オツベルと象 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • kuma0504は恥ずかしながら初めて読んだ。
    なぜ読んだかって?
    「シーソーモンスター」という小説を読んだから。
    そこでは、
    日本の未来に関わる重大な事件が起きていて、
    この童話がひとつのカギを握っていたんだ。

    初めて読んだ。
    資本家が強大になる時代の
    田舎の前近代金貸し息子の宮沢賢治の
    次代と搾取に痩せ細る
    ホントは力強い民衆の
    グララアガア、グララアガア
    ちょっとした叛乱を描いたお話だった。
    でも、最後の文がわからない。
    最後の文なんて、要らないんじゃないかと思う。
    最後の文の前はこうだ。

    「ああ、ありがとう。ほんとにぼくは助かったよ。」白象はさびしくわらってそう云った。

    資本家に死にそうになるまで搾取されて
    仲間に助けられた白象は
    ハッピーエンドかと思いきや
    「さびしくわら」うんです。
    それは、そうは言っても約1ヶ月
    一緒に働いた仲間たちの仕事場を
    荒らしたから
    資本家も「くしゃくしゃに潰れ」たから
    賢治らしいラストだった。
    これでいいじゃないか?

    ところが、これで終わらず、
    もう一文くっつく。

    おや〔一字不明〕、川へはいっちゃいけないったら。

    なにこれ。
    〔一字不明〕も不明だし
    「川へはいっちゃいけないったら。」も不明
    だって、それまで「川」はひとつも出てないんだよ

    伊坂幸太郎さんが、
    「直ぐにわかっちゃいけない」暗号文に
    選んだのもムベなるかな
    それでも伊坂さんは解いた。
    近未来の時間軸で。
    ぼくも解くべきだろうか?
    賢治さんに寄り添いながら。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      kuma0504さん
      > 翼状片というヤツで、
      そうなんですね。良いお医者様に施術して貰えるよう願掛け(?)しておきます。。。

      >...
      kuma0504さん
      > 翼状片というヤツで、
      そうなんですね。良いお医者様に施術して貰えるよう願掛け(?)しておきます。。。

      > なかなかの名作でした。
      昔読んだのですが、何故「象」なのか気になっていたコトくらいしか覚えていません。絵本でも何冊か見ている(その時は絵しか見ていない)のですが、、、再読します。
      2023/12/07
    • りまのさん
      にゃんこまるさん
      ありがとうございます!
      図書館で、探してみます。
      ありがとう。ありがとう!(*^^*)
      にゃんこまるさん
      ありがとうございます!
      図書館で、探してみます。
      ありがとう。ありがとう!(*^^*)
      2023/12/07
    • りまのさん
      kuma0504さん
      年内に、京都へお参りに行く予定があるので、くまさんの目のことも、お祈りしてきますね!
      kuma0504さん
      年内に、京都へお参りに行く予定があるので、くまさんの目のことも、お祈りしてきますね!
      2023/12/07
  • 宮沢賢治の短編小説。

    登場する人物ら、動物ら、語り部。
    世界経済の縮図かな。

    私は少ない文章から大きく想像を膨らませるのが苦手なので、もっともっと情報が欲しい。
    もちろん比喩と気づくが、そこから深く掘っていくのに時間がかかってしまう(汗)。

    雇用主と労働者を描いていて、かなり現実的な印象を受ける。重労働の末に倒れた象を助けに来た仲間たちが、見事に雇用主を討つ物語。

    最後の一文の意味をどう解釈すべきか。

    終わらない経済活動の犠牲と搾取は、繁栄の光と、それに群がる虫達にも似た、人間の知恵が生んだ空しくも美しい象徴であろう。

    諦めの境地。読了。

  • 資本家と労働者、あるいは雇う側と雇われる側。いつの時代も構図はそんなに変わらないのであろう。


    白い像を助けてくれた仲間たちは、今の時代でいうならば働き方改革になるのだろうか。


    いづれにしても、自身を信じ、常に全力を尽くし、その結果に満足できるよう生きていきたい。

  • 作中の象が不当に雇われている外国人労働者とリンクしてしまう。読んでいて後味の悪い話だ。

  • 『月曜日の抹茶カフェ』で登場したので、懐かしくてサラッと読んでしまった。今読むとなんだか世界の資本主義の縮図のようで、示唆に富む。グララアガア、グララアガア。

  • 音声で聞いたのだが「のんのんのんのん」というのがいつまでも聞いていたいくらいに気持ちよく、そのイメージでおっとりした話だと思ったら全然違った。白象が無垢で無邪気で善良で、オツベルは悪徳地主。白象がかわいそうだったので(朗読者が可愛らしく読みすぎ。声音も)。最後はスッキリした。でも、どちらかというとオツベルの気持ちの方がわかる…
    「グララアガア」の繰り返し、「ドーン、グララアガア」の繰り返しも、いつまでも聞いていたかった。
    音声で聞くか、自分で朗読するか、私としてはストーリーよりもオノマトペにまいってしまった。

  • オツベルが極悪だったから起きたできごと、というより、誰にでもオツベルのようになるきっかけはあるからこそ、自分に置き換えて考える意味のある物語だと思いました。

  • だまされて働かされていた象に仲間の象がドーン、グララアガア、ドーン、グララアガアとい助けにくる場面がグングン迫ってくる場面が印象に残っていたのだが、宮澤賢治についての本に地震などの天災を表しているのかもと書かれていてあってそうかもしれないとおもった。

  • 命を預かるとは、重いもの。粗末に扱うと必ず自分に返ってくる。

  • なかなか奥深い一編だった。
    農民に寄り添い続けた宮沢賢治と、機械化が始まり商業主義的な時代の背景が痛く感じられる。
    どんどん弱っていく主人公の象が物悲しい。
    宮沢賢治ならではの擬音語がリズムを生み出している。

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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