いま親が死んでも困らない相続の話 (SB新書) [Kindle]

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  •  「相続税の申告件数日本一」という著者が遺産相続の心得について語る。相続税対策といったノウハウよりも、兄弟が見苦しく争うようなことにならないための準備や配慮のポイントに重点が置かれている。いつかは親が亡くなる日が来るし、自分が死ぬ日も来る。不謹慎などと言わずに準備しておくべきだろう。

     タイトルには「親が」とあるが、両親だけでなく配偶者や祖父母、子供が死んだ時にも遺産相続は発生する。骨肉の争いが生じるのは大金持ちの一族だけではない。本書によれば相続が家庭裁判所に持ち込まれた案件の4分の3は、相続税がかからない額(5千万円以下)を巡るものだそうだ。

     いざ相続が発生した場合に最初にやるべきこととして「相続人は誰なのか」「相続の対象となる財産は何なのか」を明確にすることが挙げられている。しかし何より重要なのは普段からのコミュニケーションと気遣いであるという点が繰り返し語られており、耳が痛い。

     なお、本書は2012年に出版されているが、その前年に決まった税制改正により、相続税は2015年から大幅に変わっている。その改正点は本書でも予定として書かれているが、細かい改正は毎年のように行われているようなので、知識の更新が必要だ。

  • 相続の基本的なことが、分かりやすくまとめられています。
    そして相続は「心の問題」というのが事例から納得です。
    とりたてて他の本と比較して新しいことは書かれていませんが、始めて相続の本を読む人には良いでしょう。
    相続には勝ち負けなどない。
    争いになった時点で全員が敗者という言葉は、まさに相続の真髄に感じます。

  • いい本でした。おすすめです。いい相続とはどういうものか、経験豊富な著者が紹介するさまざまな事例は、現実味たっぷり。とても考えさせられます。有利になる、取り分を増やす…それは、その場限りのことなのかもしれません。

    実際には親がなくなってから読むことになりましたが、心静かに話し合いに臨むことができたのはこの本のおかげかもしれません。

    大切な親子の絆、兄弟姉妹の絆。そのありがたみを感じあえれば、幸せな相続に着地することができるのだと思います。

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著者プロフィール

税理士法人レガシィ代表社員税理士。公認会計士、宅地建物取引士、CFP。1951年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。アーサーアンダーセン会計事務所を経て、1980年から現職。『やってはいけない「実家」の相続』『相続格差』(小社刊)他、100冊の著書がある。

「2023年 『【改正税法対応版】「生前贈与」そのやり方では損をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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