二十四の瞳 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 受験勉強の文学史問題で出てくるものの、読んだことはなかった。
    戦争になれば都会であろうと田舎であろうと、男であろうと女であろうと普段の生活が奪われる。
    戦争によって、大人の世界、子供の世界がどう影響を受け、普通が普通でなくなり、異常が普通になる。大石先生の子供が、戦死を遂げることに憧れるように、幼い子供までも異常な世界に蝕まれる。
    戦時のこのような精神状態は、日本人特有なものなのだろうか。アメリカやヨーロッパも似たようなことがあるのだろうか。

  • 高々数十年で人間の暮らしはこうも大きく変わったのかと驚く。
    素朴で貧しくも、日常に溢れるたくさんの小さな愛に大きな幸福を見出すことができる、そういうアンテナが現代には退化してしまったように思える一方で、戦時の言論統制や思想警察、盲目的で排斥的なものの考え方の根本にある人間の未熟な部分は、今の世もほとんど変わっていないのだなあと、コロナ禍で大きく変わる社会のただ中に直面している今、しみじみと感じる。

  • 先生と子の濃い関係性。
    今ではなかなかないけど、いいよなぁとおもった。

  • これは読んでおきたい小説。
    戦時中の庶民の暮らしを想像することができる。
    家族みんなが生きていることに罪悪感を感じる時代。
    生活環境が異なる子供たちが集まる学校という場でのシビアな事情も伝わってきた。
    今の平和を当たり前と思ってはいけない。

  • 戦争下における一人の女性教師を中心とした、生徒や村人とのふれ合いの物語。戦争は背景で主題ではないが、それが日常というある種の恐ろしさを感じさせる。
    教え子の瞳の数は、例え離れてしまおうが、末は天に召されてしまおうが変わらない。それを本人が感じる限り。
    戦争下で教育を受けた子供たちの考え方が間違っているのかは分からない。間違っているのは教育の方だろう。これは現代でも同じなんだと思う。この頃は世代によって常識が極端に食い違うから、その違和感に気がつくことができるものの、徐々に変化する現代だと誰も気が付かないに違いない。実はその方が怖いのかも。
    物語はシンプルで読みやすい。表層と中核に2つのメッセージが流れていて、奥深さを感じた。

  • 戦時中の話とは知らなかった。一人ひとりの人生が壮絶で、本当に戦争は誰も幸せにしないなと思った。

  • 淡々としているように見えて割と壮絶だと思った。

  • 人と人との繋がりが、いかに大事で尊いものか。
    一生、会えなくなってしまう別れ。
    また、いつの日か会える日がのことを思っての別れ。
    そして、新しい出会い。
    僕らの人生は、出会いと別れで満ち溢れている。

  • 小さな村の小さな先生の話。
    少し前の時代の話で、教育や人との繋がりなど現代とは全然違うなあ、、と実感した

  • 昭和のはじめ、瀬戸内海べりの一寒村の小学校に赴任したばかりの大石先生と、個性豊かな12人の教え子達による、人情味あふれる物語。
    分教場でふれあいを通じて絆を深めていった新米教師と子供たちだったが、戦争の渦に巻き込まれながら、彼らの運命は大きく変えられてしまう…。
    戦争がもたらす不幸と悲劇、そして貧しい者がいつも虐げられることに対する厳しい怒りを訴えた不朽の名作。
    (あらすじより)

    新米教師の初めての受け持ちの子供たちが戦争に取られること、夫を戦争にと取られること、貧困によって子供を失うこと。

    その時代を生きた人が書いた文章は鮮烈でした。

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著者プロフィール

1899年、香川県小豆島生まれ。1938年、処女作である「大根の葉」を発表後、「母のない子と子のない母」など、数多くの作品を執筆。1952年に発表された「二十四の瞳」は映画化され、小豆島の名を全国に知らしめた。1967年、気管支ぜんそくのため67歳で死亡

「2007年 『二十四の瞳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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