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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (297ページ)
感想・レビュー・書評
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長めの表題作と、
文庫の帳尻合わせとして(?)併載された短編、全2編。
表題作は、丸の内の中規模劇場で軽演劇を披露する
梟座に突如発生した怪事件の話。
新作「パンドーラの匣」公演七日目、
暗い楽屋で演者や脚本家たちが次々と何者かに殴られたが、
一同は釈然としないままメイクを直して開幕、
すると、序盤で、
主演女優が開くはずの箱に相手役の男優が触れたと見るや、
バネの付いたナイフが飛び出し、彼の胸に刺さった……。
座長が元・活動弁士という設定だからか、どうなのか、
地の文が独特の語り口調で、
残忍な殺人事件を扱っているにもかかわらず、緊迫感がない(笑)。
短編「蜃気楼島の情熱」は安定の金田一耕助モノ。
金田一がパトロンの一人である、
瀬戸内で果樹園を営む久保銀造と共に
旅館でのんびりしていると、事件の報せが……。
タイトルは久保の友人・志賀泰三の、
理想の屋敷と、そこでの若く美しい妻との幸福な生活に対する
狂おしいまでの執念を指す。
殺人の手口を喝破するヒントを金田一に与えた、
送迎船を操る美少年(?)佐川春雄くんがかわゆい。
【2020/10/11 追記】
まるきり失念していたが「蜃気楼島の情熱」は
『人面蒼』で既読だった(←オロカモノめ!)。
https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/B009GPM6TI
初めて読む気分でいながら、
不思議に佐川少年にだけ既視感を覚えていた理由が
やっとわかった……(トホホ)。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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