この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上 (講談社文庫) [Kindle]

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  • 週刊誌の編集長である特権を利用して自分本意な性行為をするところから始まり、下巻は全てを捨てて癌に侵された体を引きずりながら北海道にたどり着いて、DVから救ってあげた女の買った家に住むことにする・・・という話である。自分も含めて、周りの人間はそれぞれの理想や正義感であふれているが、結局、世界は変わらないんだから、世の中の不条理も不正義も、どうでもいいじゃないか。オレは今を生きるんだ。

    ・・・という話だと思うのだが、この作品で作者は山本周五郎賞を受賞したとのことで、たぶん文学界では随分評価されている作品なんだろうなと思う。
    白石さんはの作品では、いつも登場人物(大抵男が多いが)はいろんなセックスをしていたり、そんなセックスの話が出ていたりで、とにかく登場人物にセックスさせるのが好きなんだなといつも思う。

    まあ、とりあえず主人公の編集長の男は優秀で頭もよくてお金もあってスマートな素敵な人なんだろうが、なんというか、人間として嫌な奴である。

  • 傷ついたとか哀しいとか言えないので、まわりのありとあらゆることへの怒りとして表しているような感じ。理屈を組み立てて正当な怒りを装っているが、表面的な怒りに留まり浅薄だし、特に話にも絡まない。
    「俺は哀しい、つらい」って言うために、こんなややこしい事を経ないといけないなんて、大変そうだな

  • 「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(上)(下)」(白石一文)[電子書籍版]を読んだ。なんだか読んでる間中胸が締め付けられでるみたいで息苦しかったんだけど、拒絶反応かな。以前「四日間の奇跡」(浅倉卓弥)を読んだ時もこんなだった。それ以来浅倉さんを読んでない。白石さんはどうしようか。

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著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行。各紙誌で絶賛され、鮮烈なデビューを飾る。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、現代日本文学シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』など著作多数。

「2023年 『松雪先生は空を飛んだ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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