- Amazon.co.jp ・電子書籍 (139ページ)
感想・レビュー・書評
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Q2に慣れている人からすると,Q1はかなりあっさりとした構成で贅肉が落とされている。ハムレットの成立を研究する上で,今回の訳の重要性は高い。
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購入前に「Q1」って何だろう? と思ったが、後出本であるQ2,F1より尺が短い初版本らしい。
買うか迷ったが、さっと読めるのは利点だなと思い購入。
それにしても人がバタバタとあわただしく死んでいく!
終盤のハムレットとレアティーズの決闘では、むしろ喜劇じゃないかと思うほどバンバン畳み掛けて死ぬ。
リア王よりも死人の数は多かったと思うが、人の死の重みがないような気もする。
母と叔父への恨みが惨劇を引き起こすまでの過程は小気味よく進んではいくけれども、やはり最低限の必要な部分だけをまとめた感がなくもない。
ハムレットがオフィーリアに熱を上げているらしい様子が周囲の人物の台詞で語られるが、その割には直接的な恋愛の場面が出てこないので、周りが言うほどでもない冷めた関係に見えた。
イギリス上陸後の暗殺計画が露見してからのクローディアス王とハムレットの会話、父ポローニアスを殺されてからのレアティーズのハムレットへの接し方など、そんな状況でそんな感情の動きをするのか? という違和を感じた部分もあった。
脚本はあくまで土台であり、あとは役者が味をつけてこそ、といったところだろうか。
またリア王でもゴネリルやリーガンがそうだったが、たとえ主要な人物でも、人を死なせるときに舞台で死なせずに「誰がどこで亡くなった」と役者に言わせるのも多いなと思った。
この本で言うならオフィーリアがそうだ。
「生か死か、それが問題だ(to be, or not to be, that is the question.)」
という有名なハムレットの独白も、これがそうなのか…と少し感動して読んだが、ここもQ1は内容が違っていた。
(いちおう巻末解説に、Q2版の訳文も書かれているので読み比べができる)
なお解説では脚本家シェイクスピアが不在の地方公演でハムレットを上演することになった際、役者たちが台詞を思い出しながら急造した版、という説を推していた。
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2022年6月23日に読み始め、24日に読み終える。Amazon Kindle Unlimitedにて。トゥルゲーネフの『初恋』に出てきたので。
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ハムレットはひどいやつ。
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誰も幸せにならないの
さすがシェイクスピア -
【印象】
情欲と破滅。
主人公王子の父が死に、叔父と母が結婚した。
【類別】
戯曲。
悲劇。ややファンタジー。
劇中劇を含みます。
【脚本構成】
二幕構成。
割と雑に風呂敷が畳まれる印象はあります。
【表現】
有名な一文「生か死か、問題はそれだ」を持つ作品です。特に好きな表現は「そのホレイショでございます」「この左右の手にしても、あれほど似てはおりますまい」「墓の中へか?」「悲しいなあ」。あの人、またこの世の関節を外してる。
【備考】
表題のとおりQ1版ですのでその点ご承知おきください。
このレビューはアマゾンKindleストアにて2017年3月22日にダウンロードしたものの鑑賞に拠ります。 -
[配架場所]2F展示 [請求記号]932.5/Sh12 [資料番号]2010114037