復讐するは我にあり (文春文庫) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
3.50
  • (1)
  • (3)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 49
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (431ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1963年、78日もの間、殺人や詐欺などの犯罪を重ねながら、日本列島を縦断した「スーパー犯罪者」榎津巌。著者は彼の犯罪旅行を警察の調書や裁判記録、関係者への取材などで明らかにする。このノンフィクション小説にて直木賞受賞。

    読んでみて、榎津の犯罪レパートリーの幅広さに驚かされる。こんな日本人がいたのか。5つの殺人にしても凶器で滅多刺しにする、忍び込んだ住宅で帰宅してきた住人を絞め殺すなど、様々。そんな殺人の合間に、質屋や弁護士などを相手に巧みな話術で寸借詐欺で現金を調達。その現金を新たな詐欺の資金に流用。さらには自殺の偽装。

    指名手配されてから、わずか数ヶ月でありとあらゆる種類の犯罪をこなしてしまう。まさに天性の犯罪者だ。

    結局、榎津は1964年に逮捕され、抑留中でも裁判中でも反省の態度を示すことなく、1970年死刑執行。

  • 現実に起きた事件を基にしたフィクション。名前は変えられているものの、場所や事件の内容はほぼ実際と同等とのこと。タイトルから被害者の家族による復讐劇になるかと思いきや、終始被害者および第三者視点から淡々と事件が進んでいく。
    当然許されない事件なのだが、ここまで多くの人を惑わす榎津巌の人間的魅力とはどこにあるんだろうか。

  • むかーし映画観たけど、改めて。すげーよ榎津巌、発言のほぼ全て嘘!今ならネット情報系怪しいカリスマ(何ちゃら翼とか)とかになれたんじゃないかな。稀代の詐欺師。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1937年4月15日朝鮮咸鏡北道穏城郡訓戒面豊舞洞167番地で生まれる。
1941年12月末朝鮮から関釜連絡船で広島県高田郡小田村へ帰国。
1950年6月広島県高田郡小田村中学校から八幡市立花尾中学校へ編入。
1956年4月福岡県立八幡中央高校を卒業して八幡製鉄所入社。
1963年5月「ジャンケンポン協定」で第3回日本文学賞を受賞。
1976年2月「復讐するは我にあり」で第74回直木賞を受賞。
1991年6月「身分帳」で第2回伊藤整文学賞を受賞。
2006年11月北九州市立文学館の初代館長に就任。

「2011年 『昭和二十年八さいの日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐木隆三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×