夜市 (角川ホラー文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • 面白いファンタジー

  • 妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた―。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。

  • チェーホフも読んだかと思うくらいの銃の使われっぷり。

    もともとダークファンタジーは好き。だけど進撃の巨人だったり炭治郎の出てくるやつみたいなグロめなものが絵的にダメ。自分の頭の中で生成できるくらいのシンプルな妖怪とか、槍のさし合いくらいがちょうどいいっていう、私みたいな人にはおすすめ。

    短編2本の収録の、前半が夜市のお話。夜市の設定がさまざまな世界の重なり合った世界で、学校蝙蝠なるものが開催を告げる。彼の言葉遣いは使う単語は古めかしいものの、嫌味がない。むしろそこがいい。物語の設定は割とわかりやすくて、お子様でも読みやすいかと思うが、そこに恒川光太郎さんの端的な文体が摩擦のない文字老を可能にし、没入感与えてくれる。人攫い、老紳士などの、無骨にしようされる固有名詞が物語に奇妙さを与える。

    久しぶりに読んだファンタジーもの。普段は現代文章読んでる方にはリフレッシュできると思う。

  • 私、この本好きです

  • 日常の延長にありそうな異世界を、クセのない文章で描いた作品。楽しく読んだ。ダラダラと描写が続くようなこともなく、物語の設定(その世界の条件設定)で読ませる小説だと感じた。
    2つ中編が入っていて、1つ目「夜市」は異世界感が強く、迫力があった。2つ目「古道」はどちらかというとヒューマンドラマとかファンタジー的要素があり、梨木香歩さん「家守綺譚」のような世界観だと思った。

  • サクサクと読み進められるけど読みおえて何も得るものがない、よく練られた中二病のおはなし。
    表題作は、夜市というこの世ならぬ場があって独自のルールで全体として一つの生き物のように機能している、という設定は端的にありがち。なんの驚きもない。
    風の古道もまったく同じ構造で、そんな似てる話ばっか書いててええんですか?と心配になる。ただしこちらは表題作のような「幽幻でござい!耽美でござい!」という自己主張が抑えられている分安心して読めた。
    この著者は、例えるならば昔話のようなストーリーを先に作り、登場人物をそこに当てはめながら書いていくというスタイルなのだと思う。起承転結的な出来事の連なりがあるだけで、人間が全く描かれていない。そのため薄っぺらな印象になってしまう。
    中には人間に対する関心が皆無で出来事の羅列だけで叙事詩的な厚みのある作品世界を作ってしまう作家もいるし、まあ単純に力不足なのだろう。
    秋の牢獄だっけ?あっちはなかなか好きだったなー。

  • 短編が2話入っていて、どちらも現実世界のすぐ近くにある異世界に迷い込む話。

    異世界の市場(夜市)をテーマにした1話目と、神々の通り道(古道)をテーマにした2話目。
    どちらも人間は基本的に入れず、入った場合は一定の条件をクリアしないと出られない。またどちらも、主人公が幼少期に偶然入り込み、成長してから自らの意思で再度、その世界に踏み込むというのも共通している。
    幼少期の頃抱いた、”不思議な世界が実はあるんじゃないか”という気持ちを思い出させてくれる。異世界の設定だけでなく、話自体もしっかり作り込まれていて、長編でも読みたいと思った。

  • ホラーというより世にも奇妙な物語。
    知らない世界があるのかなぁと思わされる本。
    さらっとした短編。

  • 怖くない。ファンタジー

  • 表紙を見た時から綺麗だなぁと思っていましたが、内容もとても素敵で美しいという言葉がぴったりでした。
    2つのお話共に切なくて、悲しいはずなのに、最後は希望もあるという不思議な読後感のある作品でした。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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