フローテ公園殺人事件 [Kindle]

  • グーテンベルク21
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感想・レビュー・書評

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  • 当時イギリス統治下の南ア連邦ミッデルドルブで起きた轢死を装った殺人事件、その後にスコットランドで起きた火災事故を装った殺人未遂事件。
    物語の中心人物は、クローリー。南ア連邦で部下の殺人事件の容疑者として裁判にかけられ、無罪判決を受けたものの周囲からは疑いの目で見られたまま会社を辞め、恋人マリオンと別れ、ミッデルドルブを去る。スコットランドでクローリーとマリオンは再会し復縁するが、火災事故で危うく殺されそうになる。
    刑事の視点で、地道な捜査の過程が描かれ、アリバイが焦点となるクロフツらしい作品。南ア連邦ではファンダム警部、スコットランドではロス警部が登場。証拠をつかむたびに刑事がどのように考え、行動したかが詳細に書かれており、刑事と同じ立場で推理していくことができる。2つの事件には類似性があり、それぞれ犯人は何重にも発覚を免れるための策を講じており、非常に手が込んでいる。ロス警部は一歩ずつ前進して、最後には真相の一歩前にたどり着く。
    正直、スコットランドでのアリバイトリックは大した内容はないが、犯人逮捕の際の演出、その際に判明するアッと驚く予想外の事実が面白く、意表を突かれた。スコットランドの事件の動機がずっと不明だったのだが、真相を知るとなるほどと納得。現場で発見された鉄鎚の用途にファンダム警部が悩んでいたが、それも真相を知ると納得。
    それほど有名な作品ではないが、かなり面白い。

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著者プロフィール

フリーマン・ウィルス・クロフツ。1879年、アイルランド、ダブリン生まれ。技師として鉄道会社で働いていたが大病を患い、療養中に長編ミステリ「樽」を執筆。コリンズ社に原稿を送ったところ採用され、1920年に同社より刊行された。29年に鉄道会社を退職して専業作家となり、77歳で死去する直前まで作品を発表し続けた。57年死去。

「2018年 『四つの福音書の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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