夜市 (角川ホラー文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • ホラーとのことだったので中々読めていなかったが、迫りくるような怖さは全くない。文章の美しいファンタジーとして十分に面白いと思う。短編が二つ入っているが、どちらも読み終わった後に僅かな哀しさが残る作品だった。

  • 不思議な感じの物語。

  • 才能、見た目、地位その他欲しい物が買えるこの世ではない世界で行われている「夜市」。この市のルール「何かを買わなければ出られない」「対価はお金でなくてもいい」というところがいい。
    しかも、人を対価にしたときにその人の存在自体が最初からなくなってしまうにも関わらず、人を対価にした自分は記憶があるという意地悪設計。なかなかハードな対応。

    ただし、それで得たとしても完全無欠というわけではない。結局は失ったものに対してそれだけの価値があったのかどうか、という正解のない反省に襲われる。反省したとてもとには戻らないので、それも残酷。
    結局、主人公は元の世界に帰る動機を失い、夜市と一体化してしまった。その後彼はどうなるのか。永遠に夜市と共に世界の狭間を漂うだけなのか。
    そう想像するとゾワゾワする。

    『風の古道』はファンタジーとホラーが混ざっていて、アニメ化もできそうという第一印象で思った。
    となりのトトロや千と千尋のような、子供のときにしか見えない世界が、この世界と接するようにあると想像するとすこしわくわくする。
    作中で、誰もが道に迷いさまよい続けていて、ひたすら分岐を選んで進んでいるだけ、という記載があった。
    古道そのものだけでなくもちろん人生もそうだという意味で記載されているのだと思うとともに、主人公の少年のように古道を旅する生活に一瞬憧れながら、違う道を選ぶような生き方を私もこれから続けていくのだろうと思った。

  • 題材
    ・現実の隣にある異世界

    テーマ
    ・欲しいものを手に入れても、幸せにはなれない
    ・友情

    何を伝えたかったのか
    ・異世界の雰囲気や設定
    ・テーマに記載の内容

    何が新しいのか
    ・異世界の設定
    ・ノスタルジック&ホラー

    キャッチコピーは何か
    ・美しく残酷な、運命の一夜の物語

    その他(心に残ったことなど)
    ・文章が読みやすい(さらさらと読めるが、稚拙さはない)

  • ホラーというより和風ファンタジーな感じ。
    『夜市』は過去に異界の市場に迷い込んでしまって弟を売ってしまった男が、再び市場に入り弟を買い戻そうとする。
    『風の古道』は次元を横断する異界の道に迷い込んだ少年と古道の案内人を務める男の話。

    どちらも異界に迷い込んで大切なものを失い、取り戻そうとする話。
    少し爽やかな気持ちになれたような気がする…

  • ホラーなんだが 何かきれいな印象を持つ文体が面白い

    著者のデビュー作

  • ホラー文庫だし、ホラーを期待していましたが、これはファンタジー?!ダークファンタジーかな?

    「夜市」と「風の古道」の二作品が入ってた。どちらも和風なのが良いね。どちらの話も不思議体験の後の現実世界では不思議体験のことを忘れてしまうのね…

  • 「日本ホラー小説大賞受賞作」ということで読んでみました

    ホラーというより読みながら「日本昔話」、「蟲師」のような世界観の中に浸っている感じを読んでいる間はしました
    ジェットコースターのような起伏の激しい展開はないですが、ひたすら自分も異世界を歩いているような印象を味わえる、心地悪さはなく平坦でもなく、なんとも不思議な読書の時間を楽しめました

  • 現実と隣り合わせのファンタジーものが好きな人に凄いお勧め。
    ファンタジーでもあり、ミステリー、ホラーでもあり
    色々な楽しみ方で浸れるお話だった。
    寂しさが残る読後だけど、読んで後悔はない。
    夏に読みたい1冊。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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