とっぴんぱらりの風太郎 [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 再読。kindle。ラスト近くで号泣するのはわかっていたので、通勤電車の中で用心しながら読了。最初に読んだときには本の厚みにおののいたけど、2回目ともなると(しかもkindleだし)ラクーに読めた。結構忘れていてまたもや号泣寸前。戦国時代の合戦ってやたらめったら人が無惨に死んでしまい、好みじゃない描写が多いのだが、ラストの忍びの死は、一人一人の死の重みに心が引きずられて涙をこらえるのに必死だった。kindleなのにイラストも収録されていて、これがまたいいイラストなんだ。映像化はなしでお願いします。

  • 途中まで,「ふうたろう」だと思ってた。正しくは「ぷうたろう」。ってか,所謂「プータロー」も「風太郎」って書くのね。

  • 風太郎よく頑張ったの一言に尽きる。

  • 人一人一人が生きていくのに必死な時代。忍びとして生まれた彼が時世に飲まれ、流され、考えながら生きていく様を描いた一冊。
    周りに影響を受けながらも素直に人生を送る男性。
    長編だったー。

  • 「偉大なるしゅららぼん」を読んで、それなりにおもしろくはあったけど、んーむ…と思っていたが、もう一作品くらい読んで評価してもいいか、とこちらにチャレンジ。kindleだったので、こんなにボリュームのある作品と思わなかった…。が、そのボリュームにも関わらずグングン読めた。一体この話はどこへ向かうのか?…とわからぬままに、風太郎同様、おぼつかない足取りで物語に引っ張られる。しかし、はじめ暢気に思われたキャラクターたちが、最後の方で、あんな悲劇的な物語に身を投じるとはちょっと予想外でびっくりした…。もっと大団円的なものを想像していたけど、なるほど、ああいう終わり方か…とも思う。個人的には「しゅららぼん」より断然こちらの方がおもしろかった!挿絵もすごく良かったなぁ。kindleなのにちゃんと挿絵も収録されてて良かった!…とりあえず、「プリンセス・トヨトミ」も読んでみようか、という気になりました。

  • 万城目学は『鴨川ホルモー』以来好きな作家。この『とっぴんぱらりの風太郎』は知人から「面白かったよ」とススメられたものの、あのブ厚いハードカバー版を家に置く気にはならずに逡巡していた。それが、直木賞候補作になったからか、本屋大賞候補になったからか、無事 Kindle 入りしてくれたので、安心して購入、読了。

    ホルモーにしろ鹿男にしろ万城目学の魅力は、現代風俗と奇妙なモノノケの取り合わせだが、今回は時代ものとモノノケの取り合わせ。織田信長の天正伊賀の乱を生き延びた忍び達が、自らの存在意義に悩みつつ夏の陣、冬の陣に否応なく巻き込まれていく物語に、ひょうたんに宿る因心居士の物語が重なる。正直なところ、ラストが気に入らなかったので星 -1。

    しかし、ホルモーの鏑木といい、風太郎の芥下といい、万城目学の描く無口女子は魅力的だなあ。

  • 本屋さんで買うのを躊躇するほどの分厚さ(45ミリだそうです!)を誇る、大大長編でした。
    で、やっぱり躊躇して電子版を買ってしまいましたがw

    舞台は江戸時代の初期。伊賀を追い出され、京都でふらふらとその日暮らしをするニート忍者?風太郎(ぷうたろう)が、不思議なひょうたんに出会い、あれよあれよと流されて、ついには大阪城の陣へ!
    忍びとして任務を遂行するしかできなかった若者が、依頼を受けて仕事をし、頼みに応え、最後は自ら考えて相手を思って尽くすと、どんどん自由に、どんどん変わっていく展開に何だかかなり感情移入してしまいました。
    また登場する忍者たちが超個性的で、読んでいてもまったくもって時代モノっぽくない! まさに万城目ワールド全開。
    とはいえ、どっしりシリアスでがっちり硬派な忍者小説でもあり、さらにラストはなかなかの展開…あの作品にも繋がっていたり…涙でしたね。

  • いつものマキメ節からするとやや真面目な感じの時代劇小説。バカバカしいほどの舞台仕立てはないが、ちょっと泣けるストーリー。
    さすがにこの厚さになると電子書籍の有り難みを実感する。

    時は大阪の陣のころ。天下泰平を目前にして、忍者なども必要とされなくなりつつある時代の落ちこぼれ(?)忍者が、ひょうたんに封じ込められた仙人の導きで豊臣秀頼のために大阪城に向かう。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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