ダージリン急行 [DVD]

監督 : ウェス・アンダーソン 
出演 : オーウェン・ウィルソン  エイドリアン・ブロディ  ジェイソン・シュワルツマン  アンジェリカ・ヒューストン 
  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
3.29
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  • (7)
本棚登録 : 411
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988142925824

感想・レビュー・書評

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  • 約10年ぶり人生二度目の鑑賞。
    初見時はアクの強いアメリカ人三兄弟のインド旅珍道中を描いた魅惑的なドタバタ劇くらいの捉え方だったのですが。二度目にして初めて、登場人物それぞれが抱える精神的孤独と、家族であるが故の微妙な距離感とそれでも消えない不器用な愛、旅の過程で改めてとらえる死生観をえがいたりと、内容盛りだくさんの中々奥深い映画だったことに気づきました。

    長男フランシスの突然の招集で、三兄弟でインド旅行をすることになった、次男のピーターと三男のジョン。
    不慮の事故で亡くなった父の葬儀以来一年ぶりに再会した彼らは、どうにもぎこちない。
    それでも皆律儀に、父の形見分けで各自受け継いだお揃いの旅行鞄一式をちゃんと持って来ている。
    三兄弟は、寝台列車のダージリン急行に乗って旅に繰り出すけど、この旅には九死に一生を得たフランシスのある思惑が隠されていて…。

    身内の不慮の死。
    バラバラになっていた家族。
    それぞれの生活の中で抱えている葛藤と悩み。
    ジャレ合いと喧嘩と折り合い。
    過去との決別と再生。
    それでもうまくいかない細々としたことはなるようにしかならず、そのままに…。

    他の彼の作品と比べると少しスローテンポな気もするけど、コメディの鬼才と呼ばれて面白いだけでなく、人の欲やゲスさ、それでも確かにある愛、人生における真理をきっちり盛り込んで人生の真理を描く巧みさは、やっぱりアンダーソン。

    兄弟ものということで、距離感があっても離れていても血の繋がった彼らにはやはり似たところが多々ある点なんかも巧みに盛り込まれてて笑えました。
    特に、悪気はないのに勝手に仕切って他の家族を微妙な気分にさせる母と長男は似過ぎててツボでした。

    10年前と今とで受ける印象がかなり違うのは、記憶違いなのか、年齢を経た私の感性の違いなのかと思ったのだけど、恐らくは後者。
    人生のままならさとそれでも貴重な愉快さは、年齢を重ねて、より人との距離に悩んだり死を身近に感じるようになった今だからこそしみじみ味わえた気がします。
    昔気に入った作品を観返す醍醐味を改めて教えてくれた作品。

  • 久しぶりに観たがやはり素晴らしかった!

    とにかくダージリン急行が超絶魅力的な乗り物なのだ。
    あっという間に世界に引き込まれた。
    カラフル衣装の乗務員、内装、小物に至るまでチープ感漂いながらも
    上等な乗り物にふさわしい佇まいで味わい深く、隅々まで見入ってしまった。
    列車内のシーンは閉塞的だが全く飽きることはなく
    むしろシリアスな兄弟達の葛藤さえもユーモラスに見せてしまう包容力を持っている。

    この映画にはそうした魅力的な物がいくつも出てくる。
    そしてそれらがこの映画の重要なキャストの役割も担っている。

    例えば父親のトランク。
    監督が当時ルイ・ヴィトンのマーク・ジェイコブス直々に製作をお願いしたという。
    一目見ても素晴らしく、仕事が行き届いた見事なトランクだ。
    最重要キャラとして度々登場するが混沌としたインドでのドタバタ旅には大仰すぎて少々足手まとい。

    そのトランクを全て投げ捨てるシーン。
    父への喪失感やこだわりや執着といったものを投げ捨て心の浄化を表したシーンだと思うが
    もったいない!と思いながら、なんとも言えない爽快感が駆け抜けて大好きなシーンとなった。
    名残惜しいものほど手放した時のデトックス効果は絶大なのだ!

