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感想・レビュー・書評
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「橋のない川」の中で度々登場した作品が、この「破戒」でした。
「橋のない川」はかなりの衝撃で、いつか「破戒」も読んでみたいと思いながらも、島崎藤村作品自体、読んだことがなかったので「難しそう」と敬遠していました。
が!
身構えていたよりもずっと読みやすく、そして引きこまれました。
恥ずかしながら日本の過去に確かにあった差別問題、知識もなく、身近に経験したこともなく(というのはとても望ましい状態なのですが)
「橋のない川」を読んだ私にも、衝撃的でした。
被差別階級の人が教師になっているということがバレたら…
という恐怖におののきながら生きる、というのがどんなに辛かっただろうと
想像するだに胸が痛みます。
そしてそんな方々が、ついこの間までたくさん、
そして今もそのような思いをしておられる方がいらっしゃるのだと
慄然とする思いです。
しかしながら、ラストはほのかに希望の光が見えて、さわやかな読後となりました。
数年後にまた再読したいです。