びっくり箱殺人事件 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫) [Kindle]

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  • 長めの表題作と、
    文庫の帳尻合わせとして(?)併載された短編、全2編。
    表題作は、丸の内の中規模劇場で軽演劇を披露する
    梟座に突如発生した怪事件の話。
    新作「パンドーラの匣」公演七日目、
    暗い楽屋で演者や脚本家たちが次々と何者かに殴られたが、
    一同は釈然としないままメイクを直して開幕、
    すると、序盤で、
    主演女優が開くはずの箱に相手役の男優が触れたと見るや、
    バネの付いたナイフが飛び出し、彼の胸に刺さった……。
    座長が元・活動弁士という設定だからか、どうなのか、
    地の文が独特の語り口調で、
    残忍な殺人事件を扱っているにもかかわらず、緊迫感がない(笑)。
    短編「蜃気楼島の情熱」は安定の金田一耕助モノ。
    金田一がパトロンの一人である、
    瀬戸内で果樹園を営む久保銀造と共に
    旅館でのんびりしていると、事件の報せが……。
    タイトルは久保の友人・志賀泰三の、
    理想の屋敷と、そこでの若く美しい妻との幸福な生活に対する
    狂おしいまでの執念を指す。
    殺人の手口を喝破するヒントを金田一に与えた、
    送迎船を操る美少年(?)佐川春雄くんがかわゆい。

    【2020/10/11 追記】
     まるきり失念していたが「蜃気楼島の情熱」は
     『人面蒼』で既読だった(←オロカモノめ!)。
     https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/B009GPM6TI
     初めて読む気分でいながら、
     不思議に佐川少年にだけ既視感を覚えていた理由が
     やっとわかった……(トホホ)。

  • 『びっくり箱殺人事件』
     梟座で起きた連続殺人事件。事件直前、出演者達が何者かにボクシンググローブで殴られる事件が発生。パンドラの箱から飛びだしたナイフで殺害された石丸啓助。深山幽谷を犯人としてゆすろうとした元マネージャー古川万十の殺害。俳優・芦原小群の殺害。発見されたムギューのおもちゃ。オペラ座の怪人と呼ばれた剣突謙造の自殺。幽谷の推理。狙われていた紅花子。

    『蜃気楼島の情熱』 金田一耕助シリーズ。
     久保銀蔵とともに蜃気楼島に渡った金田一耕助。そこで起きた殺人事件。かつて自分の妻を殺した男を自分の家に置く男。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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