    ダージリン急行を追い出された時は寂しくて心細くなってしまった。
    でも最後に乗った列車もなかなか素敵じゃないか!
    手放すことで新たな出会いもあるのだ。

  • 『天才マックスの世界』のマックスが三男だったのあとで調べるまで気がつかなかった。

  • B+。
    山と鉄道はあまり出てこなかった。
    ウェスアンダーソンの世界観。
    短編の『ホテルシュバリエ』からのつながりがよかった。

  • グランドブダペストホテルみたいな色味だなーと思っていたら、まさにその監督でした。列車や街並みの色がとても印象的。

  • あー面白かった!的な映画ではないのに、見終わった後に旅の終わりのような少しおセンチメンタルな達成感がある。飛行機乗る前みたいな。
    あといちいち小物がオシャレです。

  • 「ダージリン急行」「グランド・ブタペスト・ホテル」の監督ウェス・アンダーソンの作品。3兄弟のコミカルロードムービー。ブタペスト~より話は分かりにくい。難解というのでなく筋らしい筋がない。でも見終わる頃にはこの3兄弟が好きになっており、幸あれ!と思える。監督独特で映像が可愛らしく美しい。

    長男の仕切りや的個性に、最初?となるが、あー、長兄はママをやってたんだと分かり、妙に愛おしくなる。

    こちらのまとめが分かりやすいです(似顔絵がそっくりw)。ネット配信に付いていない(非道い!)ショートムービーの事も載っています。
    『ダージリン急行』の相関図&キャスト一覧!
    http://cinema-sketch.com/2020/07/09/thedarjeelinglimited_correlationdiagram/

    「ダージリン急行」はつべでひょろっと予告動画を観まして「あれ、これグランド・ブタペスト・ホテルっぽい」ってなって、調べたら同じ監督でした。なにが「それっぽい」んだろう?アングル?色使い?雰囲気?なんか映画って凄いなーと思ったのです。

  • 仕事ばかりで旅にも出れず、親兄弟ともなかなか会っていない中年後期~初老の男性には響きそうなお話。
    インドを男三兄弟がユルく旅するコメディのようなボツボツしたお話で、今の自分にはダル過ぎ&三人とも社会性がなさそうなタイプだったので合いませんでした。

    インドの景色なら『世界の車窓から』でも見ていたほうがいいな。
    家族の絆モノは他の作品で観るし、ナタリー・ポートマンも他の作品で観ます。

  • 父親の死後絶縁状態だった3兄弟がダージリン急行に乗ってインドを旅する.そのスローテンポなインド風な世界が広がり瞑想やら祈りそして効果的な音楽によって,何ということのないストーリーがしみじみとした味わい深いものになっている.言ってみればおかしな三兄弟の珍道中なんだけれど.

  • 映像がカラフルで可愛い!
    三人兄弟も可愛い。
    思わずふっと笑っちゃうところが
    何箇所かあった。

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著者プロフィール

1969 年5月1日 生まれ。アメリカの映画監督・脚本家。テキサス州ヒューストン出身。
テキ サス大学在学中に、オーウェン・ウィルソンと出会い、共同で映画を制作。オーウェンとその兄ルーク・ウィルソンと作った短編 「Bottle Rocket(原題)」がサンダンス映画祭で注目を浴び、それを長編にした「アンソニーのハッピー・モーテル」(96・日本 劇場未公開)で本格的に監督デビュー。続く「天才マックスの世界」(98・日本劇場未公開)でインディペンデント・スピリット・アワード賞の 監督賞を受賞。「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(01)では、オーウェンとともにアカデミー脚本賞にノミネートされ、ストップモーションア ニメ「ファンタスティック Mr. Fox」(09)は同長編アニメーション賞の候補になった。「グランド・ブダペスト・ホテル」(14) は、第64回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞し、第87回アカデミー賞では4部門などを受賞している。

「2015年 『ウェス・アンダーソンの世界 ファンタスティック Mr.FOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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