美少女 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 何気ない甲府の日常に対して、フェティシズムを忌憚なく描写したエッセイ。妻の汗疹の治療のために温泉に行く。そこは混浴で美少女の完璧なまでの躰を舐めまわすように観察する。『お嫁に行けるような、ひとりまえのからだになった時、女は一ばん美しいと志賀直哉の随筆』を引用するところが憎らしい。その後、東京に引っ越し、床屋の散髪屋でその美少女が居て、自分を見ている。主人公も美少女の躰を再び舐めまわしながら観察する。散髪屋の娘の裸体を知っている主人公の悪徳物語なのだが、美少女のエキセントリックさが漂い、どこか物悲しい。

  • 本当に面白いね太宰は。

  •  太宰ヒロインで人気投票したとする。やはり『女生徒』がトップだろうか。他に『ヴィヨンの妻』や、『斜陽』のお母様も票を集めそうだ。『パンドラの匣』の看護婦らもランクイン? おっと、『満願』の若奥様も棄てがたい。
     初登場が裸の『美少女』、一言も話さない点でポイント高し。『リトルマーメイド』アリエルも、ミュート状態の方が可愛かった。
     「五十歳の老婆」という描写がある。若さは、今日(こんにち)より光彩陸離たる輝きを放っていたはず。現在の感覚だと早すぎる死に思われる太宰も、漢詩にある「何ぞ白首を須(ま)たん」という心境だったのかも……。
     なお、再登場時の「青い簡単服」は、時代を鑑みるとアッパッパであろう。

    • 1801488番目の読書家さん
      太宰作品のヒロインで人気投票…!面白い!
      女生徒が1位はぴったり解釈一致ですww
      本当にやってほしいなぁw
      太宰作品のヒロインで人気投票…!面白い!
      女生徒が1位はぴったり解釈一致ですww
      本当にやってほしいなぁw
      2023/04/04
  • 健康美への直線的健康的高踏的めで。

  • 田舎の混浴温泉で出会った美少女と太宰は一言も会話がないけれどもアイコンタクトでのやり取りが何処と無くエロい。

    温泉場の出会いから数日後に床屋の鏡ごしに見たことのある美少女に気づいた太宰に一丁前にも思わせ振りな態度をとる。
    彼女は、まるで猫のよう。

    洋服を着た姿に素晴らしい裸体の隅の隅まで自分は知っているのだよとニヤニヤ笑いかけるが、プイッと奥の部屋へと去ってしまった。

    女と猫は近寄れば逃げ去る。
    この少女は、もはや無意識とその特性を体得している。

  • 平和な作品です。面白かった〜!
    美少女を語る際の描写はどことなくエロチックでドキドキしました。流石。
    終盤、娘に気づくシーンでの「顔より乳房のほうを〜」の一文で笑ってしまった…wwなんて正直なんだ…
    あと最近仕事を怠けていて退屈だった〜のとことかね。文士なのに、そんな赤裸々に書いちゃうのかみたいなw
    話に入るのを避けるためにそそくさと帰ろうとしたくせに、妻達の会話が弾んでいる事に一人ひがんでいるのも面白い。
    節々で感じたのが、やっぱり太宰は生粋の陰キャなんだなぁと…wでも太宰のそこが好き

  • 中学時代、太宰治にハマってよく読んだ。
    どの作品も主人公は太宰治と思って読んでいた。

    数十年振りに太宰作品を読んだが、何故、昔、太宰にハマったのか理解できないという事がよく分かった。

    この主人公もちっさい男だった。
    それより、何より50歳の女性を老婆と呼んだ事に衝撃。この時代はこんなもんなのかー。

  • Kindleを開いたらこれが出てきたのでふと読んでみた。
    温泉で出会った美少女(全裸)がぶらりと入った床屋の娘だったというだけの話ではあるが、独特のユーモアが垣間見えて面白い。

    1939年発表なのだそうだ。欧州では第二次世界大戦の始まった年だけどずいぶんとのんきな作品だなあと思う。
    変態じゃねーか、とほんのり呆れつつも笑ってしまう。
    最後は作者がエヘヘと笑うのが見えるようだ。

  • キモ〜と思っちゃいました笑
    面白かったです。

  • 太宰治の短編
    体の表現がとてもリアルで、太宰ってこんなにエロい人なんだなと。
    想像している自分まで、なんだか体が熱くなってしまいそうでした。

    もしかしたら、少女も主人公のことを見て、同じように妄想をしていたのかもしれない。お互い控えめなところがどこかひかれあっていたのかもしれません。

    • 1801488番目の読書家さん
      なるほど、面白い見方です…!
      娘も主人公のことをそう見ていたかもしれない、と思いながら読んでみるとまた違う印象を受けますね。楽しいです。
      なるほど、面白い見方です…!
      娘も主人公のことをそう見ていたかもしれない、と思いながら読んでみるとまた違う印象を受けますね。楽しいです。
      2023/04/04
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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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