部長、その恋愛はセクハラです! (集英社新書) [Kindle]

著者 :
  • 集英社
3.95
  • (7)
  • (4)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 60
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (156ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 現実に生じるセクハラは、お役所や会社、大学が発行している防止パンフレットや各種マニュアルの事例とはだいぶ違うものである。結局、この問題の難しさは、ほとんどのセクハラが、グレーゾーンで生み出される点にこそあるのだ。なぜ女性ははっきりとノーと言わないのか、男性はなぜ気づかないのか。恋愛がらみの二つのパターン、妄想系とリアル系の違いとは。そして、訴えられたらどうすればいいのか―。セクハラ問題の第一人者が、豊富な具体例を紹介しつつ、男が嵌りやすい勘違いの構図をあぶりだす。誰でも知っておいて損はありません!
    セクハラの定義は、「性に関わって人間性を傷つけること、職場や学校などで相手の意に反して不快で苦痛な状態に追い込み人間の尊厳を奪う性的な発言や行為や性的嫌がらせ」と広辞苑にある。
    この本では、男性の側は合意と思っていたがセクハラとされるケース、交際に至っていなくても相手の真意を取り違えたケース、男性の不用意な言葉や行為がセクハラとされるケースなどを通して、セクハラが発生するメカニズムと背景にわけいって男性が気づかない理由を解き明かしている。
    女性が喜んでいるように見えてもセクハラであるケース、相手の立場上嫌でも受け入れているケース、仕事のことでメールや電話をしているのに一対一の関係の中で恋人気取りを始めるケースなどが、多い。
    セクハラ男になりたくなければ、自分が見えている真実ではなく、相手の立場に立って事態を見るように努めることが大事。
    男性が恋愛と思っていてセクハラとされるケースには、上司や同僚の男性をまったく異性と意識しない無邪気な言動にスイッチが入るケースもある。
    何故女性のノーが伝わり難いか、それは女性が相手の報復を恐れていること、女性が子供の頃から相手の意図を伺いながらコミュニケーションするように育てられていて強い拒絶の言葉を使うことに慣れていないから。
    職場で女性と上手く仕事していく研修にも役立つ1冊。

  • 男性側の態度変容を促すための本だけど、「これってセクハラなの?嫌って言っていいの?」とモヤモヤしてる女性にも勧めたい。(あえて男性視点に寄り添うように書かれてるので、目下強いストレスを受けてる女性は読むの辛いかもしれない。無理せず。)

    本論とはズレるが、「不倫は否定しない」的なことを少なくとも2回も言ってるのは何なんだろう、と思った。

  • パンフレットに載ってるようものだけじゃなくて、実際にはグレーゾーンが多いセクハラ。被害者の受取方次第と言われるが、男女で何がどうずれているのか記載されている本。「昔はよかったのに…」ではなく、この本に書かれている感覚にアップデートしたら、男性は自己防衛できるのかも。

  • うーん 男と女の間って… 深くて暗いわ。

  • 男性が真剣であろうがなかろうが、女性にとってはお呼びでないものはお呼びでない。そんな簡単なことがなぜわからないのか、女性からすれば不思議です。

  • これ全おじさん必読。
    おじさんの勘違いをかなり分りやすく、なるべくおじさんを傷つけないように優しく書いてくれている。

    こういう本はめったにないと思うので35歳以上の殿方は絶対読んだほうがいいかも。

    こっちもどうしてそう勘違いしてしまうのかというおじさんの心理、そしてどうして女子がそういう対応をしてしまうかの理由を理解できた。

    下記ほんと納得。

    「真剣な気持ちなら許される」と思うのは大間違い。

    仕事での営業や交渉なら時に必要な(男らしいとされる)押しの強さを現代の恋愛に持ち込むのはご八度。
    引き際のスマートさが大事!!!

    中高年男性が「モテる」のは、地位と権力が九割がた。

    露出の多いファッションは誰のため?職場の男性のためではありません。ファッションは女性の自己表現です。

    なるほど。
    力関係があるからセクハラが起こるというのにも納得。
    セクハラを起こす側に力があるから、はっきり断れなかったり、それを分ってるからハラッサー側もセクハラをするんだな。

  • ただただ怖い
    加害者被害者にならないよう気をつけられることについて、ずっと考えなきゃいけない

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は社会学・女性学。
主な著書:『部長、その恋愛はセクハラです!』(集英社)2013年、『家族を超える社会学』(新曜社)2009年、『ジェンダー家族を超えて─近現代の生/ 性の政治とフェミニズム』(新曜社)2006年、『実践するフェミニズム』(岩波書店)2001年、『戦略としての家族─近代日本の国民国家形成と女性』(新曜社)1996年

「2015年 『改訂版 ジェンダー・スタディーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

牟田和恵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×