政治家の品格、有権者の品格 [Kindle]

著者 :
  • ゴマブックス株式会社
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感想・レビュー・書評

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  •  この著者のことはあまり詳しく知らないが、大阪にいた頃、「たかじんのそこまで言って委員会」にコメンテーターとして出演していたのを何度か見た覚えがある。台湾出身だが日本生活の長い、良識あるおばさんという印象だったが、相当に波乱の人生を送られたようだ。

     著者は長い間、台湾と日本のどちらの選挙にも票を投じられない状態に置かれていたが、それでも相当に政治家を見極めていた。私は今まで一度も棄権したことがないが、しかし有効に票を使えていたかと言われたらやや恥ずかしい。ただ漫然と誰かに入れるのではなく、もっと本気で選ばなくてはいけないのだと思わされた。

     書籍のタイトルとしてはすっかり使い古された印象のある「品格」なる言葉を二回も使っているが、意味のある二回だろう。政治の質は国民の質であるとも言われる。書かれたのが民主党政権のできる前なので、政治情勢についての言及はだいぶ古くなってしまったが、今読んでも的確な判断をしていたことが伺われる。

     ただし鼓腹撃壌という言葉もある。日本人があまり政治に関心を持たなくなっているのは、平和で安定しているからだとも言えるだろう。それは必ずしも悪いことではない。

     ちなみにこの本、Kindle版が100円で、紙の本は注文されてから印刷するオンデマンドで1199円という値付け。前者が安いのはもう投資回収が終わってるからだと思われるが、今後はこういうスタイルでの出版が増えてくれると嬉しい。

  • 愚かな政治家は愚かな有権者が生み出す。まさにこれ。

    多少のスキャンダルで失脚するが実績ある有能な政治家と、品行方正で誠実だが大局観のないような政治家とどちらが「国益」を生むのか。

    市町村レベルの問題と国レベルの問題は地続きかもしれないが、担当する政治家は別なのだから、国政選挙を地元への貢献度で考えるのはおかしい。

    冷静に考えれば当たり前のことだが、昨今のパフォーマンス政治やマスコミの扇動に踊らされる有権者を見ると、「最近の政治家はダメだ」という該当インタビューのテンプレコメントが立派なブーメランであることを早急に自覚する必要がある。

    政治に興味を持つ契機として薦めやすい一冊かと。

  • 電子書籍化される前の書籍発行年は2008年。
    折しも、2014年1月23日の東京都知事選の告示日に読む。

    政治家は人間力が求められる。
    有権者はメディアの情報に流されることなく、長期視点を考慮したうえでの賢い選択をしなければならない。

    2013年に、残念ながらお亡くなりになった、三宅久之先生との対談も収録されており、戦後日本の政治史を俯瞰することもできる書。

  • うるさいおばさんっていうイメージの金美鈴氏著。
    この方自身の経歴について全く知らなかったけど、台湾に生まれ、自国の独立のために奮闘。そしてその主張をずっと持ちながら日本に帰化。同じ境遇だったらどういう行動をとってるのか。そう考えると、この方の芯の強さだったり、ぶれなさは尊敬。

    本書では、政治家というよりも日本の有権者、メディアの低レベルさを嘆いている。同感。もうちょっとメディアが責任を持たないといけないんじゃないかなと。

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著者プロフィール

金 美齢(きん びれい)
1934年台北出身。59年に来日し早稲田大学第一文学部英文科入学、71年に大学院文学研究科博士課程修了。多くの大学で講師を歴任、早稲田大学では20年以上英語教育に携わる。75年ケンブリッジ大学客員研究員。88年にJET日本語学校設立。2000年には台湾総統府国策顧問に就任。2009年日本国籍取得。現在は評論家として活動を続けている。著書に『凛とした日本人』『家族という名のクスリ』(PHP研究所)、『戦後日本人の忘れもの』(WAC BUNKO)、『夫婦純愛』(小学館)他多数

「2020年 『愛国心 - 日本、台湾ー我がふたつの祖国への直言 -』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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