神谷美恵子日記 (角川文庫) [Kindle]

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  • 〈内容紹介より〉
    人は何のために生きるのか。
    苦しみと悲しみの極にあるとき、人はどのように生きる意味を見出せばよいのか。人間の「生きがい」について深いまなざしを注いだ精神科医・神谷美恵子。彼女自身も様々な苦悩や葛藤のなか、生涯をかけて自らの生きがいを懸命に追い続けていた。その日記にはときに自分らしい生への熱く激しい渇望が、ときに日常にひそむ人生の静かな喜びが、いきいきと語られている。人が本当に生きるとはどういうことなのか、読む者の心に深く問いかける真摯な魂の記録。




    本来、人の日記はプライベートなものなので、こういう風な形で拝見できるのはすごく新鮮であった。

    私は神谷美恵子さんの書籍『生きがいについて』や『人間をみつめて』『こころの旅』に心打たれて、もっと神谷美恵子さんのことについて知りたいと思い、本書を手に取った経緯である。

    日記には、神谷美恵子さんの生き様が書き留めてあり、とにかく感受性が豊か。表現力も。風景を見て、音楽を聴いて、想いを馳せる。尊いものを感じさせてくれた。

    医学への情熱、学ぶ姿勢、探究心、家族との向き合い方、人への関心、強い信念、人生への想い、読んでいて心が熱くなった。

    また、主婦として、妻として、母として完璧でありたいという著者。大変だと言いながらすごく充実した日々を過ごしていると感じた。

    神谷美恵子さんに興味のある方はぜひ。

  • 精神科医師であり、哲学や文学書の翻訳やエッセーを書いた。幼少にスイスで生活しフランス語が堪能で、英語、独語、古典ギリシャ語等の語学の才能も持ち合わせる。長島愛生園でのライ病患者への医療に深く関わった。これは、20台前半から晩年までの日記の抜粋である。若くしてヨーロッパで育ち、父母の関係で知識人との交流も多く、恵まれた環境を得、恵まれた才能を医学、文学、語学に振り撒いたことが良く分かる。戦中、戦後の一時期は窮乏していたが、夫、子どもたちとの愛情深い交流が伺われる。

  • 昭和の意識高い系女子、というと身も蓋もない。
    ただ、生まれもよく、意識も高く、生活も凛として見習うべきところが多い女性。

    白洲正子を好きな人は、この人にも好感をもつんじゃないかな。
    (白洲正子よりは主婦の姿など、より一般人に共感できる生活はしている)

    しかしこの時代においてこの学識はすごいと思う。
    若い時代(20代?)くらいにマルクス・アウレリウスの自省論を訳したりしているのはすごい。

    生き方として参考になる。

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著者プロフィール

1914-1979。岡山に生まれる。1935年津田英学塾卒業。1938年渡米、1940年からコロンビア大学医学進学課程で学ぶ。1941年東京女子医学専門学校(現・東京女子医科大学)入学。1943年夏、長島愛生園で診療実習等を行う。1944年東京女子医専卒業。東京大学精神科医局入局。1952年大阪大学医学部神経科入局。1957-72年長島愛生園精神科勤務(1965-1967年精神科医長)。1960-64年神戸女学院大学教授。1963-76年津田塾大学教授。医学博士。1979年10月22日没。

「2020年 『ある作家の日記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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