ルルとミミ [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 美しい悲劇の物語。

    『自殺』という重いテーマだが、幻想的な表現で読みやすい。瓶詰地獄のような展開かなと思ったが、最後まで童話的でとても好きな作品。

  • 夢野久作は代表作ドグラ・マグラのせいで難解な印象があったが、これは児童小説でありながら夢久ワールドを堪能できる良作。夢久初心者に勧めたい

  • 児童文学?童話?
    ジャックと豆の木+浦島太郎=±α
    悲しいけど、綺麗なお話。
    @言う間に読めます。
    ‘22.05.14読了

  • 夢野久作がこんな綺麗な童話を書いてたとは知らなかった。

  • 夢野久作でいちばん好きな物語。
    夢野は猟奇的な作品ばかりではない。
    美しく幻想的で、悲しさも幸せもある童話。
    仲睦まじい双子の兄妹、花と月と夢、水の中にある宝石で彩られた世界。
    そういったものが好きなひとには是非読んでもらいたい。

  • 幻想的なお話。

  • ミミが死んだのは いつか

  • 夢野久作は妹フェチなのでは?と思うような一作。否、3作ほど読んで妹が出てくる作品が結構あったような記憶があり、これもまた兄妹愛の尊さを著したような一作だった。途中に擬音を交えた歌が入るのも何となく夢野久作らしさを感じる。おとぎ話のような読みやすさがあり、湖の御殿の描写が大変美しい。
    鐘を作る父の背中を追うルルの情熱が健気で愛おしい一方、彼の純粋さ故にに水底で女王の言うことをきいて噴水を直す姿や、ミミが、兄のルルを追いかけて湖の底へと向かう姿などは、グリム童話等同様に子供心の使い方がうまいなと思った箇所だった。兄が突然、村に帰って来てから湖の底の女王様に会えなくなるのを寂しがる箇所などは、大人を登場人物に立てたら決まらない台詞ではなかろうか。「私は死ぬまであそこの噴水の番がしていたくなったのだ」と言ってしまうほどに湖の御殿に轢き付けられてしまったルルは、まるで夢から帰れなくなった人のようだ。
    その後村人がしっかり抱き合ったままの二人の姿を引き上げたときの最後の一文「可哀そうなルルとミミ……」は何を暗示しているのだろう。ミミは鐘が鳴ることを確かめて意気揚々と湖へと向かったが、結局最後は村人の視点となり、哀れな兄妹を思うまま終わる。美しさも尊さもまた、大人から見れば”可哀そう”となってしまうのだろうか。そのあたりが少し腑に落ちなかったが、全体としては明るい、かわいらしい話だった。

  • 鐘作りの名人の父が、作った鐘が鳴らないことを悲観して湖に身を投げた。

    残された兄妹のルルとミミは、村の住人から愛されて育つが、やがて兄が作った鐘も鳴らず、兄も湖に身を投げてしまう。

    その兄のあとを追って湖にやって来たミミは、湖の女王様が噴水の修理を頼むためにわざと鐘を鳴らなくして兄をおびき寄せたことを知る。

    さて、噴水の修理も終わり、帰ろうとするが、兄が「湖に戻りたい」と言う。ミミは一人で村に帰り、鐘がなることを確認したあと兄のあとを追って湖にいく。

    何となく悲しい話でした。

  • とても綺麗なお話でした。

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著者プロフィール

1889年福岡県に生まれ。1926年、雑誌『新青年』の懸賞小説に入選。九州を根拠に作品を発表する。「押絵の奇跡」が江戸川乱歩に激賞される。代表作「ドグラ・マグラ」「溢死体」「少女地獄」

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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