芙蓉千里 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • KindleUnlimitedで読了。

    モダンで退廃的、華やかな妓楼小説です。ずっと読みたくてUnlimitedに入るのを待っていました。星3と4の間くらいかなあ。

    女衒に売られた少女、フミとタエは、日露戦争後の華やかなハルビンへ。そこは日本と違うコスモポリタンな街。女郎になって登りつめ、女の栄華を極めたいフミと、色を売るのは嫌だというタエ。ふたりは自分の才覚と友情を支えに、精一杯に生きてゆきます。少女小説というだけあって、女性が読んで、胸のすくような場面が多いです。性描写もさらっと匂わせる程度で、どぎつい濡れ場はありません。

    フミの恋が成就して、はいめでたし、とならないところも、私は好きでした。自分で決めた別れはつらいですが、いい女の条件みたいなもの。昭和初期…大戦前くらいまでのレトロモダンなお話し好きな方なら、難しい理屈を置いて、二人のヒロインになりきって読んでみてください。雰囲気たっぷりですよ。

    多くの苦界の花たちも、お客も、人間臭くて。
    ひとりくらいは好きになれる人物がいる感じです。

    今のところ次の巻までUnlimitedに入っているようです。
    とりあえずそこまでは、すぐ読むつもりです。

著者プロフィール

『惑星童話』にて94年コバルト読者大賞を受賞しデビュー。『流血女神伝』など数々のヒットシリーズを持ち、魅力的な人物造詣とリアルで血の通った歴史観で、近年一般小説ジャンルでも熱い支持を集めている。2016年『革命前夜』で大藪春彦賞、17年『また、桜の国で』で直木賞候補。その他の著書に『芙蓉千里』『神の棘』『夏空白花』など。

「2022年 『荒城に白百合ありて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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