- Amazon.co.jp ・電子書籍 (319ページ)
感想・レビュー・書評
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かなり面白かった。
統計の罠という視点でまずは揉まれつつ、
通説や経済効果を疑うのが、エコノミストで実務でやっている視点からもそうというのも非常に面白い。
上振れしやすいという傾向なども学びになった。
景気判断のDIやCIはデータを自分で見に行ったことがなかったので、見に行くことでなるほど、そういう判断指標があるという(普段聞いているはずだが)ところで学びになった。
最後の地下経済は異色感はあるものの、確かにオモテの経済統計だけでは見えないものもあり、そこの影響があるし、全て測れるわけではないという大きな視点は常にいるなという意味では有意義。
総じて学びになった。
統計もデータも色々作為が可能というところで、一読したい本かと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数学的な意味での統計論の本かと思ったが、主に経済分野における統計の作られ方と各種バイアスの話がメイン。著者はエコノミストであって数学者ではない。
イベントの経済効果などどうやって算出しているのか不思議だったが、本書によるとやはり定量的な裏付けが薄弱で、強引な仮定で意図的に増やしたりする余地の多いもののようだ。実際にシンクタンクで経済指標の算出を行っていた経験のある人が「鵜呑みにしてはいけない」というくらいだから、基本的に無視してもいいものだと思う。
政府や日銀が公表する数字は意図的に調整されるわけではないようだが、それでも算出方法によって大小どちらかに偏りやすい傾向があるというのは勉強になった。 -
前半の各種指標の説明は教書的でつまらなかった。
著者もコピペで義務感で書いている感じだった。
しかし、後半の地下経済に関しては著者が使命感で全力で書いている感じがした。
既に何冊も地下経済に関して書いているので著者の土俵なのだろう。
指標は前提や期間が途中で変わることもあるので気をつけようと思った。 -
大体が既知情報だったので特に目新しいものはありませんでした。
けど、平均貯蓄を始めとする諸所の統計には一般的なズレがあり、どうしてズレるのか、その統計の取り方を深く知っていなければ、その意図するところがわからなくなる……というのは、果たしてどうなんでしょうか?
僕の評価はAーにします。 -
私に理解できたのは、経済の予測というのがあまり当てにならないということだけでした。よく分からないし、あまり分かりたいなぁという気持ちが湧いて来ない分野のようでした。
日本にはこういう分野を勉強する学部を持った大学がたくさんありますが、何を目的にしているのだろうかと疑問になります。遊びに行くための学部と揶揄されても仕方ないのではないかなと、正直なところ浅はかにもそんなことを考えてしまいました。
もう少しぶつ切りでなければ読みやすかったのかもしれませんが、何かこう、自分の興味関心とは根本的な不適合性の存在を垣間見ました。