戦争論 ─まんがで読破─ [Kindle]

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  • 戦争を単なる国と国のケンカだと決めてかかり、強いものが勝つと単純に考えられた1800年代。ヨーロッパのプロイセン王国の軍人クラウゼヴィッツは「戦争とは何か?」を問う。クラウゼヴィッツが目を向けたのは、軍人ならではの戦争の勝ち方はもちろん、戦争発生のメカニズムや戦争パターンの分析などにも及ぶ。

    そんな彼が戦争の根源に興味を持ったきっかけは、ナポレオン率いるフランス軍にプロイセン軍は圧倒されたこと。捕虜となった彼はナポレオン軍に恐怖し、対抗策を練ると同時に、その強さに惹かれたのだろう。もちろん立場上、その強さを称賛するわけにもいかず、グローバルな視点で「戦争」を論じることにした。という気がする。

    そんな敗者の立場から勝者にあこがれるクラウゼヴィッツの複雑な心情が、マンガだからこそ伝わってくる。

    ところで、核兵器が発明されてしまった現代において、クラウゼヴィッツの戦争論は通用しなくなったのか。本書はそんなところまで踏み込んでいる。

  • プロイセンの将軍カール・フォン・クラウゼヴィッツによる戦争と軍事戦略に関する書物。ナポレオンと同じ時代。1810年くらい。体系立てられていて興味深い部分があった。マンガは本人が自分語りするパターン。没後も現代の核の取り扱いなどについて自分が足りが続く。

    ・戦争の本質
     ・要素「政府の目的、軍事の才能、国民の支持」
     ・戦争は政治的目的に従属する
     ・目的達成の手段「敵戦力の撃滅、講和条約の締結、防御」
    ・2種類の戦争
     ・絶対的戦争と現実の戦争
     ・絶対的戦争の特徴「暴力の極限行使」
      →そのプロセス「暴力の応酬、恐怖の増幅、力の増大」
    ・軍事編成
    ・防御の優位性
    ・戦争計画

  •  11円セールにて購入( ´ ▽ ` )ノ

     ナポレオン戦争に破れた経験から生涯をかけて考察されたクラウゼヴィッツの戦略・戦術研究の総括( ´ ▽ ` )ノ
     戦争とは相手に自分の意志を強要するための暴力行為である(>_<)
     彼の思想はその死後 各国軍部に恣意的に利用され、欧州に次々軍事国家を誕生させるきっかけとなった(>_<)
     本書が真に理解されるようになったのは(ベトナム戦争敗戦の反省から米軍で研究が進み、「孫子の兵法」などと並んで軍書古典が再評価されるようになった)70年代以降(クラウゼヴィッツ・ルネサンス)( ´ ▽ ` )ノ
     ガンダムとか銀英伝とか架空戦記のネタ本にもなってるんだろうね、たぶん( ´ ▽ ` )ノ

     本書は無名作者さんがクラウゼヴィッツ氏の口寄せで読者に語りかける憑依形式で著され(大川○法?)、その論考は第二次世界大戦以降の現代戦にまで及んでいる( ´ ▽ ` )ノ
     終盤はもう無名さんの一人弁論大会で、「戦争論」の内容紹介というより「私の『戦争論』論」的な代物になってる(>_<)
     まともなことは言ってると思うんだけど、これでいいのか?……「私の考えは時代遅れ」なんて勝手にクラウゼヴィッツ氏に語らせちゃってるし……(´ε`;)ウーン…

     まあ、マンガ本としては読みやすいし画力もそこそこだしで、十二分に堪能できた( ´ ▽ ` )ノ
     米水爆マイクとかロシアのツァーリ・ボンバとか、ぜんぜん知らなかったこともたくさん学べた(これまた「戦争論」原著には載ってるはずがないものだけど……)( ´ ▽ ` )ノ
    2020/11/29
    #1499

  • わかりやすくまとまっており、著者の死後以降の戦争もふまえて著者の主張が解説されているのが良い。

  • あらすじを理解するためにAmazonで11円にて購入。
    難しい内容を漫画にしてエッセンスを知るにはよかった。現代にどのようにいかすかって言うような終わり方も漫画ならでは。

  • 作者の意見もかなり混ぜ込んであるが入門編としてはちょうど良いと思う。

  • 特に興味があったわけではないがセールだったしマンガだったのでDLしてKindleで読破。
    マンガだけにあっという間に読み切れた。
    概要を掴むのにマンガを使うのは有効な手段だと思う。

    さて、読み終わってみて。

    戦争論というのが戦略や戦術に関してではなく、政治や政略と密接に紐付いていることは分かった。
    またナポレオンがとにかく凄いということと、彼は市民を味方につけて兵力を上げ、かつ
    これまでにない新しい戦術や戦略をフランス軍に持ち込んで圧倒的な戦力を叩き出したと
    いう部分は非常に興味深い。戦争でなくとも古いやり方にあぐらをかいていると、別の破壊的な
    やり方を持ち込んだ全く別の敵に徹底的に潰されるのは、現代のビジネスに置いても同様だ。

    さらに、本書の最後の部分。
    「核兵器が結果的に大国間の戦争を抑止していること」
    と、
    「大国間では核軍縮をしているが、ならず者国家には関係ないこと」
    そして
    「核兵器は材料とレシピさえあれば誰でも作れること」
    「それらがならず者国家に渡ったらどうなるか?」

    は色々かんがえさせられるものがあった。

    最後に、著者(訳者)が残した言葉を引用して終わりたい。
    この言葉は、深く心に刻んでおきたいと思う。

    戦争体験者から話を聞ける環境にあると、
    『戦争は悲惨なもの』
    『絶対に繰り返してはならない』
    の一点張りで、自分では考察に一切踏み込まないことが許容される。
    これは「善意の罠」だ。
    感情に振り回されるあまり戦争そのものを拒否することは
    問題を人任せにして文句を言っているのと変わりない。
    本当に戦争をなくしたければ、戦争を考えるということから逃げてはいけない。

  • どこかで見たことや聞いたことのある内容ばかりで新たな学びはなかった

    途中から『戦争論』が書かれた時代以降の話が出てきており、作者の意見を混ぜてきたのが不快

    途中で 「『戦争論』の説明はここまでで、これから先は作者の考え」と分けて欲しかった

  • クラウゼヴィッツの戦争論。
    原作はは難しい、との評判が高いため、マンガでざっと読了。

    さすがに表面的にしかわからないから、いつか原作に当たらないとだめだな。

    とはいえ、戦争をいくつかの要素にわけて考えているところは参考になる。

    ビジネスに応用できる、と言われるのはその部分だな。

  • 最後の部分は、誰の考えなのだ?

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著者プロフィール

クラウゼヴィッツ(1780〜1831)はプロイセンの将校で軍事理論家。ナポレオン戦争に従軍し、その体験から戦争・戦術を理論的に分析、政治の一側面として捉え、位置づけた。現在の政治学や安全保障の面でも高い評価を受けている。

「2009年 『国家を憂う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

クラウゼヴィッツの作品

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