温室デイズ (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 中々壮絶な話だった。
    読んでいて遣り切れなくなるのだけど、何とか好転してくれないかと読み進める、そんな話だった。
    理不尽なイジメに支配された学校、少しでも正義を口にする者は徹底的にイジメられる。
    救いのないのは大人たち、見て見ぬふりなのだ。
    犯罪行為だよね、ここまでくると、と思うのだけど、大人は動かない。現実も多かれ少なかれこんなものなんだろう。

    「どんなに酷いことをしようと中学生は学校という温室に守られている。ドロップアウトしても次のクッションに守られている。居心地がいいわけではないけどこの空間で毎日を送るしかない。本気で自分から断ち切らない限りこの温室で生活するのが私達の日々」
    瞬や優子にとってはそうであっても、みちるにとってははたしてそうだったのだろうか?

    色んな問題を提起している話だと思う。
    現在はもっと陰湿かもしれない。
    フリースクールや保健室登校等々、それらしきものも出てくるが、読んでいてこういうシステムははたして当事者たちの何を理解しては運営されているのだろう、と疑問に思ってしまった。
    本当に困っている子に手は差し伸べられていない。
    僅かに救いだったのはスクールサポーターの吉川。
    消極的な態度ではあったがみちるがホっと出来る存在だったのだろう。そういう意味では教師たちよりきちんと仕事をしていたのだ。
    瞬も社会に潰された犠牲者。
    私の中では一番ずるいのは優子、あなたのためにみちるはイジメにあうようになったのではないの?いつもと安全なところにいるなんてずるいのでは。

    イジメをなくすなんて無理、と思っている。
    しかし嫌だね、イジメは。

    最後は少しだけ光が見えた。

  • 久しぶりの読書!
    瀬尾まいこさんすき

  • 10年前と学校の状況は変わっているのかいないのか。強くあり続けるみちるはすごい。立ち位置を変えてやり過ごす優子も生きる力があるってことだね。

  • 学級崩壊経験者として、こころが苦しくなった。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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