付きー持続的、無期限
    精神: 自由ー不自由

    ✴︎断食芸人の仕事は期限付きで、かつ自分でルールを課している。それら外的内的の制限があるからこそ、それを越えようとする努力には際限がなく、この意味で彼は自由である。一方で豹は、野生のまま檻に入っていて、自由に振る舞っているように見えるが、課される制限がないため努力のしようが無く、すなわち何もできないという不自由さを持つ。またどのみち檻という絶対的な不自由は避けられない。

    ✴︎✴︎絶対的自由は存在せず、自由とはあくまで概念。そして概念的な自由を目指す努力こそが地上の自由。制約が課されるほど、この努力すなわち自由の量は多くなる。不自由こそが自由の源。

  • カフカは「変身」を読んで挫折した。断食芸人は大分読みやすかったけど、よくわからないなーという感想。
    芸の探求と承認欲求。大衆の心理。流行は儚きものかな。

  • 変に明るさの残る作品。
    断食芸人って、タイトルだけだと、テレビ番組っぽいけど、中身はカフカっぽさ満載です。

  • ブンゴウメール10月の配信作品。

    これは細切れじゃなく、まとめて読んだ方が良い作品だったかと。

    大食いは結果がわかりやすいからまだ見物人が出るのはわかる。

    けど、断食してるのを見るのは楽しいのだろうか?
    そもそもの“断食芸人”のはじまりは何だったのか…

    芸人と動物の対比、なのかな-

  • 現代で言うとTwitter芸人

  • carib song,田辺剛「サウダージ」つながりで。”ある日のこと、ちやほやされていた断食芸人は自分が楽しみを求める群集から見捨てられたのを知った。” ”今おくればせながら、以前は成功の陶酔のなかで十分には気づかなかったが、しかし十分に抑えきれなかったいくつもの前兆のことが思い出された。しかし、今それに抗するために何かを企てるといっても、すでに遅すぎた。” それしかできない、それが人々にもてはやされていたのに、ある日ふと見捨てられ、方針転換も、回復もできない、ただ断食することしかできなかった、自分の口に合う食べ物を見つけられなかった、という最期の言葉に何をかさねあわせるか。そして、原作は、空いた檻に入れられた豹の生き生きとしたはちきれんばかりの生命力を描写し、対比させているところが印象に残った。

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著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

フランツ・カフカの作品

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